NASCAR SPRINT CUP SERIES
第24戦 IRWIN Tools Night Race
開催日:8月25日

デニー・ハムリンが今季3勝目
トヨタはブリストルの3カテゴリー戦完全制圧

 8月25日(土)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第24戦「IRWIN Tools Night Race」が開催された。
 1周わずか0.533マイル(約860m)のブリストルは、カイル・ブッシュが通算5勝と得意にしているコース。年に2回シリーズ戦が開催され、3月の第4戦では“トヨタ カムリ”は3-4-5フィニッシュを果たしている。今大会は、路面が再舗装されたため、その影響でレースがどのように変わるかに注目が集まった。

 24日(金)午後5時10分から予選が行われたが、全車がアタック終了する前に降雨に見舞われセッションは中断。そのままキャンセルとなり、規定に則り最初の公式練習走行のタイムとオーナーポイントによりグリッドが決定。ジョーイ・ロガーノが4番手、デニー・ハムリンが8番手。Ky.ブッシュは10番手で続き、13台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。

 25日(土)午後7時55分、14万人もの観客が見守る中、0.533マイルショートオーバルを500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースがスタート。
 2列目4番手スタートのロガーノが序盤から好走を見せ、4周目に2位へと浮上すると、首位争いを展開。首位にプレッシャーをかけ続け、28周目についに首位を奪取した。
 81周目にこの日2度目のイエローコーションが出されると、全車ピットイン。ロガーノは首位をキープしたが、4位につけていたハムリンはピットから出ようとしたときに、隣のピットボックスに入ってこようとしたランドン・カシルと接触。サスペンションへのダメージが心配されたが、一つポジションを落とすだけで済み、6位で再スタート。一方で、トップ10圏内につけていたカイル・ブッシュはこのピット時に速度違反を取られ、30位へと後退してしまった。

 148周目に他車のエンジンブローによりこの日4度目のイエローコーションが出されると、多くの車両がピットへ向かったが、ロガーノ、Ky.ブッシュらはコース上に残る作戦を採り、ピット戦略が分かれた。イエロー下でのオーバーヒート症状に見舞われたハムリンはピットへ向かい22位に後退。
 春のブリストル戦で、今季初レースながら5位フィニッシュを果たしたブライアン・ヴィッカーズが今大会もスポット参戦。22番手スタートから着実に順位を上げ、この再スタートでは3位に浮上。ロガーノ、Ky.ブッシュと共に上位争いを繰り広げた。
 191周目のイエローコーションでは、先のコーションでピットに入らなかった車両がピットに向かい、順位が大きく入れ替わることに。今度はハムリンと共に、クリント・ボウヤー、マーティン・トゥルークス・Jr.らが上位へ。206周目にハムリンが首位に立った。
 その後もイエローコーションごとのピット作戦で順位が入れ替わる展開が続いたが、ハムリン、トゥルークス・Jr.、ボウヤー、Ky.ブッシュ、ロガーノらは上位をキープ。ハムリンとトゥルークス・Jr.はトップ争いを繰り広げた。

 残りが100周を切った413周目、この日11回目のイエローコーションが出され、上位勢は最後となるであろうピットへ。ここでヴィッカーズがコース上に残り、2位に浮上。
 ヴィッカーズは首位を争ったがタイヤが厳しくなり、ハムリンが461周目に首位を奪還。その後ハムリンは2位以下に安定したマージンを築き、トップでチェッカー。今季3勝目を挙げた。厳しいタイヤと燃料ながら最後まで好走を見せたヴィッカーズが4位。Ky.ブッシュが6位、ボウヤーが7位、ロガーノが8位に入り、“トヨタ カムリ”は6台がトップ10フィニッシュ。
 トヨタは水曜日のキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ、金曜日のネイションワイド・シリーズに続き、今週ブリストルで行われたNASCARのトップ3カテゴリー全てを制することとなった。
 今大会6位フィニッシュを果たしたKy.ブッシュは、“チェイス”を争うライバルがクラッシュで下位に沈んだこともあり、再び“チェイス”圏内に復帰。しかし、“チェイス”決定まで残り2戦、まだまだ予断を許さない状況となっている。

 次戦第25戦は9月2日(日)、米国南東部ジョージア州ハンプトンのアトランタ・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー デニー・ハムリン:
「素晴らしい気分だ。クルーチーフは当初異なるセットアップで車両を持ち込んだが、正しい方向へと仕上げてくれた。ブリストルでこれだけ競争力を高めるのには長い時間がかかった。全ての関係者に感謝したい。本当に大きな勝利だ。ブリストルのナイトレースで勝てたという感激をどう説明していいかわからない。ここで勝つことは夢であり、何度も手に届きそうなところまで行きながら、ファイナルラップをリードしたことも、勝つこともできなかった。それだけにこの勝利は本当に嬉しい」

NASCAR NATIONWIDE SERIES
第23戦 Food City 250
開催日:8月24日

ジョーイ・ロガーノが今季6勝目!

