11日から開催されているIZODインディカー・シリーズ第5戦インディ500。18日はポールデーが開催され、エド・カーペンター・レーシングのオーナー・ドライバーであるエド・カーペンターがポールポジションを獲得した。予選アタック二人目に登場した佐藤琢磨(AJフォイト)は、18番手だった。
午前11時に始まる予定だった予選だが、その30分前に雨が降り始め、予選開始は午後の1時半までズレ込んだ。インディカーは予選ルールをここで変更。トップ9及び24個のグリッドを決定する締め切り時刻を4時から6時へと遅らせ、6時半からトップ9によるポールポジション争いを行うこととした。さらに、トップ9のアタックは1人につき1回に限るルールも採用。変更前であれば、4時半から6時までの1時間半で、ファスト9は1人3回までのアタックが許されるはずだった。
7時間から4時間半に短縮された予選では、24個のグリッドを巡って壮絶な戦いが繰り広げられた。午後6時までの予選第一段階でトップだったのは、計測4ラップのうちの2ラップを229mphの大台に載せたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)。4ラップ平均は228.844mphだった。
2番手はライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、3番手はルーキーのカルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)だった。
エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)は4番手、カーペンターは5番手。ポール候補筆頭のマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)は6番手。
予選7番手はAJ.アルメンディンガー(チーム・ペンスキー)。今年はルーキーがふたりもファスト9に入った。予選8番手はEJ.ビソ(アンドレッティ・オートスポート)、予選9番手は昨日のプラクティスまでずっと苦戦気味だったジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)が入った。
午後6時半からの予選第2セグメント、ファスト9によるポールポジション争いは、予選時間短縮により、アタック1回だけの一発勝負となった。9番手から順にコースインし、同じく4周の連続走行でスピードを競うのだが、この勝負でカーペンターは228.762mph平均を記録し、アンドレッティを暫定ポールから弾き出してトップに立った。
この後にアタックしたハンター-レイ、そしてパワーは、逆転ポールを狙って果敢にアタック。パワーはアタック1周目を229mph台に載せたが、タイヤに負担をかけ過ぎたのか3周目に大きくスピードダウンし、予選6番手となった。ハンター-レイは229mph台をとうとう出せず、3周目のスピードダウンも大きかったために予選7番手。
「229mph台を出せる確信はなかった。それを僕らはファスト9のアタックで2周も出せた。楽しいアタックラップだったよ。チャンスがあるとは感じていたが、インディカーの競争は厳しいから……。インディ500でのポールは物凄い栄誉。今の競争の激しさを思えば、なおさら喜ばしいポールだ。チームのフォーカスを高く保ち、レースでも全力で優勝を目指すよ」とカーペンターは語った。
フロントロー中央の予選2番手はルーキーのムニョス。予選3番手でフロントロー最後のグリッドを手にしたのはアンドレッティ家の三代目マルコだった。
アンドレッティ・オートスポートは5台すべてをファスト9入りさせたが、念願のポール獲得は果たせなかった。チーム・ペンスキーもエントリーした3台すべてをファスト9に進めた。しかし、彼らはアルメンディンガーの5番手がベストだった。
シボレーはトップ10スウィープに成功。ホンダはアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポート)の11番手がベストと、予選は去年以上の惨敗に終わった。
去年はホンダ勢で唯一トップ9入りしていたジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン・レーシング)がトップ9入りしていたが、今年はポールデーで24番グリッドまでに入ることができていない。20番手以降の後方グリッドでも熾烈な戦いが繰り広げられ、1人につき3回までアタックは許されるが、その権利をフルに行使したドライバーが3人、2回アタックしたドライバーも6人いた。
佐藤琢磨は予選18番手。アタック完了後もコースコンディションのチェックを続け、上位へと食い込める可能性が見つかれば二度目のアタックを行う考えだった琢磨とチームだが、コースや気候の向上が期待以上に小さかったため、再アタックは行わないこととなった。
「やれることはすべてやりました。難しいコンディションにマシンを合わせ、アタック中のタイヤの消耗と、ラップタイムのダウンももできる限り少なくするよう頑張りました。走りにミスもありませんでした。決勝用セッティングは良いものに仕上がっていますから、残る2日間の走行でマシンをさらに高いレベルに仕上げ、決勝に臨みたいです」と琢磨は語った。
明日19日は残りのグリッドを決定するバンプデーが行われ、そして24日に決勝前の最後の走行となるカーブデーが行われ、26日に第97回インディアナポリス500マイルレースの決勝レースが行われる。日本では、CSスポーツチャンネルのGAORAで生中継される予定だ。