2009年F1第5戦スペインGP土曜に行われた予選で、ポールポジションを獲得したブラウンGPのジェンソン・バトンをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのセッションについて語った。
2009年F1第5戦スペインGP土曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 予選14位
午前中はソフトタイヤでの方がフィーリングはずっと良かったけど、それでも3コーナーや9コーナーのような長いコーナーでは、クルマのアンダーステアを解消するのは難しかった。悪いアタックではなかったものの、まだ3コーナーと9コーナーではアンダーステアが出すぎていたんだ。今日はベストを尽くしたよ。僕のアタックは素晴らしいものではなかったけど、クルマも十分な速さがなかった。これ以上速く走るためには、グリップも足りない。しかし明日は全員にとって長く厳しいレースになるだろう。僕らも順位をできるだけ上げるべく努力をして、ポイントを獲得したい。僕らはここから学び、攻め続けて、将来的にもっと良い結果を出すよ。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 予選18位
Q2に進出できなかったのは今年初めてだ。最終セクターに入る時にニックが僕の少し前にいたんだけど、そのせいで僕がたくさんのタイムを失ったとは思わない。今週はかなり難しい週末になっているよ。今日はグリップを全く見出すことができなかった。だからラップタイムがこんなに遅いんだ。
3 フェリペ・マッサ(フェラーリ) 予選4位
クルマが向上されて、以前のレースよりさらにコンペティティブになったことを証明できた。予選で前方に戻ってこられて嬉しいよ。この手柄はこの数週間、新しいパーツをこんなに早く用意するために、昼夜を問わず働いてくれたスクーデリアのみんなのものだ。まだ道のりは長いけれど、僕らは正しい方向に向かって仕事をしていて、それはこれからに向けての良い兆候だ。グリッド4番手からの僕の目標は、表彰台を争うこと。スタートでは順位を上げるのに、KERSが役立つかもね。そこからは僕らの持つ、速いレースペースを頼ることができる。運転していても前より良い気分なんだ。クルマはさらに安定していて、以前のようにどこでもそれほど横滑りしないようになった。
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 予選16位
僕らはバカらしいミスを犯してしまった。クルマはこれまでのものよりずっと良くなっていたし、良い結果を出すためのチャンスだってたくさんあったのに、本当に残念だよ。僕のQ1での唯一のアタックはそんなに良くなかったにもかかわらず、僕らはそのベストタイムならQ2に進出できると考えてガレージに残ってしまったんだ。これに関して今から何かができるわけではないから、誰のミスだなんて言ったって意味のないことだよ。僕はタイヤを節約して、新品のソフトタイヤをQ3で使いたいと思っていたので、もう1アタックすることを強く望んではいなかった。チームも自分たちは残れると思っていた。明日のレースは厳しくなるから、現状からベストを引き出すために努力をする。F60は進歩していて、まだベストというレベルにはないかもしれないものの、間違いなくそこに近づいているよ。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 予選10位
予選は本当に良い感じでスタートしたんだ。Q1では手応えのあるアタックを2回できて、Q2でも1回素晴らしいアタックができた。タイムも、ちょっとしたギャンブルをするのには十分なくらいだった。タイヤセットを節約するために、アタックは1回しかしなかったんだ。これがうまくいったね。それにこの結果は、明らかに僕らのクルマのパフォーマンスが向上したことを表している。でもQ3では決め手となるアタックの最初から、クルマに大きなアンダーステアが出てしまった。間違いなく何かがおかしくて、ピットに戻った。この問題に、クルマのポテンシャルをフルに発揮する邪魔をされてしまって、残念だよ。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 予選13位
新しい空力パッケージによって、クルマが明らかに向上したのは良いニュースだ。だからそこから最大限の力を引き出せなかったことは、なおさら残念だね。午前中のフリー走行の際、12コーナーでコースアウトしてタイヤバリアに突っ込んだ後は、予選に向けての走行ができなくなってしまった。レースを予測するのは難しいし、バルセロナではオーバーテイクも簡単ではない。それでもポイント獲得を望んでいるよ。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 予選8位
