ルイス・ハミルトンとヤルノ・トゥルーリが、正式にFIAスチュワードに召喚され、オーストラリアGPのセーフティカー出動時の走行について改めて説明を求められることになった。

 オーストラリアGP決勝で2回目のセーフティカー出動時に、トゥルーリはハミルトンを抜いたとして、25秒加算のペナルティを受け、3位から12位に降格された。
 しかし英autosport.comによると、最初の審問を行った際には得られなかった証拠を検証するため、木曜、マレーシアにおいて再度審問が行われることになったようだ。
 トゥルーリの降格により3位に繰り上がったハミルトンが、最初の審問で真実を述べていなかったとすると、何らかのペナルティが科される可能性がある。その場合、この件に関してトヨタはすでに控訴を取り下げているが、トゥルーリは3位を取り戻すことになるかもしれない。

 この数日、FIAは新たな証拠を探していたと見られ、その中には、ライブでは流れなかったために最初の審問で取り上げられなかった、マクラーレンの無線での会話も含まれているという。
 トゥルーリが最後からふたつ目のコーナーでスライドしたためハミルトンが前に出て、その後ふたりは順位を入れ替えたわけだが、ある記録により新たな見方が出てきたとして、スチュワードは再調査に乗り出したようだ。

 ハミルトンはレース直後には、チームの指示に従って、トゥルーリを前に出すためにスローダウンしたと語っている。
「セーフティカー走行時、僕はトゥルーリの後ろを走っていた」と彼はスピードTVに対してこうコメントしている。
「もちろん、セーフティカーが出ているときは、オーバーテイクはしてはならない。でも彼は最後からふたつ目のコーナーでコースオフした。ワイドになってコース外にはみ出したんだ。彼のタイヤは冷えていたんだろうね。それで、僕は彼を抜かざるをえなかった。できる限りスピードを落としたよ。彼をもう一度前に出すように言われたんだ。それがレギュレーションなのかどうかよく分からないけど、もしそれがなければ僕は3位になっていたはずなのに」

 トゥルーリは、ハミルトンが極端にペースを落としていたため、トラブルに見舞われているのかと思ったと語っている。
「レース終盤にセーフティカーが出動した時、ルイス・ハミルトンが僕をパスした。でもすぐに彼は突然スピードを落とし、コース脇に寄ったんだ」とトゥルーリ。
「彼はトラブルを抱えているんだと思った。それで彼を抜いて前に出た。他にどうしようもなかったんだ」

 ペナルティが決定した後、トゥルーリはマレーシアのニュー・ストレート・タイムズに対しこう発言している。
「FIAのこの決定は間違っている。ハミルトンのコメントを含め、僕が彼を抜いたのではないという証拠を僕らは持っている。彼が僕を前に出したんだ」

 FIAは国際スポーツ法典第179b条に従い、会合を召集、新たな証拠が発見されたことに伴い、再調査を行うこととなった。ハミルトンとトゥルーリの審問には、オーストラリアGPとマレーシアGPのスチュワードも召集されている。

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