2009年F1第9戦ドイツGPの決勝が終了し、初優勝を挙げたレッドブル・レーシングのマーク・ウエーバーをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。
2009年F1第9戦ドイツGP日曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝18位
僕のレースは事実上ターン1で終わった。ものすごくいいスタートを切ってターン1に向かった。ブレーキングしていると、リヤに軽く接触されるのを感じて、直進してしまった。タイヤがパンクした影響でリヤフロアがダメージを負い、氷の上を走っているような感じだった。今後のためにエンジンとギヤボックスをセーブしようとチームに提案した。今週末の前に予想していたよりも、今後僕らには大きな可能性があるわけだから。でもこれもレースだ。僕らはこれからも前に進んでいく。今週末一番よかったことは、僕らのアップデートがうまくいったことだ。チームはこの数週間素晴らしい仕事をしてくれた。次のレースが今から楽しみだ。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝8位
今日ポイントが獲れるだろうともし金曜に言われていたら、僕は信じなかっただろう。今週末は苦労した。タイヤを機能させるのも、グリップを得るのも難しかった。でも、毎セッション僕らは頑張り続けた結果、状況が好転し始めたんだ。予選はうまくいき、KERSのおかげで、スタートでは6位から3位に上がることができた。その後はひたすら防戦のレースとなった。常にプッシュし続けたよ。入賞までの道のりは険しかったけれど、それを実現できたんだから、満足していいよね。今日の僕のレースではKERSがものをいった。それは間違いないよ。今はハンガリーGPがとても楽しみだ。次のレースで僕は初めてフルエアロアップグレードパッケージを使えるからね。僕らはまた前進し始めたように思える。チーム全員にとって嬉しいことだよね。
3 フェリペ・マッサ(フェラーリ) 決勝3位
ものすごく久しぶりの表彰台だよ! シーズン前半はとても厳しかったから、本当に表彰台に上りたくてたまらなかった。僕らは少しずつ前進している。今年勝てる状況まで復調するために全力を尽くしていくよ。できるだけ早くイタリアとブラジルの国歌を聞けるようになりたいね。スタートはうまくいき、戦略が大きな要因となってこの結果を得られた。最初の15周はベッテルをおさえるのが本当に大変だったけれど、彼もタイヤに少し苦労していたんだと思う。ピットストップを少し早めていたら、ポジションをあとひとつ上げられただろうと思う。僕もタイヤには苦労していたんだ。でもそんなことを後から言うのは簡単だよね。レースの前には、自分が表彰台に上れるなんて思いもしなかった。トップ5内に入るのも大変だと思っていたからね。でもその後、理論上は僕らより速いマシンが僕らより後ろを走ることになり、大きなチャンスを手にしたことが分かったんだ。僕らはこの方向で頑張っていかなければならない。
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝リタイア
ドイツは本当に僕に幸運をもたらしてくれないみたいだね。今まで何度自分の力のおよばない問題でリタイアを強いられてきたか分からないぐらいだ。今回はデブリが原因だった。いい結果を挙げられそうだっただけに残念だよ。マシンは最初は少しドライブしづらかったが、それは誰もがそうだったと思う。14周ごろ、何かが正常じゃないことに気付き始め、なんとか解決しようとした。でもその後、パワーが大きく低下し始めたので、もう何もできることはないということで、チームにピットに呼び戻された。スーティルとの一件? レースではよくあることだよ。ふたりで話したが、彼も同じ意見だと思うし、スチュワードもそう判断した。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝14位
かなりいいスタートをきめて、1周目で大きくポジションを上げた。タイヤのデグラデーションがひどかったけれど、ファーストスティントはとても好調だった。前を行くニコ・ロズベルグはプライムを履いていて、とても速かった。セカンドスティントでプライムに換えて2周ほどして、タイヤの内圧が適切でないのに気付いた。残念ながらそのせいでラップタイムを大きくロスし、その上周回数が20周ぐらい残っていた。チームの全員が本当に懸命に作業をしており、僕らは週末ごとに少しずつよくなってきている。でもトップ勢とのギャップは依然として大きい。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝10位
