昨年3度目のF1世界選手権タイトルを勝ち取ったルイス・ハミルトンは、他に9名しかメンバーがいない「英国人F1チャンピオンクラブ」の一員に名を連ねている。そのうち存命である5人のイギリス人チャンピオンが、ハミルトンと彼の業績についての意見を語る。

 いまやハミルトンは、歴代で最も成功を収めたイギリス人F1ドライバーとして、揺るぎない地位を築いている。2008年の初戴冠、2014年の2度目に続いて2015年も王座についた。これまでに世界タイトルを3回獲得したイギリス人は、ジャッキー・スチュワート卿とハミルトンのふたりしかいない。グランプリ優勝回数で言えば、ずいぶん前にスチュワートの通算27勝を追い抜いているのだ(現在ハミルトンの勝利数は43)。

 ジョン・サーティース、ジャッキー・スチュワート、ナイジェル・マンセル、デイモン・ヒル、ジェンソン・バトンに、ハミルトンの成功と才能についての意見を求めた。全員が例外なく言及したのは、ルイスのスピード、無慈悲なまでの勝利への意志、そして彼の野心を支える確固たる自信だ。ハミルトンが偉業を積み重ねていくにつれて、彼らの称賛は、ますます真実味を帯びて聞こえることだろう──。

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ジョン・サーティースが語る「ルイス・ハミルトン」
年齢:81歳
王座獲得:1964年
通算勝利数:6勝
出走回数:111回

「何よりも感心させられるのは、ルイスが見事にクルマと一体になっていることだ。とにかく素晴らしい感覚を持っていて、クルマのポテンシャルを最大限に引き出している。それから、彼のコントロールされた攻撃性、ここという場面でスピードを発揮する能力、オーバーテイクの巧みさもいい。そういった部分は、カートで育ったことからきているに違いない」

「ルイスが最速のマシンを与えられていることは確かだが、だからといって、その業績を割り引いて考えることはできないと思う。ひとたびクルマに乗ったら、勝ちに行くというたったひとつのことしか考えない。そういう集中力があるからこそ、彼はチャンピオンなんだ」

「まあ私だけではないと思うが、クルマに乗っていない時の彼については、好きになれない部分もたくさんある。服装とか態度とかいった面でね。だが、それは私が歳をとっているというだけのことだろう。育ってきた時代が全然違うからね」

「私がレースをしていた時代には、才能をお金に変えていく方法は現代ほど多くなかったし、報酬や収入も現在と比べると、ずっと少なかった。昔はソーシャルメディアやテレビもなくて、ただ自分の仕事に没頭していた。レースの報酬だけで金を稼いでいたから、F1の他にスポーツカーやF2にも出て、一年中レースをしているような感じだった」

「ルイスのような現代のF1ドライバーは、私たちの時代とは違って、自分の時間のかなりの割合をメディアやスポンサーへの対応に費やさなければならない。そういったものは集中を削がれる原因になりがちで、クルマに乗ったら、すべて忘れる必要がある。彼は切り替えが、とても上手だと思う」

イギリスの歴代王者たちが語るルイス・ハミルトン
・ジャッキー・スチュワート
・ナイジェル・マンセル
・デイモン・ヒル
・ジェンソン・バトン

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