横浜ゴム(株)(社長:南雲忠信)は、4月30日、タイのラヨーン県に建設した総合タイヤプルービンググラウンドTIRE TEST CENTER OF ASIAの開所式を開催した。TIRE TEST CENTER OF ASIAの建設は2007年9月から始まり、2008年12月に竣工、すでに今年1月から一部タイヤ評価を開始している。建設総投資額は25億円。
開所式はTIRE TEST CENTER OF ASIAを運営するヨコハマタイヤマニュファクチャリング(タイ)の主催で行われ、ラヨーン県の行政関係者、建設工事関係者、アジア各国のモータージャーナリストら総勢約130名を招き、横浜ゴムから福井隆常務執行役員などが出席した。挨拶に立った福井隆常務執行役員は「TIRE TEST CENTER OF ASIAの完成で、横浜ゴムグループが持つ総合開発拠点は日本と合わせて2拠点となり、グローバル市場に向けたタイヤ開発能力が、量、質とも飛躍的に強化されることになった。今後、両拠点を核として、ヨコハマブランドの世界的評価を高めていきたい」と語った。
TIRE TEST CENTER OF
ASIAの敷地面積は東京ドームの36倍に相当する約169万㎡。ここに時速200km/hを超える高速走行試験が可能な全長約4.1kmの高速周回路(直線距離1km)と約10万㎡(幅100m×長さ1,000m)の総合試験路を建設した。総合試験路には約9,000㎡のウェット試験路、世界の様々な路面状況で乗心地やノイズ評価が行える特殊試験路を設け、ドライからウェットまで様々な条件で評価が行えるようにした。さらに高速周回路の外側には、アジアの一般路を再現した全長約4.2kmの外周路も設置し、実車耐久試験の充実を図った。こうした試験路を活用して、横浜ゴムグループの日本、アジア、米国の製造拠点で生産された、乗用車用、ライトトラック用、トラック・バス用タイヤの走行試験を行う。
現在横浜ゴムは、日本に設置した総合タイヤプルービンググラウンドD-PARCと冬用タイヤ専用プルービンググラウンドT-MARY、さらに日本、欧州、米国などの契約プルービンググラウンドを利用してタイヤ評価を行っている。TIRE TEST CENTER OF ASIAの完成によって、タイヤ試験処理能力が拡大するほか、試験期間の短縮、試験目的に応じた評価場所の使い分け、ウェット性能評価を含めて1年中同じ条件での評価遂行など、従来になかった数多くの利点が得られるようになる。
