第96回インディアナポリス500マイルレースは20日、バンプデーを終えすべてのグリッドが決まったが、19日のポールデーを終え予選上位を独占したシボレー勢のドライバーは、この結果に満足していると語っている。
これまで長年インディカーのエンジンを単独供給してきたホンダに加え、今季新シャシー導入にともないシボレー、ロータスがエンジンサプライヤーとして参戦したインディカー・シリーズ。今季初のオーバルレースとなるインディ500では、予選ポールポジションを獲得したライアン・ブリスコ(ペンスキー)を先頭に、シボレー勢が上位を独占。ホンダ勢の最上位は7番手のジョセフ・ニューガーデン(サラ・フィッシャー・ハートマン)となった。
今季これまでのシリーズでは、シングルターボのホンダが、ツインターボのシボレーとの性能差を減らすべくターボチャージャーのハウジング形状を変更する申請をインディカーに提出、シボレーが異議を申し立てたが、シリーズはシボレーからの抗議を却下。ホンダは新しいターボを前戦サンパウロから導入していたが、今回のインディ500予選では、その性能差がまだ存在することが現れる形となった。
そんな中、ポールシッターのブリスコをはじめ、シボレードライバーはこの結果に満足であると語り、シボレーの開発を賞賛した。
「僕たちは“ターボゲート”にはもちろん満足していなかったよ。シーズン途中での変更はフェアじゃない。でも、シボレーはすごくハードに働いてくれて、予選上位を占めることができた。シボレーの歴史にこうして名を刻むことができるなんて大変な名誉だ」とブリスコ。
「シボレーはあらゆる方法を試してくれて、常にアップデートを施してくれる。きっとこの後も1年中ね」
予選3番手に入ったライアン・ハンター-レイは、ターボの変更により所属するアンドレッティ・オートスポートが予選でもっと苦しむのではないかと予想していたと語る。
「もちろん心配していたよ。ホンダはとても能力の高いエンジンメーカーだからね。彼らはレースに勝つ方法を知っているし、いろいろな事にすぐに対応してくれる。だからこそ、シボレーは素晴らしい仕事をしたと思うね」
一方、ホンダ陣営の中でも主要チームにあたるチップ・ガナッシのグラハム・レイホールは、現在のところシボレーがシリーズを圧倒する位置にいることを認めている。
「シボレーは現時点で、わずかながらアドバンテージがある。シボレー勢は金曜日の時点で、大部分のホンダ勢より2マイルほど速かった。シボレーには間違いなく僕たちよりもパワーがあるよ」