2本牙ではなく、堅実にアリクイを選択

 スペイン・ヘレスで行われたテスト初日に、レッドブル、メルセデスAMGらとともにニューマシン、STR9をお披露目したトロロッソ。ノーズはフォース・インディアと同様、2013年型マシンのコンセプトを維持しつつ、新しいレギュレーションに合わせたシンプルな“アリクイ”型となっている。

 このような処理をした理由をテクニカルディレクターのジェイムズ・キーは「今年のウインターテストでもっとも大切なことは、エアロダイナミクスのアップデートよりも、大きく変更され、まったく新しくなったパワーユニットを走らせてデータを取ること。ノーズの処理はこれから開幕戦までに進化させればいい」と語っている。

 キーによれば、トロロッソもロータスがネット上で公開した「2本牙」型ノーズのような奇抜なアイデアを試していたが、確実な路線を選択したという。そうであれば、おそらくトロロッソは異なるタイプのノーズで風洞実験も行っている可能性があり、開幕戦までに異なる思想のノーズにアップデートしていくことは十分に考えられる。

 STR9でもっともトロロッソらしさを感じるのは、リヤのクラッシャブルストラクチャー上に設置されたミドルウイングである。今年の空力に関するレギュレーション変更はノーズの寸法だけでなく、ビームウイングの禁止も忘れてはならない。ビームウイングとは、これまでリヤウイングを車体と結合していた部分で、リヤのロワウイングとも呼ばれるほど、重要な役割を果たしていた。そのため、各チームさまざまなアイデアで、失ったリヤのダウンフォースを取り戻そうとしている。

 トロロッソが施したアイデアは、昨年のモナコGPなどでトロロッソが採用していたミドルウイングを進化させるというものだった。今年のレギュレーションではエキゾーストはリヤの中心線から後方に向かって1本で排出することが決まっているので、ちょうどその場所に小さなウイングを立て、ディフューザー効果を高めるような処置を行っている。

 ただし、そうした措置も、兄弟チームのレッドブル同様、パワーユニット関連のトラブルによって台無しとなった。初日15周、2日目0周、3日目は30周走行できたが、4日目は再び9周どまり。
「ヘレスでのテストは空力よりもパワーユニットの信頼性を確認したかった」というキーだが、その目論みは大きく外れた。したがって、STR9のポテンシャルをここで語るのは時期尚早だろう。

本日のレースクイーン

青山水咲あおやまみさき
2025年 / スーパーGT
SUBARU BRZ GT GALS BREEZE
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

    FORMATION LAP Produced by auto sport : Hands in the Fight|0.25mmの戦い

  • auto sport

    auto sport 2025年7月号 No.1609

    【特集】LE MANS 2025
    “史上最混戦”の俊足耐久プロト頂上決定戦

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円