トヨタのジョン・ハウエットが、もしFIAが2010年に予算制限制の導入を強行するなら、F1から撤退せざるをえないと発言した。このシステムによってF1はふたつのクラスに分かれてしまうことになり、大幅な人員解雇も余儀なくされるというのがその理由だ。

 新たなエントリーを促進し、参戦チーム数を確保するため、世界モータースポーツ評議会において、来年4,000万ポンドの任意の予算制限を導入することが正式に決定された。予算制限を選んだチームは、それ以外よりも技術面において高い自由度が許される。

 これについてフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロとBMWザウバーのマリオ・タイセンは抵抗を示しており、ブラウンGPのチームプリンシパル、ロス・ブラウンとウイリアムズのディレクターオブエンジニアリング、パトリック・ヘッドも懸念を表明している。
 FIAは2010年のエントリー期限を5月29日と定めているが、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)は、これをボイコットする意向であるといわれている。そんな中、トヨタがその動きを認める発言を行った。

「もし事態に変化が見られなければ、我々はエントリーを提出しない」というTMG社長ハウエットの発言がロイターに報じられている。
「他のコンペティターの中で同じ選択をするところがないとは思わない。2クラス制の選手権においては、4,000万ポンドの予算制限を選択するしかないのは明らかだ。そちらのマシンの方が速いだろうからね」
「企業としては、問題とするのは予算だけではない。F1の価値が重要なのだ。我々は2クラス制のシリーズは正しい方向だとは思わない。レギュレーションは発表されたが、それを読んでも適切なプロセスが存在しない。それがなされていないというのが、我々が理解するところだ。たくさんの問題点を明確にしなければ、我々はエントリーを提出することはできない」

 トップチームは、現在600人以上のスタッフを雇用しているが、予算が制限されれば従業員にも影響が及ぶとハウエットは指摘した。また、FOTAはここ数カ月、大幅なコスト削減を成功させているとも主張している。
「従業員に関する社会的な問題もある」とハウエット。
「4,000万ポンドの予算となれば、多数の従業員を解雇しなければならなくなるだろう。全く異なるやり方で運営できるカテゴリーは他にあると考えられる」
「我々としてはここ(F1)にとどまりたい。モータースポーツのトップレベルにおいて競いたいのだ。我々は、トヨタとしてもFOTAとしても、新たなエントラントを歓迎する。しかし現在の我々の状況を考えれば、エントリーを提出することはできないと言わざるを得ないだろう。これは我々の力を超えた問題だ。私はこれまで、常識が勝つものだという考え方をしてきたが、それに関しては次第に悲観的になってきている」

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