April 17 2010, QUALIFYING
IZOD IndyCar Series Toyota Grand Prix of Long Beach

2010年4月17日(土)
予選
会場:ストリート・オブ・ロングビーチ(全長1.968マイル)
開催地:カリフォルニア州ロングビーチ
天候:晴れ
気温:23〜25℃

ポイントリーダーのウィル・パワーが3戦連続ポールポジションを獲得
武藤英紀は予選11番手、佐藤琢磨は予選19番手

今シーズンのインディカー・シリーズは開幕から4戦連続でロードコースのレースとなるが、その締めくくりが伝統あるストリートイベント、ロングビーチ・グランプリである。F5000で始まり、F1グランプリとしても開催されたレースは今年で36回目となり、現在でも非常に人気が高い。海辺のダウンタウンに設定されるサーキットには金曜日から多くのファンが押し寄せた。

予選は南カリフォルニアらしいすがすがしい青空の下で開催された。気温や湿度が上がり過ぎることもなく、まさにサーキット日和と呼べるコンディションでの予選となった。

インディカーのロードレースでの予選は3段階で行われる。ファイナルへと進んだ6人に、10分間のポールポジション争いに加わる権利を与えられるのだ。ソフトタイヤとハードタイヤ、2種類のタイヤを使用しての戦いは1分9秒3185秒=平均時速102.206マイルのベストタイムをファイナルステージで記録したウィル・パワー(Team Penske)が制し、3戦連続のポールポジション獲得を決めた。キャリア5回目、ロングビーチでは2年連続のポールである。パワーの走りはすさまじく、2位に0.4321秒と、第3戦アラバマに続き、またも決定的な差をつけた。

予選2番手は開幕戦サンパウロの4位が今年の予選でのベストだったライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)。予選3番手はジャスティン・ウィルソン(Dreyer & Reinbold Racing)。彼は開幕戦で予選3番手、第2戦セント・ピーターズバーグでも予選4番手と、コンスタントに上位グリッドを獲得してきている。第3戦ウイナーのエリオ・カストロネベス(Team Penske)が予選4番手、ライアン・ブリスコー(Team Penske)が5番手、そしてトニー・カナーン(Andretti Autosport)が6番手だった。

Chip Ganassi Racingから出場するディフェンディングチャンピオンのダリオ・フランキッティは昨年のロングビーチウイナーだが、今回の予選順位は12番手と苦戦中である。彼のチームメートのスコット・ディクソンもファスト6に進むことはできずに予選8番手となった。

武藤英紀(Newman/Haas/Lanigan Racing)は予選の第2ステージに進み、今シーズンの自己ベストとなる11番グリッドを確保した。予選の第1ステージは2グループに分かれて行われ、各6人が勝ち上がるシステムだが、どちらの組に入るかはくじ引きで決定する。今回武藤が入っていたグループ2は明らかに競争がより厳しい組であった。3回のプラクティス総合で1、3、4、5番手につけたドライバーが一緒だったのだ。しかし、武藤はその中で5番手につけるタイムをマークし、第2戦セント・ピーターズバーグに続いて2回目の第2ステージ進出を果たした。

デビュー戦だった開幕戦から2戦連続で予選の第2ステージに進み、第3戦ではファイナルにまで食い込んだ佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、第4戦ロングビーチで初めて第1ステージ敗退となった。金曜日のプラクティス2回で13番手のタイムを記録し、予選前のプラクティスでも前進するはずが逆に後退を喫した。予選ではまた違ったセッティングをトライしたが、そのセッティングも狙い通りにマシンのグリップを向上させることはなかった。明日のレースに向け、佐藤とチームはマシンのセッティングをもう一度検討し直す必要に迫られている。

