BMWザウバーチームはカドバック・インベストメンツに買収されたことが発表されているが、カドバックは実際には資金を持っておらず、チームは来季F1に参戦できないのではとの疑問が生じている。

 BMWがF1から撤退することを明らかにした後、そのF1チームはカドバックに買収されることが発表された。カドバックは金融会社で、いくつかの中東の富豪一族がバックにいるものと見られており、BMWもそういう認識の下にチーム売却に応じた。
 しかし、スイスのゾンタークスツァイトゥング紙は、カドバックのバックにいるのは、ドバイをベースにするイギリス人、ラッセル・キングという人物であると報じた。
 ザ・タイムズ紙によると、キングは、保険金詐欺で1991年に懲役2年の判決を受けた過去を持っているという。他にも詐欺を行い、2008年には自らの会社が調査された後に、裁判所により約200万ポンドの資産が凍結されたと言われている。

 キングは、2009年のコンストラクターズ選手権6位のチームが2010年のエントリーを認められた場合に得られる分配金を当てにしているのだといわれている。

 FIAは11月末に2010年の最終的なエントリーリストを発表する予定となっているが、まだカドバック・ザウバーはその中に含まれていない。同チームの承認が遅れているのは、コンコルド協定にサインしながら撤退したトヨタに関する法的論議が長引いていることが挙げられているが、一方で、FIAはキングの関与に関して懸念を感じているからだという指摘もある。
 FIAは、キングの参画の動機と財政的裏づけの両方に疑問を感じており、チームの活動を保証するだけの資金が用意されていると確信できるまでは、チームのエントリーを承認したくないという考えでいると報じられている。カドバックはバーレーン・キャピタル・インターナショナルによって資金は保証されていると主張しているものの、BMW社も今回の契約に関して確実な資金が存在しないことに、次第に不安を募らせていると言われている。

 キングは、過去にF1に関与したことがあり、2002年にはジェンソン・バトンのマネージメントを手がけていたエッセンシャリー・スポーツ社にかかわり、ビジネスパートナーのジョン・バイフィールドと共にグランプリ・インベストメンツを立ち上げ、ジョーダン・ブランプリの買収を狙ったこともある。

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