インディアナポリス・モーター・スピードウェイは、将来インディ500において実験的なアイデアのマシンに対し特別枠“ガレージ34”のエントリーを設ける考えがあることを明らかにしている。
ル・マン24時間レースでは、2012年から環境技術を志向したマシンに対し特別に参加枠を与える“ガレージ#56”をスタート。初年度はリヤウイングをもたず、シャシー下面でダウンフォースを発生し、ニッサンの1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載し省燃費と速さを目指したニッサン-デルタウイングが登場し話題を集め、今季はニッサンZEOD RCが“ガレージ#56”枠から参戦する予定だ。
インディ500でも、この“ガレージ#56”のような実験的マシンに対し34番目のエントリーを与える“ガレージ34”を設けることを考えているようだ。
IMSの社長であるダグ・ボレスは、インディカーに対し形式的な提案はしていないが、この概念は議論されていると語る。
「“ガレージ#56”の可能性やコンセプトに関して、インディカーでも議論されたことを知っているよ。しかし、この時点で我々はまだインディカーと話し合ってはいないんだ」
ボレスは、実験的な技術がインディ500の伝統と両立できるだろうが、レースを維持することも必要だと語る。
「我々は、そのクルマを実際に見て、基準をどうするかやインディ500に参加する他の33台にどのような影響があるのかを理解しなければならないと考えている」
「スピードウェイの歴史的な見地からも、革新的なものを披露することはインディ500の根っこの一部だ。しかし、レースすることが許されたとして、我々は34番目のクルマがどのように調和するか、我々の競技にどのようなインパクトを与えるか、それを論理的にどのように行うか、実際に話し合ってはいない」
「ピットの数は十分だし、トラックも大きい。しかし、この機会がどのようなものなのか、その乗り物がどのように見えるのかを理解しなければならないんだ。インディカー・マシンと異なるモーターを備えたものなのか? 完全に異なるものなのか? それが何かということではなく、スピードウェイで話し合っているよ」
英AUTOSPORTの取材に対し、インディカーはこの考えが時期尚早であると考えておりコメントすることを避けている。