今シーズン初のナイトレースで開催されたIZODインディカー・シリーズ第8戦テキサス。8日に行われた決勝レースは、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)がシーズン初勝利を挙げ、今季7人目のウイナーとなった。佐藤琢磨(AJフォイト)は、後方から追い上げ11位でレースを終えている。

 真夏のような暑さの中で行われた228周、550kmのレースは、カストロネベスが2位に4.619秒の差をつけて圧勝した。全長1.5マイル、24度バンクのテキサス・モーター・スピードウェイでのレースは、新エアロ・パッケージによって非常にドライビングとマシンセッティングの難しいレースとなっていたが、インディ500優勝3回のベテラン、カストロネベスは他を寄せ付けない安定感抜群の走りを見せつけて今季初勝利、キャリア28勝目を挙げた。

 チーム・ペンスキーはシーズン初勝利を開幕から8戦目にしてようやく手に入れた。同じ名門のチップ・ガナッシ・レーシングは今年はまだ勝利を記録していない。

「今日はマシンが最高に素晴らしかった。昨日の予選でウィル・パワーが凄いスピードを記録したが、そのセッティングからヒントをもらった。ファイナル・プラクティスでのタイヤの消耗具合にも大きなヒントがあった。僕のエンジニア、そしてシボレー・エンジンが素晴らしかった」とカストロネベスは大喜びだった。

 2位はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、3位はトニー・カナーン(KVレーシング)。そして、4位はエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、5位はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)で、シボレーがトップ5を独占。しかも、リードラップでゴールしたのはトップ5だけ。ホンダ勢は全員がウイナーのカストロネベスに1ラップ以上の差をつけられたのだった。

 ダウンフォースが減らされたエアロ・パッケージでのレースは、まだ日のあるうちのスタートで、周回が重ねられるにつれ夜を迎えるユニークさも備えており、マシンセッティングとレース中での調整が非常に難しかった。

 カストロネベスは持てる経験をフルに使い、マシンを最高のものに仕上げていた。彼だけがインでもアウトでもラインを選ばすに走れていた上、周回を重ねたタイヤでのスピードの下がり具合も小さく抑えていた。チームメイトでポールシッターのウィル・パワーをもってしても、カストロネベスのスピードにはまったく太刀打ちができず、彼は1周遅れの7位でゴールした。

 序盤にレースをリードしたアンドレッティは、ピットタイミングの悪さで周回後れに陥り、それを挽回する追い上げをみせるも5位フィニッシュがやっとだった。

 カナーンは、オーバルでの強さを改めて感じさせるレースを戦っていた。予選は13番手だったが、レース後半にはカストロネベスを脅かすスピードを見せることもあった。しかし、レースがフルコースコーション3回でハイペースのまま進んだため、長年のライバルであるカストロネベスに追いつき、勝負を挑むことはできなかった。

 佐藤琢磨は予選に出走せず、エンジン交換のペナルティを受けたドライバーがいて21番手からスタート。ファースト・スティントを燃費良く、安定したペースで走り続ける作戦が見事にあたってトップ5にまで進出した。

 しかし、ハンドリングが完璧でないマシンでは徐々にポジションを落とす戦いとなり、ピットでのウイング調整でマシンの安定性アップを図りながら走行。ピット・タイミングの微妙なズレから順位のアップ&ダウンを繰り返し、最終的に11位でゴールした。

 2デーイベントでトラブルに見回れ、十分な走行時間を得られなかった状況ながら、マシンセッティングを何とか戦えるものに仕上げ、レースではゴールまでマシンを運ぶだけでなく、10個ものポジションアップを達成したのだから、まずまずの戦いぶりだったと評価してよいだろう。琢磨のポイントスタンディングは、ひとつあがり5位となった。

「難しいレースでした。タイヤの消耗が激しく、ラップタイムがスティントの中で大きくダウンしていきました。速いスピードで走れたのは、最初の7周ぐらいでしたね。その先はもうマシンをコントロールするのも大変でしたが、何とかラップタイムを安定させて、落ち込みが小さくなるようトライし続けました。トラブルで厳しい週末になっていましたが、それを考えると良いレースを戦えていたと思います」と琢磨は語った。

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