2009年F1第13戦イタリアGPの初日フリープラクティスが終了し、1回目のトップ、ルイス・ハミルトンや2回目のトップ、エイドリアン・スーティルをはじめ、各ドライバーが、それぞれの1日について語った。
2009年F1第13戦イタリアGP金曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) フリー走行1=1位/2=11位
今日の作業には満足している。モンツァのようにユニークなサーキットに到着すると、いつも神経が疲れる。だって、マシンのエアロダイナミクスが正しい方向に進んでいるかどうかを見たいからね。でも、今朝のセッションで僕らは、エンジニアがこのコースでは何が必要とされているかに関して、ものすごく的確な評価を下していたことがわかった。KERSはここでは助けになる。明日の予選では、KERSのおかげでコンマ4秒近く速くなると予想できる。でもマシン全体のパッケージでも良い前進ができた。午後は燃料を多く搭載しての走行に費やしたからラップタイムだけですべてを計ることはできないが、自分たちのポジションにはとても勇気付けられているよ。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) フリー走行1=2位/2=4位
モンツァではいつも、コーナーでグリップを得られるような全体のダウンフォースのバランスを取る問題にぶつかる。僕が思うに、今日は予想していたよりもよかったかもしれないね。コーナーでは昨年よりスピードがあったので、よかったと思う。KERSのここでのアドバンテージは1周につきコンマ4秒近くもあるから、ストレートとコーナーの出口では本当に強力な武器になっている。他のドライバーはもっとダウンフォースをつけているようだけど、僕らにはメルセデスの素晴らしいKERSがある。それにしても、各チームはそれぞれが異なる技術的な解決策を採用しているのに、ラップタイムにするとものすごく近いものになる。面白いね。これがフォーミュラワンの素晴らしさだね!
3 ジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ) フリー走行1=8位/2=20位
フェラーリでの最初の1日には満足な気分だ。ドライビングに関してはかなりタフだったけどね。難しかったのは、ボタンの配置が違っているのに慣れることと、KERSの使用に自信を持ることだ。午前中は、アスカリシケインでヘビーなブレーキをしたため左フロントタイヤにフラットスポットを作ってしまい、予定よりも早くソフト側のタイヤを装着しなければならなくなってしまった。ソフト側のタイヤの方が自信を持って走れ、いいペースで走行できるようになった。両セッションともパフォーマンスの追及はしておらず、実際燃料を多く搭載して走行した。予選で前数列以内に入れるくらいのポテンシャルはあると思うが、特にブレーキングと縁石の走り方を改善させるためにもう少し時間が必要だ。
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) フリー走行1=10位/2=8位
全体的に、3時間のフリー走行の内容にはまずまず満足している。最初の感触はいいよ。マシンのハンドリングに関してはまだ改善させる余地は残っている。明日の午前中のプラクティスでこの問題を解決させたいと思っている。新しい縁石は、何もダメージを受けずにショートカットするのは無理だけど、以前まではこのエリアで苦労していたから、それは悪いことではない。ロングランでのペースは悪くないし、ポディウムに向けて全力を尽くすよ。タイヤに関しては、ソフト側のコンパウンドの方が間違いなく速いし、パフォーマンスの一貫性もとても優れている。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) フリー走行1=11位/2=5位
午前中のセッションは、ブレーキの問題で多くの時間をロスした。幸運にもセッション内にブレーキ交換を終わらせ、終了間際までにベースセットの走行はできた。午後には、マシンのセットアップの作業を行い、タイヤの評価も試せた。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) フリー走行1=5位/2=7位
ラップタイムはそんなに悪くはなかった。特に、僕の最速ラップは2回目のセッションの早い時間帯で記録したもので、しかもトラフィックに引っかかったことを考えるとね。マシンのバランスは通常の金曜日よりは良かったが、改善する余地はまだ多く残っている。予選とレース両方に合わせてマシンのバランスを良くするのは難しい仕事だ。いつもどおりのタイヤ評価を行い、ロングランでソフト側とハード側両コンパウンドを比較した。縁石の高さが変わったことでサーキットが大きく変わったから、まずはそれに慣れて、どこの縁石ならまだ乗り越えられるのか、どれを避けるべきなのかをしっかり見極める必要がある。2回目のセッション終盤に、アスカリシケインを真っすぐ行ってしまった後、数分早くピットインしたのはマシンをチェックしたかったからだ。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) フリー走行1=4位/2=3位
