第96回インディアナポリス500マイルレースで、ファイナルラップに首位を走っていたダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)にチャレンジ、スピンしクラッシュを喫した佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)について、その時3番手を走っていたスコット・ディクソンは少し大胆すぎるアタックだったと評した。
今季のインディ500でトップを争った琢磨は、最後のリスタートの後トニー・カナーン(KVレーシング)をパス。さらにフランキッティがディクソンをかわした際のドラフティングを利用し2番手に浮上。ファイナルラップのターン1でその勢いに乗じ、首位フランキッティのインを突いた。
しかしインを突いた琢磨は、イン側のホワイトラインに乗ってしまいスピン。ウォールにヒットし、17位でレースを終えることに。琢磨のクラッシュにより即座にフルコースコーションとなり、そのままインディ500はフランキッティの勝利で終わった。
レース後、琢磨は「インに入ったときには勝利を確信しました。ダリオとはサイド・バイ・サイドの状態でターン1に入っていきましたが、ダリオがどんどんかぶせてきました」とその時の状態について語ったが、フランキッティは「タクマが来るのが見え、私はまた元のラインに戻って、そのあとにはラインをアウト側へと開けた」とラインを残していたと主張した。
この状況について、2台のすぐ後方にいたディクソンは、琢磨がその時のポジションを意識し、最終周の別のチャンスを待つべきだったのではないかという考えを示した。
「勇敢なアタックだったとは思う。ダリオはスペースを与え、サトウはもう少しでオーバーテイクすることができたんだ」とディクソン。
「もし彼が早めに動かず、もうあとわずかだけ待っていたらOKだったんだろう。でも、ダリオはそれを防ぐために素晴らしい仕事をしたと思う」
「サトウがなぜもう少しだけ待たなかったのか分からない。僕ならそうはしないからね」