1月25日、バレンシアでDTMドイツツーリングカー選手権仕様のメルセデスベンツCクラスクーペをドライブしたロバート・クビカは、まだ2011年に負傷したラリーでの怪我からの回復の最中だと語っている。
2011年にF1のシーズンオフを使ってラリーに参戦、大クラッシュを喫したクビカは、右腕切断の危機を乗り切りリハビリを成し遂げ、2012年6月には手術によりステアリングを握れるまでに回復、9月にはロンデ・ゴミトロ・ディ・ラナでラリー復帰を果たすといきなり優勝。11月にはシトロエンC4 WRCもドライブした。
その後クビカはサーキットへの復活を果たすべく、1月25日にバレンシアでメルセデスベンツCクラスクーペをドライブ。ダウンフォースがかかる本格的なレーシングカーでクビカは見事なドライブをみせ、メルセデスのエースであるゲイリー・パフェットに迫るタイムを残したと言われている。
そんなクビカは、サーキットレースへの復帰についてDTMのオンラインテレビに対し、「僕の怪我はすごく大きなものだったんだ。今はまだ、僕の体と健康を取り戻すための長い道のりの最中なんだよ」と語っている。
「今はゆっくりだけど良くなっているんだ。もちろん時間はかかる。今回のDTMテストはマシンのフィーリングを確かめ、DTMマシンがどれほどのものなのかを確認することだったんだ。全体的に、DTMマシンはすごくいいフィーリングだったよ。慣れるための時間が少ないときは、これはすごく重要なことなんだ」
メルセデスベンツ・モータースポーツの代表に就任したトト・ウォルフは、クビカがDTMマシンをテストしていたのは、いまだにF1などシングルシーターに乗る際に障害となっている右腕の状態を確認することだったとしている。クビカはテストの後、まだコクピットが広いマシンでなければドライブすることはできず、コクピットが広ければ将来レースに参戦することも可能だろうと語る。
「車内が広ければ大丈夫だよ。DTMのクルマがそうであるようにね。右腕の動きに大きな制限がなければ大丈夫なんだ」
「たしかに、DTMは僕にとって将来に向けたオプションになり得るね」