通常通りの金曜日だった。セットアップの作業と、タイヤの評価を行った。もっといいパフォーマンスを見つけ出せれば、いい状態で明日の予選に臨めるだろう。
8 ロメイン・グロージャン(ルノー) フリー走行1=15位/2=2位
モンツァをF1マシンで走行するのは初めてだったのでまずはコースを覚えなければならなかったが、今日は思ったよりもうまく行った。ここは“スピードの神殿”で、歴史的なサーキット。特にKERSでの走りにはいろいろと学習することがあって、慣れるべき新しい手順がたくさんあった。いい状態で1日を終えられたし、引き続きエンジニアと作業を行っていく。セットアップの改善に努め、結果はポジティブなものとなったから、明日も同じやり方で進めていくよ。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) フリー走行1=19位/2=13位
典型的な金曜日で、セッションはトラブルもなくスムーズに行った。いつものように2種類のタイヤをテストし、マシンのセットアップを行った。フリー走行1回目を踏まえ改良を行ったので、午後のセッションではマシンへの満足度は増した。マシンをさらに改善し、このサーキットで性能を最大限に引き出すためにまだやれることがあるので、予選のセットアップをもっと良くするために全データを精査する。今日はシケインでの新しい縁石を初めて体験したが、特に問題もなく、まずまずだ。イタリアに帰り、地元のファンの前で走行するのは特別だ。日曜日には素晴らしいレースを見せたい。
10 ティモ・グロック(トヨタ) フリー走行1=20位/2=6位
フリー走行2回目はかなり良かった。午前のセッションは少し難しかったが、午後のセッションで、セットアップをいくらか変えたら、マシンはおおむね好調になった。マシンからパフォーマンスをさらに引き出すことができ、何の問題もなく、普段通りのプログラムをこなすことができた。マシンの調子はとても良かったが、もちろんラップタイムを上げるためにもっと作業をしなければならない。適切な空力バランスを見つけることができれば、モンツァのレースは大丈夫だろう。新しい縁石は特に問題ない。昨年とは違うが、それでも何とかこなせる。天候も、雨になった去年とはかなり違い、今年は断然良くなった。
11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) フリー走行1=17位/2=15位
ローダウンフォースパッケージでは、走り始めはかなりタフだった。これまでF1マシンではまったく経験したことがなかったからね。でも、これもすべて学習する経験になるからいいことだよ。新しいタイヤと古いタイヤで、そして燃料を多く積んだ状態と軽い状態でどのようにドライブするかを理解できているように感じた。マシンにはいい感触を得ているよ。マシンのセットアップもまずまずだが、明日はもっと改善できると思う。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) フリー走行1=6位/2=10位
いい1日だった。両方のセッションともトラブルフリーだったしね。明日は新しいエンジンを使う予定だが、もう少しスピードを上げる必要がある。僕らに何ができるか、楽しみに待っているよ。モンツァのようなハイスピードコースを走行できるのは素晴らしいこと。異なったフィーリングを与えてくれるし、他では到達したことのないスピードを体験できるんだからね。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) フリー走行1=9位/2=14位
いろいろあった1日だった。2回目のセッションで電気系の問題が発生し、おそらく1回半の走行を諦めざるをえなくなった。でもスタッフがマシンを直してくれて復帰できてよかったよ。例年はレース前にここでテストを行っていたが、今年は初めてのドライブになるから、走行距離を稼ぐのが重要なんだ。トップスピードが高く、マシンが動き回り、このコースをドライブするときはいつでもユニークな感じがするから、今日も走行を大いに楽しんだ。もうちょっとスピードを向上させないといけないが、明日は上位を争えるはずだよ。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) フリー走行1=18位/2=18位
