フォーミュラE初のゲームイベント開催
1月24日、ロンドンのeスポーツ専用競技場、ジーフィニティ・アリーナで、フォーミュラE初のヴァーチャルレースイベント『Race Off』が開催された。イベントはコンシューマー用レースゲームソフト「FORZA 6」を使用して行われ、予選を勝ち残った16人のゲーマーたちが熱い戦いを繰り広げた。ファイナルレースには現役フォーミュラEドライバーのブルーノ・セナ(マヒンドラ)とニコラ・プロスト(ルノーe.Dams)も参加。トップゲーマーたちとのバトルを楽しんだ。
また、エキジビジョンマッチとして、セナvsプロストによる直接対決も実現。会場に集まったレースファンたちを大いに盛り上げた。
セナは「最高に楽しい1日だった。多くのファンが集まってくれて、eスポーツのこれからに期待が持てた。ビデオゲームやコンピュータゲームが実際のレースにどんどん近づいているね」と語った。
フォーミュラEは構想発表当初からデジタルとの融合を標榜しており、ファンブーストやロボレース、そしてヴァーチャルレースと、着実にレースの在り方を変えつつある。更なる施策に注目したい。
第4戦のファンブースト投票開始
2月6日(土)開催の第4戦ブエノスアイレス戦まで10日あまり、フォーミュラE選手権独自のファン参加システム、「ファンブースト」の投票受付が25日に始まった。今シーズンから1人複数の投票が可能になり、また投票締切時刻も決勝レーススタート後6分まで延長された。
SNSを介してファンの投票を集め、上位ドライバー3人に100キロジュールのエキストラパワーを与えるこのルール。ともすればスポーツの根幹を揺るがしかねない試みだが、目下のところ若年層のレースファンを中心に好意的に受け止められている。
陸上100メートル走の世界記録保持者ウサイン・ボルト(ジャマイカ)も、昨シーズンのフォーミュラE最終戦のイベントで、「僕だっていつもファンからの応援をスピードに変えてるからね!」とコメントしている。
レース後半で100キロジュールのジョーカーを切れる意味は大きい。ファンブーストを獲得したドライバーとチームは、このパワーをいつどこでどのように使うか、戦況を睨みながらレースストラテジーに組み込む。ファンブーストを持たないドライバーも、バトルの相手が切り札を持っていることを警戒しながらレースを戦う。まさにカードゲームのような駆け引きが、レースを面白くしている。
昨シーズンは、第5戦時点でランキング4位に甘んじていたネルソン・ピケJrが、第6戦ロングビーチ戦で初めてファンブーストを獲得してレースでも初優勝を飾り、以降最終戦まで6戦連続でファンブーストを獲得してフォーミュラE初代チャンピオンに輝いた。
物言わぬ1票が選手を力づけるという象徴的な出来事だった。
ファンブーストの投票方法、詳しい内容についてはフォーミュラE公式サイト(http://www.fiaformulae.com)まで。