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投稿日: 2010.04.11 00:00
更新日: 2018.02.23 11:18

【Honda】インディカー・シリーズ第3戦アラバマ予選  2戦連続でW.パワーがポールポジション獲得


April 10 2010, QUALIFYING:9:20-(local)/0:20-(japan)
IZOD IndyCar Series Indy Grand Prix of Alabama presented by Legacy Credit Union

2010年4月10日(土)
予選
会場:バーバー・モータースポーツ・パーク
天候:快晴
気温:16~23℃

2戦連続でウィル・パワーがポールポジション獲得
佐藤琢磨は6番手、武藤英紀は17番手

 2010年インディカー・シリーズ第3戦は、南部アラバマ州での初開催となるインディ・グランプリ・オブ・アラバマである。州内第2の都市であるバーミンガムの郊外に作られたバーバー・モータースポーツ・パークは全長が2.3マイルあり、適度なアップダウンを持つ常設サーキット。場内には膨大なコレクションを誇る自動車とオートバイのミュージアムもある。

 新たにベルギー人ルーキーの参戦もあり、第3戦には今シーズン最多となる25台がエントリー。走行初日の金曜日にはプラクティスが2回行われ、走行2日目となる土曜日に3段階で構成される予選が行われた。

 今回の予選は、午後にサポートレースが2レース行われることになっていたため、変則的な朝9時20分のスタートとなり、このスケジュールが予選を難しいものにしていた。前日のプラクティスは2セッションとも日中の開催で、しかも好天に恵まれたために気温も路面温度も高かった。ところが、翌日の予選はまだ朝方の涼しい時間帯に始まった。出場チームは路面温度の非常に低いコンディションに合わせたベストのマシンセッティングを、暑かったコンディションでのデータから考え出さねばならなかった。さらに、3段階の予選が進んでいく中で気温が上がり、路面温度はそれ以上のペースで急上昇。マシンのハンドリングに大きな影響を与え、それに素早く対応していく能力が試された。

 このような難しい条件下でファイナルステージであるファスト6に残り、その中でポールポジションを獲得したのは、開幕戦から連続優勝を飾っているウィル・パワー(Team Penske)だった。キャリア4回目のポールは第2戦セント・ピーターズバーグに続いての獲得で、しかも、パワーのベストラップは1分10秒1356=平均時速118.057マイルと、予選2番手となったマイク・コンウェイ(Dreyer & Reinbold Racing)に0.5154秒もの差をつけるものだった。コンウェイのベストタイムは1分10秒6510で、予選2位は参戦2年目を迎える彼にとってキャリアベストとなった。予選3番手はエリオ・カストロネベス(Team Penske)、予選4番手はマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)で、予選5番手はスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)のものとなった。

 武藤英紀(Newman/Haas/Lanigan Racing)の予選は、不運な形で第1ステージで終了した。計測終了5分前にソフトタイヤを装着し、ピットからアタックへと飛び出していった武藤だったが、そのタイミングで他車がスピンし、コースサイドに止まってフルコース・コーションが発生。ラン・オフ・エリアからのマシンの除去に時間がかかって計測再開がチェッカーフラッグ寸前となったためアタックのチャンスを十分に得られず、予選結果は17番手となった。

 一方、佐藤琢磨(KV Racing Technology)はインディカーでの3戦目にして予選でファスト6に食い込むパフォーマンスを発揮し、注目を集めた。ストリートコースで行われた第1戦、第2戦ともに予選で第2ステージへ駒を進めていた佐藤は、第3戦が慣れている常設サーキットということと、開幕前の合同テストで走った経験のあるコースということも重なり、持てる力を披露することができたようだ。

コメント
ウィル・パワー(ポールポジション)
「すばらしいスタートが切れた。マシンのハンドリングをコンディションにうまく合わせることができた。オーバーテイクの難しいコースでポールポジションからスタートできるのは有利なことだ。ピットストップのタイミングをずらすなど、明日は色々な作戦を使ってくるチームが多くなるだろう。自分としてはマシンの仕上がりもいいことだし、明日は優勝、つまりは開幕3連勝を目指して全力で戦うだけだ」