今日はラップタイムを見て大いに驚いた。誰がトップにいて、誰が中段にいるかにね。僕らは問題は何もないし、すべては予定通りに進んでいる。シーズン中に使えるエンジンの数が少なくなっていて、走行距離を制限せざるを得ない状況なので、なかなか厳しい金曜日になってはいる。今日使用できる範囲で走行を行い、うまくいったと思う。まだ改善させる必要はあるけどね。誰が速かったのか、誰が燃料が軽かったのかはこれから分かるだろう。今の時点では、誰がトップに来るかを予想するのは不可能だね。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) フリー走行1=13位/2=17位
今日最も重要な作業は、トップスピードとグリップの間で妥協点を見つけ出すこと。最適なダウンフォースレベルにまで到達するのはやさしいことではない。午前中、ストレートではものすごく遅かったが、この原因を見極め、良い解決策を見つけ出せた。タイヤももちろん重要で、良いテストができたと思う。僕の考えでは、進むべき方向性は極めてはっきりしているよ。残りの走行時間はエアロダイナミクスに集中し、ここでも良い方向性を見つけ出せた。でも、そういった良い作業を行えたにも関わらず、モンツァでの戦いは難しいものになるだろうし、決して楽な週末とはならないだろう。スパでのパフォーマンスを再現して予選でトップ10を確保するには、かなり完璧なラップを走る必要があるだろうけど、それができないとは言わないよ。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) フリー走行1=14位/2=9位
モンツァでは多くを期待してはいないけれど、今日はそれほど悪くはなかった。スパと比較すると、僕はここの方がコンペティティブだと思う。予選で僕らがどうなるかを語るのはまだ早すぎると思うけどね。今日は忙しく作業を行い、多くの異なった技術的なオプションを試した。でも、重要なのはいくつかのポジティブな方向性が見つかったこと。優先すべきは、この前進を明日にも維持させることだと思う。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) フリー走行1=3位/2=1位
今日はすべてがうまく行った。マシンは完璧に動いてくれたし、この結果にはすごくハッピーだ。本当に素晴らしいラップタイムだった。スタッフの作業、素晴らしいセットアップ、そしてタイヤの性能をうまく引き出せた結果だよ。僕らは最速タイムを出すことを特に狙ったわけではないが、自分たちが好調で、マシンが良く動いていたら、セッションの終わりにP1になれない理由なんてないよ。路面温度がとても低い状況の中、とても建設的な1日となったし、楽しめることはいいことだね。
21 ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) フリー走行1=16位/2=12位
ストレートラインテストよりも、今日の方がずっとよかったよ! 走行のリズム、ブレーキングポイントなどに慣れるのはまったく異なったアプローチで、素晴らしいチャレンジだった。ロングランを行い、レース距離を走ったが、すべてが正しい方向に進んでいる。あとはタイヤとマシンに慣れたいと思っているので、少し楽にいくよ。明日は予選に向けてラップタイムを追及する作業を行う予定だ。僕らのマシンがコンペティティブなのはわかっているし、バランスも良い。自分の最速ラップはトラフィックに捕まってのものだったので、少なくともあとコンマ5秒は改善できると思う。週末はまだ始まったばかりだが、今日の内容には本当にハッピーだよ。マシンは本当に良く反応してくれるし、明日に向けて楽観しているよ。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) フリー走行1=7位/2=19位
今日はローダウンフォース仕様のマシンで多くのセットアップ作業を行ったが、いくつかの問題を抱えて予定してたロングランができなかった。これにはちょっとフラストレーションが溜まったね。今日の終わりまでにはすべてが解決したのは良かったが、これからやるべき仕事が多く残ってしまった。ローダウンフォースで走行するのはすごく違う感じだが、マシンはまずまず良く動いてくれている。予選前にマシンのバランスを完全に満足なものにさせるため、今夜はセットアップをファインチューンさせる必要があるね。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) フリー走行1=12位/2=16位
我々のプログラムは予定通りに進み、マシンのパフォーマンスは期待したようなものだった。セットアップ作業はロングランに集中させ、マシンの感触とブレーキングの安定性には満足している。バランスに関してはもう少しやるべき作業は残っている。今日の走りは明日の予選がどのような結果になるのかを示すものではないが、全体的には良いスタートとなった。
