マーク・ウエーバーは、シンガポールGP終了後、フェルナンド・アロンソのマシンに乗り込む前にマーシャルから止められていたとの報道を否定し、“タクシーライド”へのペナルティは滑稽であると批判した。
シンガポールGPファイナルラップでトラブルに見舞われてマシンを止めたウエーバーは、インラップ中のアロンソに向かって手を振り、止まったアロンソのマシンに乗ってピットに戻った。
その後、ふたりは戒告処分を受け、ウエーバーに関しては今季3回目の戒告処分だったため、次戦韓国GPで10グリッド降格のペナルティを受けることが決まった。
今回ウエーバーに戒告処分が下されたのは、レース後、最後のマシンがパルクフェルメに入る前にマーシャルの許可なくコースに立ち入り、レギュレーション違反を犯したからだった。
スチュワードに対するレポートにおいて、マーシャルはウエーバーに対してコースに立ち入らないよう指示したと記している。
マーシャルがウエーバーに止まるよう身振りで指示している映像も残されている。
しかしウエーバーにはその指示は届いていなかったようだ。
彼は火曜朝、Twitterを通して次のようにコメントしている。
「アロンソと僕はレース後の行動に関して戒告処分を受けた。控えめに言っても、これは滑稽なことだ」
「素晴らしい瞬間だったし、ファンもとても喜んでいた」
「報道とは異なり、火を消した後、コースオフィシャルとは一切意思の疎通を行っていない」
ウエーバーは、“タクシーライドは”以前にも何度もあったことだとして、たくさんの写真をTwitterを通して公開している。
その中には、シンガポールGPでドライバースチュワードを務めたデレック・ワーウィックが1988年にゲルハルト・ベルガーのマシンに同乗した写真も含まれていた。
ワーウィックは、Daily Telegraphに対し、“タクシーライド”が問題なのではなく、今回のウエーバーとアロンソのやり方が危険だったためペナルティにつながったのだと語っている。
「ドライバーがけがをしたかもしれなかった。我々が皆を白けさせたのではないといいのだが」とワーウィック。
「私もF1に楽しい要素が欲しいと思っている。だがドライバーを危険にさらすわけにはいかない」
「もっと安全な形でなされていたら、違った見方をされたかもしれない。だがあれは非常に危険な出来事に発展したかもしれなかった」
「マシンをコーナーの真ん中に止めてはならない」
ジェンソン・バトンは、ウエーバーとアロンソに対するペナルティに不満を持つひとりであり、月曜朝、Twitterを通して「ウエーバーとアロンソにペナルティが科されたことにがっかりしている。スポーツマンらしい行為が罰せられるべきではない」とコメントしている。
「アロンソはもう少し安全な場所でクルマを止めた方がよかったのかもしれない。それでも(ペナルティは)厳しい」