「もうすぐ株式比率を51%に引き上げるから、ベネズエラマネーは必要ない」(マンスール・イジャズ/クワンタム代表)

「ブラジルGPでひょっとしたら、発表できるかもしれない」と語るのは、ロータスとの交渉がウワサされているクワンタムのマンスール・イジャズ代表だ。

 アメリカGPでロータスのチームホスピタリティハウスを訪れていたイジャズ代表率いるクワンタムは、インフィニティ・レーシングという名前で、今年の6月18日にロータスの株式を35%取得。「現在、その比率を51%に上げる交渉を筆頭株主(65%)であるジニー(・キャピタル)と行っており、間もなく契約締結する」と明言した。

「したがって、ロータスの将来に問題はなく、われわれにベネズエラマネーは必要ない」と、暗にパストール・マルドナド(ウイリアムズ)の加入を否定。「ロメイン(・グロージャン)の残留は確定しており、もうひとりも能力を優先して選択する」と語った。

 キミ・ライコネンの離脱と契約金の未払いに関しては、「それはチーム代表のエリックに聞いてくれ」と明言を避けたが、「例えば、100億円を海外送金しようとしても、マネーロンダリングの観点から一度には送ることができず、非常に複雑な手続きを踏まなければならないことが、今回の騒動の原因になっている」と説明した。

 しかし、パキスタン人で核開発者でもある父を持つアメリカ出身のイジャズは、元々アメリカ・ニューヨークでクレッセントという投資顧問会社を経営しており、中東に多くの顧客が存在する。しかし一方で、過去にはパキスタン軍のクーデターを懸念してアメリカ政府が介入したと言われる「メモ疑惑」など、あまりよろしくないウワサがつきまとっていることも事実で、ロータスのチームホスピタリティハウスでイジャズを取材していた最中も、ジニーの関係者が近くでこちらを偵察していたほどだった。

 もし、イジャズが言うことが本当であれば、ドライバー市場に残っている中でもっとも速いと言われているニコ・ヒュルケンベルグをなぜ早く獲得しないのか。実際な話を聞いても、疑問は深まるばかり。おそらく、それは交渉を進めているロータスのスタッフが一番感じていることかもしれない。

■GPインサイド:
日本人F1ジャーナリストの尾張正博氏がグランプリの現場から、ドライバーやチーム首脳の生の声、パドックを賑わせているニュースの真相、レースのキーポイントやサイドストーリーなどを自身の取材情報からお届けする。
 

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