2016年のダカールラリーは11日、サルタ~ベレン間767km(SS距離394km)のデイ9が行われ、前回王者のナッサー・アル-アティヤー(ミニ・オール4レーシング)が今大会初のステージ優勝を果たした。一方、総合首位のセバスチャン・ローブ(プジョー2008DKR16)はステージ終盤で激しくクラッシュ。1時間以上タイムを失い、総合8番手まで後退している。
現地10日の休息日を終えて行われたデイ9は、今大会苦戦が続いていたアル-アティヤーが第1チェックポイント通過時点で、ライバルに対し1分以上のギャップをつける快走をみせた。その後はカルロス・サインツ(プジョー2008DKR16)が追い上げをみせ、最終チェックポイントではサインツが47秒差で先行したものの、アル-アティヤーがわずか12秒差で逆転してトップタイム。今季初のステージ優勝を飾ると同時に、プジョーの連続ステージ優勝記録を7で止めることに成功した。
アル-アティヤーが調子をあげた一方で、ローブは苦戦。一時はアル-アティヤーの1分以内に詰め寄っていたものの、砂丘にマシンが捕まり約8分ほどタイムをロスすると、フィニッシュまで残り20マイル(約32.1キロ)付近ではマシンが横転する激しいクラッシュを起こしてしまった。
ローブとコドライバーのダニエル・エレナに大きな怪我はなく、両名はマシンを走行可能な状態へ修復し、トップから68分遅れのステージ33位でフィニッシュ。これにより、総合順位では首位となったステファン・ペテランセル(プジョー2008DKR16)から1時間5分遅れの総合8番手まで順位を落とすこととなった。
ローブのクラッシュについて、現場を通過したペテランセルは「ステージ残り20マイルの地点で大きな川を渡るポイントがある。時速120km前後で川を通過するけれど、そこに大きな穴があるんだ。ローブはその穴に落ちてしまって、激しく横転したようだった」と説明している。
「マシンが何回転したかは分からないけど、ローブは無事だった。マシンから脱出していて、自分たちは大丈夫だからゴールを目指してくれと言われたよ」
総合首位のペテランセルから2分9秒差の総合2番手にはサインツが浮上。14分43秒差の総合3番手にはアル-アティヤー、36分42秒遅れの総合4番手にはミッコ・ヒルボネンがつけている。
四輪市販車部門での3連覇に挑む日本のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ニコラ・ジボン/ジャン・ピエール・ギャルサン組はクラス4番手を維持しているほか、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組もクラス6番手でデイ9の走行を終えている。トラッククラスの日野チーム・スガワラ勢は、菅原照仁/杉浦博之組519号車が総合18番手、菅原義正/高橋貢組528号車は総合41番手につけている。
明日のデイ10はベレンを周回する396km(SS距離285km)の走行が予定されている。ダカールラリー2016のデイ9ハイライトはJ SPORTS 3で22時~22時30分に放送される予定だ。