オープニングラップで、キミ・ライコネンとフェルナンド・アロンソがクラッシュ。大事に至らなかった幸運に安堵しつつ、レースは波乱の幕開けとなった。最後の1ポイントをめぐるバトルまで、激戦のオーストリアGPを無線の言葉から振り返る。
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<LAP2>
ジェンソン・バトン→(ドライバーからチームへ)「フェルナンドは大丈夫?」
←(チームからドライバーへ)「ああ大丈夫だ、自力でクルマから降りたよ」
<LAP5>
ルイス・ハミルトン←「リスタート後はタイヤのロックに注意しろ。内圧と温度が下がっている」
<LAP6>
ニコ・ロズベルグ←「次の周にレース再開だ。セーフティカーライン1まではオーバーテイクなしだ。自分でペースをコントロールしろ」
<LAP8>
ジェンソン・バトン←「ピットインしてくれ、リタイアする」
<LAP11>
セルジオ・ペレス←「後ろのグロージャンはオプション(スーパーソフト)タイヤだ。君のほうが良いタイヤ(ソフト)だよ」
<LAP12>
マックス・フェルスタッペン←「フロントブレーキが過熱している。クリーンエアで走ってくれ」
<LAP14>
ロマン・グロージャン←「ペレスを抜く必要がある」
→「やろうとしているけど、そんなの無理だよ!」
<LAP15>
バルテリ・ボッタス←「(フェルスタッペンを抜いて)グレートなオーバーテイクだ!」
<LAP17>
ダニール・クビアト←「ボディワークのダメージが大きい。空力バランスが悪化しているから気をつけろ」
ルイス・ハミルトン←「(ロズベルグに)近づいているぞ、この調子だ」
<LAP19>
パストール・マルドナド←「確認だが(グロージャンに)引っかかっているか?」
→「少しだけど、そうなっている」
<LAP22>
マーカス・エリクソン←(スローダウンしたため)「スイッチオフの手順を取ってくれ」
→「再始動したよ」
←「OK、続けてくれ」
バルテリ・ボッタス←「ヒュルケンベルグに対してウインドウに入った」
→「ピットインしろということか?」
←「違う、ステイアウトだ。セーフティカーが入った場合はピットインできる」
<LAP31>
カルロス・サインツJr.→「パワーがなくなっている!」
<LAP32>
ニコ・ロズベルグ←「あと1周、ストラット7でプッシュしろ」
ルイス・ハミルトン←「ペースを上げろ。ピットストップまで、もう少しだ」
<LAP35>
ロマン・グロージャン→「ギヤボックストラブルだ、スローダウンしている」
<LAP41>
ルイス・ハミルトン←「ピット出口の白線カットで5秒ペナルティを受けた。レースタイムに5秒加算される。つまり、後方に5秒以上のギャップが必要だ」
→「誰かと当たった?」
←「違う、ピット出口だ。いま確認している」
<LAP45>
ニコ・ロズベルグ←「デブリは取れたようだ。エアロバランスはノーマルに戻るはずだ」
<LAP50>
パストール・マルドナド←「(ダニエル・リカルドを抜いて)グッジョブ、よくやった!」
<LAP58>
セルジオ・ペレス←「タイヤは、まだライフがあるはずだ。最後までプッシュできるぞ」
<LAP63>
セルジオ・ペレス→「すごくひどいバイブレーションが出ている」
<LAP65>
ニコ・ロズベルグ→「右フロントのバイブレーションがひどくなってきている」
←「了解、マトリックスをチェックする」
→「フラットスポットによるものではないんだ」
<LAP68>
ニコ・ロズベルグ→「本当にタイヤの信頼性に問題はない?」
←「いまのところ問題はない」
→「そこだけ全力で注意してくれ!」
←「もちろんだ。いまは懸念するほどのことではない」
<LAP70>
マックス・フェルスタッペン→(1コーナーでロックして)「(タイヤが)完全に終わった!」
<チェッカー>
ニコ・ロズベルグ→「イェーイ! みんな、すばらしいクルマを本当にありがとう」
ルイス・ハミルトン←「よくやった。望んでいた結果ではないが、良いレースだった」