8速AT搭載「シボレー コルベット」改良モデルを発表
デュアル・クラッチ・トランスミッションに匹敵するGM特許のパドルシフトAT搭載
2014-11-04
8速ATを搭載し、より俊敏に、効率的な進化を遂げたアメリカを代表するハイ・パフォーマンス・スポーツカー「シボレー コルベット」改良モデルを発表
デュアル・クラッチ・トランスミッションに匹敵するGM特許のパドルシフトAT搭載
ゼネラルモーターズ・ジャパン株式会社(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:石井 澄人、略称:GMジャパン)は、パドルシフト8速AT(オートマチック・トランスミッション)を搭載し、より俊敏かつ効率的な進化を遂げたアメリカを代表するハイ・パフォーマンス・スポーツカー「シボレー コルベット」の改良モデルを発表し、2014年12月20日(土)から全国のシボレー正規ディーラーネットワークより販売を開始します。なお、 「シボレー コルベット Z51」(7MT/8AT)および「シボレー コルベット コンバーチブル Z51」の販売開始は、2015年2月を予定しています。
レースの経験を基に開発されたアメリカを代表するハイ・パフォーマンス・スポーツカーの第7世代「シボレー コルベット」は、伝統であるV8エンジン、特徴的なデザインが格段に進化を遂げ、競合のプレミアム・スポーツカーを凌駕するパフォーマンス、デザイン、高品質、高効率を実現したことで、今春の発売以来、日本においても非常に人気の高いハイ・パフォーマンス・スポーツカーです。
この度発表した「シボレー コルベット」の改良モデルは、新たにGMが開発したハイドラ・マチック8L90型パドルシフト付き8速オートマチック・トランスミッションを採用し、その走行性能と効率をさらに進化させると同時に、ずば抜けた洗練度と世界最高のデュアル・クラッチ・トランスミッションに勝るとも劣らぬシフト・レスポンスを実現しています。
実際、「シボレー コルベット」の29mpg(12.3km/l)という米国EPA燃費(ハイウェイ)は、従来の6速ATの従来型に比べて3.5%向上しています。しかも、フル加速時には、競合車のポルシェ911のデュアルクラッチ・トランスミッションよりも、8/100秒素早くシフトアップし、0-60mph(0-96km/h)加速を従来よりも速い3.7秒で走り抜けます。
新型8速ATのグローバル・チーフ・エンジニアであるケイブース・カヴェは、「GMの新しい8L90型8速オートマチックは、ユーザーに、“ウィン・ウィン・ウィン"の成果をもたらす稀な技術です。
新型ATトランスミッションは、優れたパフォーマンスと燃費効率を備えており、しかも、これまでのものより軽量です。これは現代の自動車業界における画期的な成果です。このトランスミッションの開発において、GMは24件以上の特許を取得しました」と述べています。
4組のギアセットと5個のクラッチ(そのうち2個はブレーキクラッチ、3個は回転式クラッチ)から成る簡潔な構造と独創的なパッケージングにより、新しい8速ATは、従来の6速ATと同じスペースに収められています。エンジンからのパワーは、回転ロスを抑えるために2基のオープンクラッチを介して伝達され、効率を高めています。また、アルミニウムとマグネシウム合金を多用したことで6速ATに比べ、4kg以上の軽量化を実現しました。
新型トランスミッションのよりワイドなオーバーオール・ギア・レシオ(7.0)は、性能と効率の向上に大きく寄与しています。1速ギアのレシオは、4.56に低められ(6ATモデルは4.03)、スタートダッシュの瞬発力が増しました。一方、トップギアのレシオは0.67から0.65に引き上げられています。「シボレー コルベット」では、より高い2.41の最終減速比(従来型6ATは2.56)と組み合わされ、70mph(112km/h)での巡航時のエンジン回転数は、8%(123rpm)低くなりました。エンジン回転が低くなったことは、当然、燃費向上に役立ちます。また、新しい設計のトルクコンバーターにより、特に、低速での滑らかで洗練されたシフトチェンジを実現しました。
世界トップクラスの性能
GMが設計、開発した新型8L90型トランスミッションは、世界最高と言われているデュアルクラッチ・トランスミッションに匹敵する変速スピードを実現しました。
新型8速ATのグローバル・チーフ・エンジニアであるケイブース・カヴェは、「シボレー コルベット」の新型8速オートマチックは、本格的なオートマチック・トランスミッションの使いやすさと快適性を備え、電光石火の変速とスポーツ・ドライビングに欠かせないマニュアルシフト機能も併せ持っています。この新型ATは、スムーズさを少しも犠牲にすることなく、デュアルクラッチ・トランスミッションと同等の性能を発揮するように開発されました」と述べています。
