デトロイト・ベルアイルパークで開催されているIZODインディカー・シリーズ第6戦。2日に行われた予選では、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が今季初となるポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は、ファストシックスには進めず12番手から決勝に挑む。
リーマン・ショックで開催がストップしたデトロイト・インディカー・グランプリは、3年のインターバルの後に再開することとなった。
幸いにもドライコンディションで予選は行われ、ディクソンが今季初、キャリア18回目のポール獲得を果たした。ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)は予選2番手に破れ、ペンスキー勢による連続ポールポジションは開幕戦からの“5”でストップとなり、シボレーの連続ポールも同じく“5”までとなった。
昨年の王者ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)と、トニー・カナーン(KVRT)、そして今季のロード&ストリート予選では常にトップ6に残って来たジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポーツ)が第1セグメントで敗退した今回の予選。
ファイアストン・ファストシックスに進んだのは、パワー、ディクソン、アレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポーツ)=今季初、サイモン・ペジナウ(シュミット・ハミルトン・モータースポーツ)、EJ.ビソ(KVRT)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)の6人だった。
第2セグメントまでにグリップが高く、サイドの赤いオルタネート・タイヤをすべて使用したため、ユーズド・レッド・タイヤでの戦いとなった予選ファイナル。その戦いを制したのはディクソンだった。
パワーが自らのファイナルラップで逆転トップに立った後、ディクソンは更にタイムを更新。パワーのベストは1分10秒3206で、ディクソンのファイナル・ラップは1分10秒3162。一旦はトップを明け渡したディクソンだったが、0.0044秒差でトップの座を奪い返した。
ディクソンは、「ポールポジション獲得の原動力はチーム力だった。昨日のマシンは決して良くなかったが、今日のハードワークで予選1位になれた。ホンダエンジンはインディ500の時と同じようにパフォーマンスが高い」とコメントした。
インディ500で今季初優勝を飾ったホンダは、デトロイトで今季初のポールポジションを獲得。これは2メーカーのエンジンがより一層実力を拮抗させていることの現れだ。明日のレースでは、ロードレースでの燃費性能の比較も行われる。開幕4戦ではシボレーが大きく優位だったが、ホンダはその分野でも実力を急接近させている可能性がある。もしかしたら、インディ500で見たように逆転しているかもしれない。
3番手はタグリアーニのものとなった。インディ500で12位フィニッシュした彼らは、ロータスからホンダへとエンジンをスイッチできたことを喜んでいる。予選4番手はパジェノーで、5番手にビソ、6番手がハンター-レイだった。
佐藤琢磨は、プラクティス2、3で20番手以下につける苦戦ぶりだったが、予選に向けて施したマシン・セッティングと、レッド・タイヤのマッチングによってスピードアップ。第1セグメントの第1グループをギリギリ6番手で通過した。今シーズン初の第2セグメント進出した。
そこでさらにマシンを向上させるところまでは行かなかった琢磨陣営だったが、予選順位は12番手。ステージを重ねた分だけ増えた走行データを活用し、明日のレースに備えたいところだ。
なお、予選で7番手だったグラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)は、インディ500プラクティスでのエンジン交換で10グリッド降格のペナルティを受けることとなるため、琢磨は11番グリッドへとひとつポジションが繰り上がるはずだ。
琢磨は、「難しい1日だった。昨日も今日もマシンはセッティングが悪かったが、そこから進歩をさせることができた。でも、まだ自分たちの望むポジションにまでは来れていない。予選向けのセッティング変更は正しく、レッド・タイヤ装着によってマシンの動きが良くなっていたので攻めのドライビングが少しはできるようになっていた」と語っていた。