2013年F1開幕戦オーストラリアGPの決勝レース(58周)が現地時間17日にメルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われ、ロータスのキミ・ライコネンが逆転で通算20回目の優勝を飾った。
予選日の大雨で異例のスケジュールとなった今シーズンのオープニングレース。決勝日朝に延期された予選は、王者セバスチャン・ベッテルがポールポジションを獲得し、2番手につけたマーク・ウエーバーとともにレッドブルが決勝グリッドの最前列を独占した。
予選終了から5時間、曇り空のもとドライコンディションで迎えた決勝レースは、ポールシッターのベッテルがスタートを決めて序盤をリードするが、2番グリッドのウエーバーはスタートに失敗し、フェラーリのフェリペ・マッサとフェルナンド・アロンソ、ライコネンらの先行を許す。上位勢はその後、10周を前に1回目のピットをすませるが、5、6番手走行のメルセデス勢も2ストップのペース戦略で序盤の優勝争いに踏みとどまった。
その間、トップを走るベッテルは、1回目のピットストップを大きく遅らせたフォース・インディアのエイドリアン・スーティルに前を阻まれ、後続を走るフェラーリ2台の接近を許すと、アンダーカットを試みたアロンソに逆転されてしまう。
しかし、レースが中盤に入ると、上位勢の後ろでひたすらタイヤを温存していたライコネンが好タイムで周回を重ね、ライバルの3ストップを出し抜く2ストップ戦略に持ち込みレースの主導権を握った。一方、同じく2ストップを目指していたメルセデス勢は、ニコ・ロズベルグがマシントラブルでリタイアに追い込まれると、善戦のハミルトンもタイヤが持たずに3ストップへの変更を迫られ優勝争いから後退した。
終盤、レースリーダーのライコネンは時折落ちる雨と摩耗の激しいタイヤを完璧にマネジメント。一時は5秒以内に迫った2番手アロンソとのギャップも見事にコントロールし、58周のチェッカーをトップで駆け抜け、開幕ウイナーの座を手にした。
2位はアロンソ。戦前の予想で独走も考えられていたベッテルは3位に終わった。4位はアロンソ同様に光る走りを見せたフェラーリのマッサが入り、ハミルトンが5位。ラップリーダーにも立ち、中盤まで上位勢と互角のレースを繰り広げたスーティルは、最後に履いたスーパーソフトタイヤが機能せずに7位となったが、復帰初戦で8位フィニッシュのチームメートを結果でも上回って見せた。
不振のマクラーレンは、レースでも見せ場なく、ジェンソン・バトン9位、セルジオ・ペレスも11位に終わっている。