厳しい状況の中、チャレンジングなマシンを発表

 ロータスは2011年にも前方排気システムを登場させるなど、マシンの開発に対して、常に独創的なアプローチをとることで有名なチームだ。そのロータスが発表した2014年の新車は、まさにロータスらしいチャレンジングなデザインを採用している。

 それはノーズが「2本牙」形状をしていることだ。ライバル勢がレギュレーションの規定を満たすためにノーズの高さを下げたり、従来のノーズの先に細長いノーズを取り付けて、いわゆる「アリクイ」型で規定変更に対応してきたのに対して、ロータスはE22でまったく異なるアプローチをとった。それが「2本牙」である。新車のロールアウト(初公開)が終わった時点で、ロータスだけが「2本牙」形状のノーズとなっている。

 発想はアリクイ型と同様に、できるだけノーズの高さを保ちつつ、レギュレーションで定められた185mm高という新基準をクリアするために生まれたアイデアである。アリクイ型と異なるのはノーズの先から伸びる部分が1本ではなく2本ということだ。

 2本牙にしたメリットは2つ考えられる。ひとつはノーズの中央を開けることで床下へ導く空気の流れを最適化しやすいのではなかったかということ。もうひとつはクラッシャブルストラクチャーとなるノーズ先端が1本ではなく2本にすることで、剛性を分散させることができるので、軽量化しやすいというものだ。
 しかし、ロータスは全11中、ただ1チームだけ1月にスタートしたスペイン・ヘレスで行われた1回目の合同テストへの参加を見合わせた。

 その理由をロータスのテクニカル・ディレクターであるニック・チェスターは「少しでも長く、マシンを隠しておきたいからだ」と強気の発言をしたが、それが真実でないことは、ヘレステスト前の2月24日に自チームのホームページ上で公開していたことでもわかる。

 本当の理由は「われわれのいまの状況を考えると、へレステストへの参加は、理想的ではないと判断した」(チェスター)ためで、それはロータスがエンジンを供給されているルノーとの交渉が1月の段階でまだ固まっていなかったことを意味していた。事実、1回目のバーレーンテスト期間中の2月20日にルノーと新たに長期的なエンジン契約を締結したことを正式に発表している。ルノー・エンジン(ルノー・スポールF1)のワークスチームは現在、前ルノーだったロータスではなく、ともに4連覇を築いたレッドブルである。しかし、ウインターテストでの惨状によって、両者の関係にすきま風が流れ始めたことは確かで、ここでロータスと密接な協力関係を築くことは、ルノー・エンジン側にとってもメリットがあると感じたのだろう。

 こうして1回目のバーレーンテストに登場したニューマシン、E22だが、ルノーのパワーユニットの問題から、十分な走り込みが行えず、依然そのポテンシャルはベールに包まれたまま。そして、何より、なんとか14年の参戦にこぎ着けたものの、シーズンを通して戦っていくだけの体力がチームに備わっているのかという見通しも、不透明であることが、このチームにとっては最大の問題ではないだろうか。

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