いよいよ明日走行セッションが始まる、F1第14戦日本GP。その前日となる木曜日には、毎年恒例のドライバーサイン会が行われた。
ドライバーサイン会は、抽選で当選した方のみが参加することができるイベント。ドライバーひとりにつき50人のファンがサインをゲットできる権利を得たが、連休明けの平日にも関わらず、整理券は6500枚もが配布されたという。そのため、サーキットを訪れたファンの多くはサイン会に参加できなかったが、それでもスタンドに残り、遠くからその模様を見守っていた。
ドライバーはサイン会場に到着すると、スタンドを埋めたファンに対してひと言コメントするのが基本的な流れになっていた。ニコ・ロズベルグは終始上機嫌。日本語を多用しながら、ファンの声援に応えていた。また、ルイス・ハミルトンは、王者の風格を漂わせながらゆっくりと登場。スタンドに向けて笑顔を振り撒いた。
レッドブルを飲みながら登場したダニール・クビアトは、MCの辻野ヒロシアナウンサーが「レッドブルを飲んでるね?」と話しかけると、「君たちも飲みなよ」と返し、「日本のファンのみんなありがとう。楽しんでいってね」と語っている。またシンガポールGPを2位で終えたダニエル・リカルドは「ハロ〜!」を陽気に挨拶。「ここは素晴らしいファンに囲まれて、最高だよ!」と話した。
キミ・ライコネンは「この週末、みんなが楽しんでくれることを祈ってるよ」とボソリと語り、通訳を待つことなくサイン会の列へと向かう、いつものクールな姿を見せた。シンガポールGPで優勝し鈴鹿に乗り込んできたセバスチャン・ベッテルは、「今日の天気はよくないけど、これだけのファンが集まってくれて嬉しい。週末は天候が回復するみたいだから、楽しんでくれたらいいなと思ってるよ」とファンへの感謝を述べた。フランスのテレビ局のリクエストで、スタンドのファンから“セブ!”コールが巻き起こると、ベッテルは満面の笑みで「アリガトウゴザイマス!」と日本語で返した。
なお、ベッテルは予定の人数のサインに応じた後、惜しくも抽選に外れてしまったファンに対してもサービス。あわや混乱……とも思えるほど殺到したファンに対しても、実に丁寧に受け答えを行っていた。
サイン会の実施時間は雨模様だったが、それでも多くの、しかもサイン会に当選できなかったファンが、最後までドライバーたちの一挙手一投足に注目した。それ以上に改めて関心させられたのが、ドライバーたちの姿勢だ。雨よけのテントを出て、自らが濡れるのも構わずに、ファンの声援に笑顔で応えていたのが、実に印象的だった。