 8月24日(土)にNASCARネイションワイド・シリーズの第23戦「Food City 250」がブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。

 24日(土)午前中の練習走行に続き、午後3時40分から予選が行われ、ジョーイ・ロガーノが最前列2番手。ブライアン・スコットが3番手、カイル・ブッシュが10番手につけ、9台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。

 決勝レース直前の降雨により、予定より30分ほど遅れた午後8時20分、0.533マイルショートオーバルを250周(133.25マイル:約214km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
 最前列2番手グリッドのロガーノは、好スタートで首位を奪い、序盤首位の座をキープ。
 34周目にこの日最初のイエローコーションとなったが、50周目にコンペティション・コーションが予定されていたため、多くの車両はピットへ向かわず。ロガーノはこのタイミングでピットへ向かい、ピット戦略をずらす作戦に出た。
 再スタートで28位まで後退したロガーノだったが、45周目にクラッシュ車両によりイエローコーション。これが予定されていたコンペティション・コーションも兼ねることとなり、多くの車両がピットへ。作戦通りコース上に残ったロガーノは3位に浮上。ピットに入ったがタイヤ2本交換作戦を採ったスコットが7位、4本タイヤを交換したKy.ブッシュは13位で再スタートとなった。
 63周目、8位を争っていたスコットに、追い上げてきたKy.ブッシュが接触。スコットはスピンしイン側の壁にクラッシュ。このイエローコーションではほとんどの車両がピットに入らず、ロガーノは5位で再スタート。首位を上回るペースでの快走を見せたロガーノは、106周目に再び首位に立った。
 114周目にこの日6度目のイエローコーションが出され、全車ピットイン。4本タイヤを交換したロガーノは、好ピット作業だったものの、2本タイヤ交換のケヴィン・ハーヴィック(シボレー)に先行され2位で再スタートとなった。
 その後ハーヴィックと激しい首位争いを繰り広げながらも、なかなかパスするまでには至らなかったロガーノであったが、215周目、ショートオーバルならではの周回遅れを上手く利用し、ついに首位を奪還。
 終盤には2度にわたってイエローコーションが出たものの、再スタートも上手く決めたロガーノが逃げ切り、トップでチェッカー。自身にとってシリーズ最多記録となる、今季6勝目を挙げた。
 Ky.ブッシュが3位でフィニッシュし、“トヨタ カムリ”は2台がトップ3フィニッシュとなった。

 次戦第24戦は9月1日(土)、アトランタ・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー ジョーイ・ロガーノ:
「ヴィクトリーレーンに立つのは格別な気分だ。ここブリストルは勝ちたいコースのトップ3か4に入る存在であり、本当に嬉しい。練習走行でも好調だったし、悪い調子ではなかったが、勝てるとは思っていなかった。我々の“トヨタ カムリ”はロングランで速く、その傾向はレースを通して変わらなかった。ショートランの速さでは6号車(リッキー・ステンハウス・Jr.(フォード)には叶わなかったので、最後の再スタートでは若干ナーバスにもなったが、全てが上手くかみ合い、勝つことができた」

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第13戦 UNOH 200
開催日:8月22日

“トヨタ タンドラ”トップ3独占!
ティモシー・ペターズが一度も首位を譲らず今季2勝目

 NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第13戦「UNOH 200」が8月22日 (水)にブリストル・モーター・スピードウェイで開催された。
 例年同様、夏のブリストル戦は水曜日夜の開催。全てのスケジュールが1日で行われるワンデイ・イベントとなる。

 22日(水)午後4時35分から予選が行われ、ランキング首位につけるティモシー・ペターズが最前列2番手。チームメイトのトッド・ボダインが3番手、マット・クラフトンが7番手、パーカー・クリガーマンが9番手、ジョニー・ソーターが10番手と続き、10台の“トヨタ タンドラ”が決勝へと進んだ。

 予選に続き午後8時28分、0.533マイルのショートオーバルを200周(106.6マイル:約170km)して競われる決勝レースがスタート。2番手グリッドのペターズは好スタートを切り、1コーナー進入で並ぶと、そのまま前へ。1周目から首位に立った。
 ペターズが首位をキープ、ボダインが4位、クリガーマンが5位で続いての序盤戦は、イエローコーションが出ないまま進行。
 首位のペターズは2位との差を2秒以上に開いての独走となったが、81周目に壁にクラッシュした車両により、ようやくこの日初めてのイエローコーションとなった。スタートから81周の連続グリーン走行はトラック・シリーズでのコース新記録。
 上位勢は一斉にピットイン。ペターズはタイヤ4本交換と若干の調整を行ったが、トップを維持してコースへ。ボダインも好ピットに助けられ、ペターズに続く2位へとポジションアップを果たした。
 再スタートでもペターズはポジションをキープ。ボダインは、スプリント・カップ・シリーズのレギュラードライバーであるブラッド・ケゼロウスキー(ダッジ)と激しい2位争いを展開した。
 好走を見せ上位を争っていたボダインだったが、160周目、サイド・バイ・サイドでのバトルで接触し、スピン。壁に激しくクラッシュし、無念のリタイアとなってしまった。
 終盤にもクラッシュが発生し、レースは延長されてグリーン・ホワイト・チェッカーの2周スプリントとなったが、ペターズはこの再スタートも決め、トップでチェッカー。一度も首位の座を譲ることのない圧倒的なレースで、今季2勝目を挙げた。ペターズはこの勝利で、ランキング単独首位となり、2位との差を17ポイントへと広げた。
 2位には、“トヨタ タンドラ”に乗り換えて2戦目のクリガーマン、19歳ルーキーのロス・チャスティンが自己最高位となる3位で続き、“トヨタ タンドラ”は1-2-3フィニッシュを果たした。

 次戦第14戦は8月31日(金)にアトランタ・モーター・スピードウェイで開催される。

ドライバー ティモシー・ペターズ:
「本当に感激している。最初の練習走行では速さを示せたが、その後タイヤのパンクに見舞われてしまい、若干戦略を改めざるを得なかった。しかし豊富な経験を持つクルーチーフが、スタッフ全員を集めて落ち着かせてくれた。中盤僅かな調整は行ったが、今夜の我々の“トヨタ タンドラ”は完璧だった。再びランキング単独首位に立つことができたので、可能な限りこの勢いを維持したいと思っている」

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