2016年にF1に導入される新規則により、各チームは12月17日までに2016年開幕戦オーストラリアGPのタイヤ選択を行わなければならない。
来季は新たにウルトラソフトコンパウンドが導入され、ドライタイヤは合計5種類となる。今年まではピレリが2種類のドライコンパウンドを選択していたが、来年は各グランプリで使える3種類のドライコンパウンドをピレリが選択、13セットのタイヤのうち10セットはドライバーごとに自由に選んで使用できる。チームはその選択をFIAに報告、FIAがピレリに通知する。各マシンがどのタイヤを選択したかはレースの2週間前まで明らかにされない。
オーストラリアGPは3月20日開催で3カ月以上先だが、新しいレギュレーションでは各チームはタイヤ選択をグランプリ開催日より相当前に行わなければならない。
スポーティングレギュレーション24.2条には次のように記されている。
「競技者は、ヨーロッパ開催のイベントに関してはイベント開始の8週間以上前、ヨーロッパ以外のイベントに関してはイベント開始14週間以上前に、FIAに対して、各ドライバーがそのイベントで使用を希望するドライウェザータイヤの仕様を通知しなければならない」
オーストラリアに関しては、どのタイヤが使用可能かをFIAが12月10日にチームに通知、チームは17日までに選択しなければならないと英Autosportは伝えている。Motorsport.comによると、本来の締め切りは11日だが、新システムを実行する初めてのケースであるため、締め切りが1週間遅らされたということだ。
開幕戦で使用できるドライタイヤはミディアム、ソフト、スーパーソフトであると考えられている。
これほど前に選択を行わなければならない理由に関し、ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、新規則により手順が複雑になったためであると説明した。
「船便を使う関係だ。また、チームごとに選択が異なる可能性があることを考えると、手順がこれまでよりずっと複雑になる。そこが問題なのだ」とヘンベリー。
「3月のオーストラリアに関しては、いずれにしても空輸ではなく1月序盤に船便で発送することになっていた。だが規則変更によってチームが決定する部分があるため、製造の時間を考慮して時間を余分に取る必要がある」