マイク・コンウェイ(2番手)
「チームが本当にいい仕事をしてくれている。プラクティスの時点からマシンのセッティングは順調に進んできた。今日のコンディションに合わせての調整もうまくいったからこそ、予選でファスト6に進出でき、こうしてフロントローからのスタートを切ることもできた。2位はキャリアベストであり、素直にうれしい」

エリオ・カストロネベス(3番手)
「予選でいい結果を出すのはどんなレースでも大事だが、ここバーバー・モータースポーツ・パークではその重要性が非常に高いと思う。オーバーテイクは容易じゃない。チームはとてもいい状態にあると思う。我々の3号車は開幕から着々と力を伸ばしている。バーバーでのレースは今回が初めてとなるが、テストで走っており、昨日のプラクティスを含めてわかったのは、ロードコースだが、誰かの後ろに接近して走ることが可能であるということ。ここでのレースはオーバルに似たものになるかもしれない。そして、もうひとつ明日の決勝レースで注目すべきは、どんな作戦で各チームが戦うかだ。ピットインできるタイミングに大きな幅が持たされているので、他と違うタイミングでピットに向かう作戦で上位進出を目指すチームも少なくないはずだ」

武藤英紀(17番手)
「イエローフラッグの出たタイミングが残念でした。ソフトタイヤでの計測は結局1周しかできず、何10分の1秒か足りずに第2ステージに進めなくなりました。1周ではフロントタイヤが最高の性能を発揮する状況になりません。次の1周の方がラップタイムはよくなるはずでしたが、我々には1周しかアタックできる時間がありませんでした。自分たちには今回の予選結果以上のポテンシャルを間違いなく持っていただけに、それを見せることができず本当に悔しいです。明日のレースは後方グリッドからのスタートとなるので、作戦がとても重要な意味を持ってきます。イエローの出るタイミングがよく、順位を上げることができる展開になるといいです」

佐藤琢磨(6番手)
「予選でファスト6まで進め、自分にとっても、チームにとってもすばらしい一日になりました。今回は合同テストで走っているコースなので、慣れるという作業が必要ない上、2レースを戦ったことでインディカーに対する理解度も深まっており、より自信を持って臨めています。金曜日には走行を重ねるごとにセッティングをよくすることができましたが、今日の予選はプラクティスなしで始まったところが難しかったです。セッティングを昨日のものからどれぐらい変更すればいいのかが、予選が始まって、走り出してみないと判断できないからです。もちろん、それは全員が同じ条件で、ドライバーにとって難しい問題でした。予選のファイナルステージであるファスト6は今回が初めてだったので、タイヤの使い方などでわからない点がありました。最終ステージは、第2ステージで使ったソフトをそのまま投入しましたが、もうグリップが低くなっていたのと、路面温度の上昇など、コンディションも変わっていたために目指すタイムを出すことはできませんでした」

ロジャー・グリフィス|HPD レース・チーム・マネジャー
「プラクティスなしで朝の9時20分に予選開始。普段ならまだ寝ている時間というドライバーも多かったのではないだろうか。一切のウォームアップなしで予選というのは、これがレース以外のスポーツであっても非常に難しいものだろう。そうした条件下でドライバー、そしてチームは激しく、タイム差の小さい接戦を繰り広げ、集まってくれたファンはエキサイティングなアタックを堪能できたことと思う。気温も路面温度もプラクティスの行われたコンディションとは大きく違った。そこが今日の予選を難しくしていた。その結果、予選のファスト6にはとても興味深いメンバーが残った。コンウェイがすばらしい走りを見せ、アンドレッティはロードコースでの輝きを取り戻してきている。そして、わずか参戦3レース目にして佐藤が予選でファスト6に入った。ポールポジションを獲得したパワーには、ただただ驚かされるだけだ。ラップタイムも我々の予想を大きく上回る飛び抜けたものとなった。プラクティスからずっと速いパワーは明日の決勝レースでの優勝候補筆頭だ。前人未到の開幕3連勝も十分に考えられる状況である」


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