今日の午後は自分たちのベストを尽くしたと思うよ。僕らは速かったし、トップとの差も縮めた。Q2は10番手でギリギリだったけどね。明日のレースでは前にいる7台が僕らより速く、後ろにいるライバルたちがかなり重い燃料を積んでいて、ピットストップの間に前に出られてしまう可能性があることを、僕は分かっている。だからポジションを守るのは難しいかもしれない。それでも僕らはポイントを獲得する必要があるし、それが明日のレースでの目標だ。
8 ネルソン・ピケ(ルノー) 予選12位
今日はまたしてもすごい接戦の予選で、特にQ1では全てのクルマがとてもコンペティティブだった。午前中にバランスを改善してからはクルマに満足していたんだが、トップ10は逃してしまった。ちょっと残念だよ。でも12番手からのスタートはそんなに悪くはないし、燃料の搭載量も自由だ。戦略によってレース中に順位を上げられることを期待している。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 予選7位
今日は興味深く、かつ同時にタフな予選だった。特に少なめの燃料搭載量で臨んだQ1とQ2は少し手こずったけど、最後のQ3はうまくいった。Q3では燃料を積んだためグリップも上がり、クルマの反応も良くなったから攻めることができた。最後には素晴らしいラップを刻むこともできて、パフォーマンスには満足している。積んだ燃料の量を考えると、7番手スタートはとても良い成績だ。今日は戦略がうまくいって、良い結果となった。決勝も期待できると思うよ。
10 ティモ・グロック(トヨタ) 予選6位
フリー走行は完璧とまではいかなかったけど、6番手以内での決勝グリッドにはかなり満足だよ。フリー走行ではクルマの安定性不足に少し苦しんだけど、改善を尽くして予選を6番手で終えたから喜ぶべきだと思う。もちろんなるべく先頭に行きたかったんだけど、今週末に向けて他のチームも大きく改良をしてきていて、力の差が縮まった中での競争になっているんだ。今シーズンは全てのレースでポイントを挙げていて、3列目からのスタートはこれを継続する大きなチャンスだと思う。表彰台に上がるのは簡単でないけど、もちろん精一杯頑張る。明日の決勝を楽しみにしているよ。
11 セバスチャン・ブルデー(トロロッソ) 予選17位
クルマはこの仕様で間違いなく速いけど、タイムがとても接近しているから、ほんの小さなミスも許されない。最初のアタックは良かったけど、2回目ではグリップが少なくなったように感じた。2回のアタックというのは正しい決断だった。低速コーナーでは少しオーバーステアが出たためにスピードを乗せきることができず、ほんの少しの差でQ2に進出できなかった。残念なことに今日もまた、十分ではなかったね。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 予選15位
これより良い結果を期待していた。コースアウトをしてしまったこと以外に、Q2では混雑にあってしまったんだ。それがなければあと0.2~0.3秒速く走れて、順位ももう少し高い位置につけられただろう。今は明日の準備を整えるために、一生懸命仕事をするよ。雨が降るかもしれないみたいだから、そうなれば僕らにとっては良い状況だね。ここではオーバーテイクが難しく、ポイント圏内まで行くのは厳しいかもしれないけど、1周目に何が起こるかなんて誰にも分からない。僕は良い週末を過ごすことを、まだ諦めてはいないよ。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 予選5位
少しガッカリだね。Q3ではもう少し良い結果を出したかったし、そうできたはずだった。Q2は良かったんだ。だけどそれは最も重要な予選ではないからね。僕らは5番手だから、明日はここから何ができるかを考えてみよう。レッドブルのみんなに感謝するよ。彼らはこの週末、またしても良い仕事をしてくれた。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 予選2位
今日はクルマに乗っていてとても気分が良かったんだ。Q3のラップタイムも良かったしね。ただ残念なことに、ジェンソンを打ち負かすのには十分じゃなかった。最後の最後で、彼はポールを持っていったんだよ! だけどグリッド上2番手、1列目というのは素晴らしい。特に昨日、僕らはクルマに少し悩まされていたから。コンディションは冬の間に僕らがテストをした頃とは変わっているんだけど、修正して今日はちゃんとリカバリーできた。さらに午前中のフリー走行の後、予選の前にも調整をして、それがうまくいったと思うんだ。だから満足しているよ。僕らはQ1ではハードタイヤで1回、Q2でもソフトタイヤで1回しかアタックをする必要がなかった。こんな素晴らしい仕事を一生懸命してくれた、スタッフ全員に感謝するよ。いくつかのパーツが遅れて届いたので、スタッフは忙しい夜を過ごすことになった。でも彼らは今日この後は少し休めるね。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 予選9位
