ヨーロッパGPでヘイキ・コバライネンとのクラッシュにより大事故に見舞われたマーク・ウエーバーは、事故の際の状況を自身の視点から説明し、コバライネンのブレーキングが早すぎたのであり、そもそも彼はポジション争いをしようとするべきではなかったと語った。
レッドブルのウエーバーはスタート後に順位を落とした後、早めのピットストップを行い、ロータスのコバライネンの後ろを走行することになった。オーバーテイクしようとしたウエーバーはコバライネンのマシンに乗り上げ、宙を舞う大クラッシュに発展した。ウエーバーのマシンは大破したものの、幸い彼自身にけがはなかった。
コバライネンは、レース後、ウエーバーとはポジション争いをしており、譲るつもりは全くなかったと述べ、ウエーバーが突然突っ込んできたのだと説明している。しかしウエーバーの考えは違うようだ。
「F1はチャリティーイベントではないと理解している」とウエーバーは自身のウェブサイト上に記している。
「どのポジションであっても戦わなければならない。でも自分の後ろに最速のマシンがいて、自分の方が5秒も遅い場合は別だ。ヘイキはいつまで僕を押さえておくつもりだったのか? せいぜいあと15秒? 彼はそうするだけの価値があったのかどうか考えてみるべきだ」
「バックストレートで彼は少し左に寄った。だから『前に出してくれるつもりなのかも』って思った。彼が何を考えているのかはっきりとは分からなかった。僕に譲ってくれるつもりなのかどうかがね。彼らは抵抗しないことも時々あるんだ。でもその後彼は、右に戻ってきた。それで『わかった。やる気だな』と思った」
「僕はスリップに入った。僕が左に行くと彼も左に戻ってきた。その後、僕が右に行った途端に彼がブレーキを踏んだんだ。ブレーキングポイントのずっとずっと手前だった。僕がその前の周にブレーキを踏んだ場所より80メートルも手前だった。信じられなかったよ。F1レースで誰かがそんなに早くブレーキを踏んだら、ああいうことが起こりかねないんだ」
「僕のマシンは長い時間空を飛んでいるみたいに感じた。あのあたりに橋があったかどうか心配する時間があったぐらいだ。幸い橋はなかった。あと、他のクルマも来ないだろうことは分かっていた。かなり高く舞い上がっていたから、もし1台でもいたら、それとクラッシュしていただろう。でもマシンはあのアクシデントによく耐えてくれた」
「ちょっと腫れているところがあって、触ると少し痛いけれど、数日たてばよくなるだろうし、シルバーストンは大丈夫だろう。またマシンに戻るのが待ちきれないよ。何カ所か切り傷と打撲があるだけで全く元気だ。(ランキングトップの)ルイス(・ハミルトン)と24ポイント差だけど、やれることはいくらでもある。僕はついこの前、8日間の間に50点稼いだことがあるんだからね」
