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投稿日: 2009.04.06 00:00
更新日: 2018.02.23 10:25

【Honda】IRL第1戦セント・ピーターズバーグ 開幕戦を制したのはライアン・ブリスコー


開幕戦を制したのはライアン・ブリスコー
武藤英紀は無念のリタイア

2009年4月5日(日)
決勝
会場:セント・ピーターズバーグ特設コース(1.806マイル)
天候:快晴
気温:28~29℃

 IRL インディカー・シリーズの開幕戦、Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグの決勝が4月5日にフロリダ州セント・ピーターズバーグで開催された。2009年シーズンは沖縄とほぼ同じ緯度に位置する風光明媚なリゾート地で華々しくスタートした。

 タンパ湾に面したセント・ピーターズバーグのダウンタウンと、隣接する飛行場の滑走路を使った全長約1.8マイルのストリートサーキットには、22台のインディカーが集結。集まったファンはフロリダならではの強い日差しと、心地よい潮風を浴びながら、100周にわたる激しいバトルを存分に堪能していた。

 レースは予選2位からスタートしたジャスティン・ウィルソン(Dale Coyne Racing)のリードで始まり、2回のピットストップを終えた後のレース終盤でもトップを保っていたが、残り15周を切った87周目、リスタート直後のターン1でライアン・ブリスコー(Team Penske)がトップを奪った。ブリスコーは数少ないチャンスを見事に生かして先頭に立つと、危なげない走りを続けて優勝を飾った。ブリスコーにとってキャリア3勝目で、ロードコースにおける2勝目となり、Team Penskeにとってはインディカーシリーズでの30勝目となった。

 0.4619秒差の2位でゴールしたのは、ライアン・ハンターレイ(Vision Racing)だった。ウィルソンがブリスコーとのトップ争いでわずかにスピードダウンしたチャンスをハンターレイは見逃さず、3位から2位へ浮上。ブリスコーまでは届かなかったが、14位スタートから2位でゴールというすばらしいレースを戦った。ハンターレイの2位はVision Racingにとって、ウィルソンの3位はDale Coyne Racingにとって、ともにインディカー・シリーズにおけるベストリザルトとなった。

 武藤英紀(Andretti Green Racing)は予選19位からスタート。レース中盤にトップ10入りを果たし、トップグループと遜色のないペースを保って8位を走っていた。しかし、87周目のリスタート直後、眼前で起きた避けようのないアクシデントによってリタイアし、開幕戦の成績は15位となった。ターン4でダン・ウェルドン(Panther Racing)とロバード・ドーンボス(Newman/Haas/Lanigan Racing)が接触し、ウェルドンのマシンがタイヤバリアに衝突してストップ。すぐ後ろを走っていた武藤は、イン側に1台のマシンが走っていたためにウェルドンのマシンを避けることができなかった。

 今年からロードレースではハードとソフトの2種類のタイヤが全チームに供給され、レースがアンダーグリーンのときにソフトタイヤで2周以上を走らなければならないルールとなった。グリップは大きいが耐摩耗性が低いソフトタイヤをどのタイミングで投入するか、チームの選ぶ作戦が勝敗を分ける大きな要因となる可能性があった。しかし、実際にはハードタイヤとソフトタイヤの間に摩耗性能で大きな差は見られず、タイヤの使用タイミングが勝負を決めるレースとはならなかった。

ライアン・ブリスコー(優勝)
「チームが私にすばらしいマシンを用意してくれた。1回目のピットストップでの給油を短くし、抜けずに苦しんでいたダリオ・フランキッティの前へとポジションを上げる作戦も狙い通りの効果を発揮した。レース終盤にリスタートが重ねて行われ、そのうちの1回でジャスティン・ウィルソンをインからパスすることができた。タイヤの温度が下がっている状態でのリスタート直後はマシンをコントロールするのがとても難しかったが、何とかパスすることができた。開幕戦を優勝で飾ることができ、最高のシーズンスタートとなった」

ライアン・ハンターレイ(2位)
「開幕直前に今年もインディカーシリーズに参戦できることが決まった。1週間前にチームと会い、マシンに初めて乗ったのはプラクティスの始まった金曜日だった。今日、こうして2位でゴールできたことが信じられない。チームのメンバーも大喜びしてくれていた。暑くて体力的に厳しかったレースは、フルコース・コーションが多く、リズムに乗って走り続けることが難しかった。第2戦の行われるロングビーチは私が大好きなコースなので、今から楽しみだ」

ジャスティン・ウィルソン(3位)
「レース序盤からトップを走り、最多リードラップを記録しながら優勝できなかったのだから悔しいが、新たに加わったチームでの最初のレースで表彰台に上ることができたことは素直に喜んでいる。シートを失っていた私を選んでくれ、チャンスをくれたチームにはおおいに感謝している。今回のパフォーマンスによってチームが新しいスポンサーをつかみ、マシンの開発などをさらに行えるようになれば最高だ。ロングビーチでも僕らはきっとよい走りを見せることができるはずだ」

武藤英紀(15位)
「レースの中盤からはよいペースで走れていて、ラップタイムはトップグループと同じくらいでした。しかし、タイヤの温度がなかなか上がってこなかったため、せっかくパスしたマシンにリスタート直後に抜き返されていました。今日はイエローフラッグが多かったので、なおさらそういう展開になっていました。アクシデントを起こして止まっていたウェルドンのマシンに突っ込んだのは、リスタート直後でタイヤの温度が低く、ターン3でアクセルが踏めなかったためにターン4で1台にイン側に並ばれてしまっていたからでした。アウト側へとラインを取ると、そこにウェルドンのマシンが止まっていました」

エリック・バークマン|HPD社長
「新しいシーズンが始まった。我々が待ちに待っていた開幕だ。今年のセント・ピーターズバーグには昨年以上に多くのファンが集まってくれ、最後まで熱心に観戦されていた。実力のきっ抗したチームとドライバーが今年もインディカーシリーズには参戦しており、戦いは非常にハイレベルなものになっていた。アクシデントが多かった点は残念だったが、激しいバトルがスタートからゴールまで続いた。また、今日の表彰台には2人も、新興チームのドライバーが上った。新しい力の台頭は、インディカー・シリーズをさらにエキサイティングなものにしてくれることだろう」


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