明日のレースは、午後1時15分にスタートが切られ、85周で争われる。

コメント

ウィル・パワー(ポールポジション)
「今日の我々はマシンセッティングを上手に向上させていくことができ、それがポールポジション獲得につながった。3戦連続でのポール獲得はとてもうれしい。今回も予選の第1ステージはハードタイヤだけを投入した。ソフトを1セット温存できれば、ポール獲得のチャンスが大きくなるからだ。リスクは大きいが、挑戦するべきだと考えた。とても重要な作戦だった。そして、我々はそれを見事に成功させた。明日のレースでは、今度こそ正しい作戦で戦いたい。先を読むのは難しいけれど、作戦を見誤らずに戦い続ける必要がある」

ライアン・ハンターレイ(2番手)
「いい走りができた。昨日からあれこれとセッティングを試してきたが、多くの変更が狙い通りの効果を発揮し、マシンは着々とよくなってきていた。だから予選ではセッティングを変更するのではなく、計画通りのタイミングで次々とタイヤを投入していくだけでよかった。ただ、ポールを獲得したパワーのように大胆に、ソフトタイヤを温存する作戦に出ることはできなかった。そこまでの自信はなかったということだ。しかし実際には、我々の予選でのマシンは思いきりハードに走らせることの可能なマシンになっていた。明日のレースがとても楽しみだ」

ジャスティン・ウィルソン(3番手)
「今シーズンの予選は本当に厳しい。ロングビーチでの予選もそのことに変わりはなく、私のマシンは最高といっていい状態に仕上がっていたのに、ファイナルに進むのも大変で、そのファイナルでも3位が精一杯だった。今日のマシンであればポール獲得は間違いないと思っていた。それだけの状態までマシンをよくできているし、タイヤの消耗の具合も満足のいくものとなっており、明日のレースに対する期待がとても大きくなっている。きっといいレースを戦えるはずだ」

武藤英紀(11番手)
「オーバーステアが強いセッティングでドライビングは大変でしたが、マシンにはスピードがあったと思います。前回のレースでアタックする前にフルコース・コーションが出たので、今回は第1ステージの最初からソフトタイヤでいきました。ソフト、ソフトと続けて投入しましたが、最初の1セットはハードでよかったのかもしれません。あそこでソフトを1セット温存できていれば、第2ステージで1セットしかソフトを使わずに済み、ファイナルの6台に入れていました。今回は2戦続けての第1ステージ敗退をチームとしても避けたかったので、仕方のない作戦だったとは思います。明日の決勝に向けてはマシンのセッティングを変更して、乗り易いものにするつもりです」

佐藤琢磨(19番手)
「今日の予選はタフなものになりました。昨日のプラクティス、今日のプラクティスでいいセットアップを見つけることができず、予選にはまた新しいセッティングで臨みましたが、ロングビーチのコースに合ったマシンに仕上げることができませんでした。予選でのマシンはグリップ感がなく、マシンを押さえ込むのが大変で、自分としても思いきって攻め込む走りはできませんでした。まだ解決策は見つかっていませんが、今日までのデータをもう一度見直します。明日のウォームアップまでにマシンをよくして、レースでは上位のポジションへと上がっていけるようにしたいと思います」

エリック・バークマン|HPD社長
「今週末は天候もよく、多くのファンがサーキットに足を運んでくれるものと期待していたが、それを上回る大勢のファンが土曜日から詰め掛けている。とてもすばらしい、エキサイティングな雰囲気がロングビーチのサーキットには満ちている。たくさんのファンが見つめる中で行われた予選は実に激しい戦いとなった。実際にChip Ganassi Racingの2人がそろってファイナル進出を果たせなかった。それだけ今シーズンの競争はし烈なのだ。そうした中でパワーの速さは飛び抜けており、一時的に下位に沈んだこともあったが、各ステージの終盤に好タイムを叩き出し、ついにはポールポジションを獲得した。ハンターレイ、ウィルソンが奮闘し、カナーンもがんばっていた。予選タイムがドライバー間で差がないため、レースも接戦になるのは間違いない。ストリートであるためにオーバーテイクは難しいことから、独自の作戦でチャンスをつかもうとするチームも出てくるだろう」

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