カナダ・トロントで開催されているIZODインディカー・シリーズ。トロント戦はダブルヘッダーで行われ、レース1に引き続きレース2となる第13戦もスコット・ディクソンが勝利。ボーナス賞金10万ドル(約1000万円)を獲得した。佐藤琢磨(AJフォイト)は、後方から追い上げるも最後のリスタートでクラッシュを喫し、リタイアとなった。

 トロントでのダブルヘッダーは両日とも素晴らしい好天に恵まれた。土曜日のレース1に続き、日曜日のレース2も快晴下でのレースとなり、レース2はレース1よりも暑いコンディションとなった。スタートの時点でレース1の間の最高気温を上回る28度に気温は達し、路面温度は50度。ソフトコンパウンドのレッドタイヤの持ちが心配の種となり、大半のチームがレッドタイヤをスタート用に選んでいた。アクシデントなどによるフルコースコーション発生の可能性がレースのスタート直後は高いからだ。

 しかし、スタートでアクシデントは発生しなかった。昨日実現しなかったスタンディングスタートが今日再びトライされたが、初のスタンディングスタートは無事に切られ、ターン1でもターン3でも大きなアクシデントは起こらなかった。ただ一人、スタート・ダッシュを決めきれなかったダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)がターン1~2の混戦の中で他車と接触し、フロントノーズとタイヤを傷めた。彼は白煙を巻き上げながら1周し、ピットへと飛び込んだ。せっかくの2番手スタートだったフランキッティだが、1周目を終えたところで最後尾近い23番手まで順位を下げていた。

 トップを行くディクソンは2番手につけるエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を軽々と突き放し、完全なる独走体制を築き上げた。そして、彼は何の危なげもなくトロント・ダブルヘッダー完全制覇へと突っ走った。レース終盤の二度のリスタートも、昨日までより加速開始ポイントがターン1側に近づけられた処置も効果を発揮し、混乱は起こらなかった。

 ポコノで今季初勝利を挙げたディクソンは、続くトロントでの2戦を連覇、ジェイムズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・オートスポート)と並ぶ今季3勝を挙げたドライバーとなり、ポイント・スタンディングはポコノ前の7位から2位にまでジャンプアップ! しかも、ポコノの前には92点あったポイント・リーダーのカストロネベスとの差は、トロントでの2レースを終えた時点で29点にまで縮まった。

 スタートで2番手へとひとつポジションを上げたカストロネベスは、その位置のままゴールした。ランキングトップを守り続けている男ならではのしぶとさが発揮されていた。
 3位はセバスチャン・ブルデー(ドラゴン・レーシング)。ゴール目前の83周で切られた最後のリスタートで、3番手につけていたのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)だったが、彼はターン1マシンのリヤが流れ、すぐ後ろを走っていたライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)と接触。ふたり揃って壁にヒット、レースを終えた。この混乱をくぐり抜けたのがブルデーで、彼は昨日に続いて表彰台に上った。

 4位はフランキッティが入った。1周目のアクシデントで最後尾近くまで下がりながら、4位まで挽回したのはディクソン同様にマシンの仕上がり具合が良かったことと、彼にとっての3回目のピット・タイミングにピッタリのところでジェイムズ・ジェイクス(RLLR)がクラッシュ。一度多いピットストップながら、そのタイムロスを最小限に抑えらることができていたのだ。

 佐藤琢磨(AJフォイト)は最後のリスタートでクラッシュの憂き目に遭った。スタンディングスタートを見事に決め、14番手スタートから10番手までポジションアップ。その後は暫く10番手を走り続け、レース中盤の奮闘でポジションを7番手にまで上げた。しかし、81周でのリスタートで10番手にダウンし、83周のリスタートではトップグループでの接触事故による影響で後方集団は急減速を余儀なくされた。その真っ只中にいた琢磨は他車にヒットされ、アウト側にポジショニングしていたことも災いし、ターン2アウト側の壁にクラッシュしたハンター-レイの後方に彼も突っ込んで行くしかなかった。20位でレースを終えた琢磨のポイントスタンディングは12番手にまで後退している。

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