スポーツドライビング時、ステアリングホイールのパドルで、マニュアル操作することができます。新しいトランスミッション・コントロールシステムと専用開発のアルゴリズムにより、著名なスーパーカーに採用されているデュアルクラッチ・トランスミッション、あるいはセミオートマチックに勝るとも劣らぬ変速性能を発揮し、同時に、トルクコンバーター式オートマチック特有のスムーズさと洗練度を備えています。
新しいGenⅡ(第2世代)トランスミッション・コントロールユニットは、毎秒160回の計算を実行し、全開加速時のシフトアップは、ポルシェ911のデュアルクラッチ・トランスミッションよりも、8/100秒速く行われます。
従来の6速ATよりも、各ギア間のステップが小さくなったことで(上記の表参照)、エンジン回転を最適な範囲に収め、パフォーマンスと効率を両立させています。
さらに、タービンダンパーを備えた新しいトルクコンバーターは、低回転域でのスムーズな変速に役立っています。
デザインおよび構造的特徴
8L90型トランスミッションの開発に際し、550件以上のコンピューター解析が行われ、その強度と耐久性、性能、洗練性を確保しています。パワートレーン全体の強度のため、ベルハウジング一体式のワンピース・ケーシングを採用し、さらに、シボレー コルベットのトランスアクスル式レイアウトに合わせ、分割式エクステンションを備えています。
他のGM製6速ATと同様に、新型8速ATも、ギアセットの後方にグラウンディングクラッチが配置されています。ただし、クラッチは、ケースにスプライン結合され、センターサポートを省略することで軽量化を実現しました。また、タービンシャフトの結合点は、本体の外側に延びており、高精度の磁気スピードセンサーの装着を容易にしています。タービンシャフトそのものは、非常に短く、オイル回路の長さをできるだけ短くしました。回転式クラッチは、トランスミッションの前端近くに配置され、これもまた、オイル回路を短縮することで迅速な変速に寄与しています。
新型のトランスミッションは、下記のような機能的特徴も備えています
・クラッチ・コンペンセーターは、専用回路を持つ6L80とは異なり、潤滑用オイルが供給されます。この設計には2つの利点があります。まず、バルブボディと回転式クラッチの間の油圧回路を減らすことが可能になり、それに伴いタービンシャフトのオイルシールなどを省略できました。さらに、コンペンセーターに迅速にオイルを供給することで、クラッチ作動時にきめ細かい制御ができるようになりました。
・バルブボディの中に、業界初のチェーン駆動2段ベーンポンプを装備しました。すなわち、一基のサイズで、二基のポンプに当たる効果を発揮し、駆動ロスの低減や始動時の作動性向上、そして、コントロールシステムへのオイル供給の最適化を実現しました。
・新型ポンプは、6L80型6速ATに比べ、作動範囲の大部分でポンプトルクを60%低減しました。これにより、新型は全体的な効率が大きく向上しています。
・オイルポンプは、オイルサンプの非常に低い位置に設置され、例えば-40F(-40C)という厳しい冷間時にも優れた始動性を発揮し、また、高速運転時にも安定した油圧を確保します。
・新しいトルクコンバーターのクラッチライニングと制御法により、8L90型の薄型トルクコンバーターは従来通りの二系統供給を使用しています。
・新しい化学合成油は、摩擦抵抗を減らし、冷間時の性能を改善しています。
迅速なシフトと、さらに改善されたレスポンスには、新しいGenⅡ(第2世代)コントロールシステムも大きな役割を果たしています。VFSソレノイド技術と3個の内蔵スピードセンサーにより、世界トップレベルのシフト性能を実現しました。トランスミッション・コントローラーは、外部に取り付けられ、そのプロセッサーは、6.25ミリセカンド(ミリセカンド=1/1000秒)毎に数百回の計算を行って指示を発します。
8L90オートマチック・トランスミッションは、米国オハイオ州トレドのGMトランスミッション工場で製造されています。
第7世代「シボレー コルベット」の主な特徴
●先進技術を採用した新型6.2リッターLT1型V8エンジン
・直噴システムとアクティブ・フューエル・マネジメント(可変気筒システム)、連続可変バルブタイミングなど、パワーと燃費を両立させた先進的燃焼システムを採用しています
・新開発のエンジンの最高出力は、「シボレー コルベット」の場合、339kW(460PS)、最大トルクは、624N・m(63.6kg・m)です。さらに、スポーツ仕様の「シボレー コルベットZ51」は、343kW(466PS)、最大トルクは、630N・m(64.2kg・m)です
・燃費効率を高めるため、新たに開発された直噴V8エンジンは、加速中はV8エンジンとして、クルージング時には、V4として作動し、エコ・モードの場合は急加速しない限り、基本的にV4状態を維持し、結果として、燃費については、米国EPAハイウェイモードにおいては、29mpg(12.3 km/l)で高性能スポーツカーセグメントをリードしています
