カナダGPでのミハエル・シューマッハーのドライビングは“悲惨なぐらい悪い”という声がある中、メルセデスGPのCEO、ニック・フライは、シューマッハーはチームメイトのニコ・ロズベルグと同じぐらいよくやっていると語った。
カナダGPでシューマッハーは予選13番手で初めてQ3進出を逃した。レースではロバート・クビカと接触してタイヤがパンク、大きく順位を落とした後、愛弟子フェリペ・マッサをコース外に押し出し、マッサをポイント圏外に後退させた。一方でトロロッソのセバスチャン・ブエミ、フォース・インディアのビタントニオ・リウッツィとエイドリアン・スーティルに抜かれる場面もあり、シューマッハーは結局11位でポイント獲得を逃した。
BBCのF1コメンテイター、マーティン・ブランドルは、シューマッハーのドライビングは“悲惨なぐらい悪い”と評し、カナダGPは“復帰後最悪の週末だった”と述べている。
しかしフライはシューマッハーを弁護している。
「人々がそういった結論に達していることに驚いている」とフライはザ・サン紙に対してコメントしている。
「彼はタイヤがパンクするまではいいポジションを走っていた。だがああいうことが起こると、シナリオは崩れてしまう。さらに我々は彼にオプションタイヤを履かせるのが少し早すぎた。それがなければ(他のマシンに対する)防御をもっとうまくやれただろう」
「我々チームの内部では、全く別の見方がなされている。我々は、ニコ・ロズベルグとミハエルとのパフォーマンスに大きな差はないと考えている。ひとりは運をつかめているが、もうひとりは今のところそうではないというだけだ」
「スポーツにおいてはなるようにしかならない部分がある。だから我々はミハエルのパフォーマンスには非常に満足している。今後彼がよくならない理由など見当たらないよ。彼は絶えずよくなってきているし、いい仕事をしつつある。今は学習の過程だ。今年は彼も我々チームも努力を続け、ベストを尽くしていく。トップ3に入ることを諦めてはいない。レッドブルとマクラーレンはかなり優勢だが、フェラーリは必ずしもそうではないからね」