午前中は調子が良くなかったから、今日の結果には満足していると言わざるを得ないね。予選では気温がちょうど適温くらいまでしか上がらず、タイヤを機能させるのに苦労した。最初のアタックではタイヤが完璧ではなかったけれど、2回目には良くなってきた。Q2では力強いアタックをまとめて、7番手までいけた。だけどQ3用のタイヤがもう残っていなかったんだ。僕らはできる限りのベストを尽くしたし、5列目につけられてハッピーだよ。僕らには良い戦略があるから、明日のレースでも良いチャンスに恵まれるだろう。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 予選11位
少し残念だね。予選中はずっと快適な感じだったのに、速かったアタックでは終盤に向けてタイムを失ってしまった。クルマは本当にフィーリングが良かったから、自分のデータを研究して、なぜタイムを失ったのかを解明する必要がある。でも僕らはまだ、良いレースができると思っているよ。ここ数戦は僕にとってはうまくいかなかったので、今回は良いレースをしなければならない。明日の目標は間違いなく、ポイントを獲ることだよ。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 予選19位
接戦の予選になることは分かっていたし、実際そうだった。クルマのバランスは良かったし、昨日のフリー走行を走れなかったことで不利になったとも思わない。ただ単に、今回もすごい接戦だったということだ。路面コンディションはかなり良く、クルマのグリップも午前中からは向上したんだけど、最終的に今日はこれ以上の結果を出せるほどのスピードがなかった。でも周囲のライバルたちとは、良いレースができるはずだよ。
21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 予選20位
最後のアタックで混雑に巻き込まれてしまった。タイムを更新できそうだったんだけどね。でもクルマのフィーリングはかなり良くて、午前中のフリー走行の時よりも安定していたし、僕らのレースペースはいつも予選より良いんだ。コバライネンとライコネンが僕らから遠くない位置にいるから、レースは難しくなると思う。でも戦略でどれだけのことができるかを考えて、ポジションを上げるように努力するよ。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 予選1位
今日は予期せぬ、とても気持ちの良いポールポジションが獲れたよ。これはたぶん、僕の今シーズン最も満足のいくポールだ。ルーベンスはこの週末本当にずっと速くて、僕が昨日のフリー走行で直面したいくつかの問題点を克服するために、彼のセットアップを見たりして、助けてもらった。Q3最後のアタックは、この週末ではダントツのベストラップだったけど、コントロールラインを通過した時は残り2秒だったんだ! ここで僕らが持ち込んだアップグレードは良いパフォーマンスをしていて、まだそのパッケージの全てを出し切っているわけではないものの、明らかな前進を見せている。チームは開発に関して素晴らしい仕事をしてくれたから、ブラックレーのファクトリーにいるみんなや、ブリックスワースのメルセデスベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズのみんなが、今日のポールを楽しんでくれていたらいいな。ここではオーバーテイクが難しい分、前列からスタートすることは本当に重要なんだ。だけど僕らの後ろにはKERS搭載のフェリペ(・マッサ)がいるから、明日は良いスタートを切ることが大切だ。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 予選3位
今のところ、ここスペインでは本当に良い週末になっているよ。明日、3番手からスタートできることも嬉しく思っている。もちろん素晴らしいQ2の後でポールが獲れなかったことは少し残念だけど、僕のQ3最後のアタックも良かったんだ。最終アタックに出て行くのがほんの少し早すぎて、それでチャンスを失ったのかもしれないね。だけど僕は自分たちの戦略に満足しているし、レースに向けても良い位置にいる。僕らのポテンシャルの最大値を発揮するためには、クリーンなスタートを切って1コーナーまでにフェラーリに抜かれないことが必要だ。
