全日本選手権スーパーフォーミュラ第1戦は13日、鈴鹿サーキットで43周の決勝レースが行われ、予選7番手スタートのロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)が素晴らしいオーバーテイクをみせ優勝を飾った。
いよいよ新シャシー、新エンジンで行われる全日本選手権スーパーフォーミュラの2014年開幕戦鈴鹿は、決勝レースを迎えた。午前中よりも雲は厚くなっていたが、心配された雨は降らず。ドライのまま15時のフォーメーションラップスタートを迎えた。
スタートでは、ポールシッターのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S)が一瞬動かず、その間に2番手スタートの中嶋一貴(PETRONAS TOM'S)がトップで1コーナーへ! 4番手スタートのジョアオ-パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)と続く。
一方、後方集団では1周目からトラブルも。中山雄一(KCMG)が日立オートモティブシステムズシケインで停止したのに続き、嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)、中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)と相次いでガレージへ。序盤で3台がストップしてしまった。
序盤、盛んにオーバーテイクを仕掛け積極的に上位を狙っていったのはロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO)。ナレイン・カーティケヤン(LENOVO TEAM IMPUL)をかわし5番手に浮上すると、前を行くロシターに激しくプレッシャーをかけていく。一方、一貴とロッテラーのギャップは1秒ほどで推移していった。
そんなレースの流れが一変したのは15周目。逆バンクで序盤から上位を争っていたカーティケヤンがコース上にストップ。危険な位置で停止してしまい、オフィシャルが勇敢にコース外に出すが、直後にセーフティカーが導入される。このタイミングで2番手ロッテラー、3番手ロシター、4番手デュバルをはじめ多くのドライバーがピットへ。給油、タイヤ交換を済ませていった。
一方、首位一貴、3番手オリベイラはコース上にステイ。この2台をのぞく全車がSC中、もしくはSC前にピット作業を済ませており、この2台の動向に注目が集まることに。18周目のリスタート後、この2台は一気にスパートし、ピット作業を済ませている3番手ロッテラー以下を突き放しにかかった。
金曜の専有走行から他を圧倒する走りを披露していた3番手ロッテラーだが、ピットストップ後なかなかペースが上がらない。SC開けからロッテラー、ロシター、デュバルのバトルが展開されていくが、ここでデュバルが素晴らしいオーバーテイクを連発。23周目にロシターをかわすと。26周目にはロッテラーもパス。一貴とオリベイラの動きを待った。
ピットインを遅らせていた2台だが、結局アンダーグリーンの下でピットインを強いられることになり、大きくポジションを落としてしまった。これでトップはデュバルのものとなり、ロッテラー、ロシターと続くことに。4番手石浦の背後にはホンダ勢最上位で奮闘していた王者山本尚貴(TEAM無限)がつけていたが、終盤に向け山本の背後に大きな集団ができてしまい、この中のバトルで山本はポジションを落としてしまう。
首位デュバルは圧倒的な速さでリードを広げるが、その後方でロッテラーがますますペースを落としてしまう。ロッテラーはロシターに対して激しく抵抗をみせていたが、42周目のヘアピンでついにロシターが前に出ると、2台のバトルの間に接近した4番手石浦、平川亮(KYGNUS SUNOCO)にも相次いでかわされてしまった。
結局、デュバルが終盤盤石の走りでトップチェッカー! 2014年の開幕戦を見事制することに。2位はロシターで嬉しい初表彰台を獲得。また、SF復帰戦となった石浦が3位に入った。4位は平川、5位にロッテラーとなり、ホンダ勢の最上位は8位のビタントニオ・リウッツィ(HP REAL RACING)という結果となった。