ブラジル・サンパウロに舞台を移したIZODインディカー・シリーズ第4戦。4日に行われた予選では、ライアン・ハンター-レイがポールポジションを獲得し、EJ.ビソが2番手とアンドレッティ・オートスポートがフロントローを独占した。前戦初優勝を飾った佐藤琢磨(AJフォイト)は、12番手から決勝レースに挑む。
今年で4回目の開催となるブラジル、サンパウロのストリートコースでのインディカー・レースは、2回のプラクティスと予選が今日行われ、ハンター-レイが1分20秒4312のベストラップをマーク。第2戦バーバー・モータースポーツに続いて、今シーズン早くも2個目のポールポジションを獲得した。
予選2番手はビソ。これまでは、2009年ロングビーチでの4番手が最高だったが、ここサンパウロで予選自己ベストを記録。彼の奮闘により、アンドレッティ・オートスポートはフロントロー・スウィープを達成している。
ハンター-レイは、「今日は全力を出し切った。その結果としてポールを獲得できて本当に嬉しい。まだ4戦目だが、フロントローからのスタートは明日が3回目。一生懸命働いてくれているクルーたちのためにも、ポール獲得は喜ばしい。しかし、肝心なチャレンジは明日だ。ロングビーチでの僕たちは、マシンが良いものに仕上がっていると考えていたが、実際にはライバル勢からのアタックを受けることとなった。そうなった問題点を今回は解消し、明日はいいレースを戦いたい」と語った。
予選2番手のビソは、「今日の予選を終え、とても良い気分を味わっている。このコースでフロントロースタートを切れるなんて最高だ。チームが素晴らしいマシンを用意してくれたことに感謝している。明日のレースでも僕らは力強い戦いぶりを見せることができるはずだ」と話していた。
予選3番手にはダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)。「走る毎にマシンを着々と進歩させている。路面コンディションが大きな変化を重ねて行っても、僕らはそれに問題なく対応していたよ」とコメント。
ブラジル出身のトニー・カナーン(KVレーシング)は4番手を獲得し、地元ファンから大きな声援を受ける。
予選5番手はジェイムズ・ヒンチクリフが入り、アンドレッティ・オートスポートは3人がトップ5に入った。マルコ・アンドレッティはチーム内で唯一ファイナルに進めなかったが、10番手につけている。
予選6番手はスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)で、ターゲット・チップ・ガナッシのコンビが揃って予選ファイナルに進んだのは今回が今シーズン初となる。
第3戦ロングビーチで初優勝を飾った佐藤琢磨は、過去得意としていたブラジルで意外な苦戦を強いられている。
プラクティス1では8番手のタイムを出した時には好調に見えていたが、プラクティス2でライバル勢と同じだけの伸びを見せることができず、予選でのパフォーマンスも決して高いといえるものは見せられなかった。
それでも予選セグメント2への進出を成し遂げる辺りは琢磨らしいが、予選の第2セグメントで12人中の12番手のタイムしか出せなかった。プラクティス2と予選の間にあるインターバルが1時間半と短く、ジックリとデータを再確認し、セッティングを進歩させることができなかったようだ。
「厳しい1日になりましたね。今日はスピードが足りていなかった。マシンのバランスが納得のいくものになっていなかったんです」と琢磨。
「何かが欠けている。でも、マシンをすべての面で良くするというのは大変難しい。クルーはハードワークをこなしてくれているんですけど、グリップ感が低く、マシン・バランスもまとまっていません。今晩のエンジニアとのミーティングは長くなりそうですね。明日のレースを戦うマシンに競争力を持たせるためには、今晩、データを全部チェックし直して、ファイナル・プラクティスで良いマシンに仕上げないとなりません」と語った。