●戦略的に革新的材料を使用
・第6世代のスチールフレームより、45kgも軽く、57%剛性が向上した新アルミニウムフレーム構造
●彫刻的なエクステリア・デザイン
・先進のHIDおよびLEDを使用したライティングシステム、レース活動からフィードバックした空気力学とダウンフォースをバランスさせたエアロダイナミクス
●カーボンファイバーとアルミニウム、ハンドメイドのレザー素材を使用したインテリア
・サポート性に優れた軽量マグネシウム・フレームを持つ2種類の新型シート、カスタマイズが可能なカラークラスターディスプレイ
●12種類の制御アイテムをコントロールする5モード・ドライバーモード・セレクター
・カーボンファイバー製エンジンフード、取り外し可能なカーボンファイバー製ルーフパネル、複合材製フェンダー、ドア、リアクォーターパネル、カーボン・ナノコンポジット製アンダーボディ
●パネルなどの軽量素材を採用
・新型アルミフレームによる約50:50の前後重量配分と第一級のパワーウェイト・レシオ
●サーキット走行で威力を発揮するZ51
・主な装備は、eLSD(電子制御リミテッド・スリップ・デフ)冷却用のインテークを装備、ブレーキ冷却用ダクトが加えられ、サーキット走行性能を強化するリアスポイラーとディフレクターも装備
<メーカー希望小売価格(8%消費税込み価格)>
●車両
「シボレー コルベット」(7MT):9,182,000円
「シボレー コルベット」(8AT):9,350,000円
「シボレー コルベット Z51」(7MT):10,882,000円
「シボレー コルベット Z51」(8AT):11,050,000円
「シボレー コルベット コンバーチブル」(8AT):9,950,000円
「シボレー コルベット コンバーチブル Z51」(8AT):11,650,000円
●ボディカラー
・アークティックホワイト、ブラック、トーチレッド、シャークグレーメタリック、ベロシティーイエロー(*:有償、Z51のみ)
・スペシャルペイント(*:有償):129,000円
・MyLink統合制御ナビゲーションシステム:350,000円
<主要諸元>
・寸法・重量
全長:4,510mm
全幅:1,880mm
全高:1,230mm
ホイールベース:2,710mm
乗車定員:2名
・エンジン
エンジン形式:LT1 6.2リッターV8
排気量:6,153cc
最高出力:339kW(460PS)/<Z51>343kW(466PS)
最大トルク: 624N・m /<Z51>630 N・m
走行・動力伝達装置
・駆動方式:後輪駆動/パドルシフト付き8速オートマチック、7速マニュアル
サスペンション形式(前/後):ダブルウィッシュボーン アルミ製アッパー/ロアコントロールアーム 横置き複合樹脂製スプリング モノチューブダンパー
ブレーキ(前後):前後ディスクブレーキ 4ピストン固定式前後キャリパー(Z51はスロット付)
<サービス・プログラム>
Chevrolet Maintenance Care Program「シボレー・メンテナンスケア付帯プログラム」
新車登録日から3年間または走行距離6万キロまで、メーカー指定点検整備とメンテナンスをパッケージしたプログラム。リーズナブルなパッケージ料金で、2回の法令12ヶ月点検(除く車検)をはじめ、定期交換部品や消耗品の交換が可能。本サービスは、全国の正規ディーラーにおいて、専門のメカニックによって行い、純正部品のみを使用
Chevrolet Warranty Plus Program「シボレー新車保証延長プログラム」
新車登録日から3年間または走行距離6万キロまでの一般保証を希望に応じて、有償にて、4年目または5年目まで延長できるプログラム
シボレーについての詳しいサービス内容と価格については、http://www.chevrolet.co.jp/after/をご参照ください。
シボレーについて
1911年に米国・デトロイトで生まれたボウタイ(蝶ネクタイ)ロゴで有名なシボレーは、世界140ヵ国以上で販売しており、2013年の世界販売台数は498万台を記録し、世界中で支持されている自動車ブランドです。シボレーのブランドコンセプトは、クール(かっこいい)、ファン(楽しい)、フリーダム(自由)な気持ちになる今時のアメリカン・ブランドです。シボレーは、現在、グローバル・ビジョン「FIND NEW ROADS」を展開しています。このビジョン「FIND NEW ROADS」は、独創性のあるクルマを創ることで、世界各国で、シボレー・ブランドをより一層強化していくことです。
日本においては、「シボレーコルベット」や「シボレーカマロ」などのスポーツタイプのクルマが馴染み深いですが、2011年からミドルサイズSUV「シボレーキャプティバ」やワイルド・コンパクト「シボレーソニック」も発売しています。シボレーについての詳細は、Webサイト(http://www.chevrolet.co.jp/)をご参照ください。