今日の僕らには入賞できるだけの速さがあっただけに、とてもがっかりしている。今年は常にそういう速さがあるというわけではないのというのにね。でも今日はいくつかのことがうまくいかなかった。スタートの最初の数メートルはよくて、ポジションを上げようとトライした。でもエイドリアン・スーティルの防御はかなり固かった。その後、ファーストスティントは燃料をたっぷり積んでいたために大変だった。ミドルスティントでは挽回することができたけれど、その後、ロバートを含む、僕より遅いマシンに引っかかってロスした。ピットストップでもツイてないことがあった。ピットから出ようとしていたら、ルノーが入ってきて、待たなければならなかったんだ。ロリポップが上がるまでにものすごく長い時間がたってしまったように感じたよ。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝7位
スタートが本当にひどくて、1コーナーまでの間に大きくポジションを落とし、そのせいで難しいレースになってしまった。トラフィックに引っかかり、タフなレースだった。でもマシンは明らかに向上していた。ファステストラップを記録し、いくつかポイントも獲れたからね。今週末一番重要なことは、僕らはコンペティティブであり、今後のレースに向けて期待を感じることができるということだ。
8 ネルソン・ピケ(ルノー) 決勝13位
今日のレースは楽ではなかった。もっといい結果を出せなかったことにがっかりしている。タイヤのウォームアップに問題があって、スタートでポジションを落としてしまった。その後はトラフィックに引っかかり、レース後半に挽回するのがかなり難しくなった。今日の午後はずっと本当にハードにプッシュし続けたけれど、フェルナンドに匹敵する速さは出せなかった。彼のマシンには新たなアップデートが加えられていたんだ。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝17位
第1コーナーで、僕のレースは終わってしまった。複数のクルマがポジション取りのために競い合うなか、突然、僕を追い抜き、フロントウイングに乗ってきたクルマがいた。ウイングのパーツは見えなかったけど、何かがおかしいと感じ、ピットに入り、フロントウイングを交換した。その後、クルマは調子良かったが、残念なことに、相手に追いつけば、渋滞にはまってしまい、何もできなかった。レースの後半、前を走るクルマがいない時には、速いラップを何周か刻み、レース全体で、2番目に速いラップを記録したが遅すぎた。
10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝9位
オーバーテイクが難しいトラックのレースで、ピットレーンからスタートし、9位でフィニッシュしたので、今日のパフォーマンスにはおおむね満足している。天候の影響を受けた昨日の予選の経験を生かした今日の戦略は良かった。しかし、第1スティントで渋滞にあい、それがタイムに響いたのは残念だ。レース中、渋滞なしで走行できたのはわずか4周ほどだったが、周りにクルマがいない時は、僕はとても速かった。もし渋滞がなければ、ポイント圏内に入賞するチャンスは十分にあった。ピットストップ後、僕は(ヘイキ・)コバライネンよりも速かったものの、抜くことはできなかった。一生懸命走り、2回オーバーテイクを試みたが、うまくいかなかった。予選でもっと良いポジションを取り、決勝に臨む必要がある。次のGPではそうしたい。
11 セバスチャン・ブルデー(トロロッソ) 決勝リタイア
ウォームアップラップではオプションタイヤにあまり満足できなかったので、プライムでスタートすることに決めたんだ。これはいい判断だったと思う。でも、油圧が低下し始めて、パワステ、クラッチときかなくなり、最終的にはすべてが機能しなくなったために、ピットに戻らざるをえなかった。当然がっかりしているよ。その時点で後方を走ってはいたけれど、いい戦略を持っていたと思うからね。燃料をたっぷり積んで、プライムで走っている時でさえ、前のマシンとのギャップをコントロールし、彼らについていくことができていたんだ。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝16位
難しいスタートだった。でも、スタートはうまく決まり、序盤は好調だった。ピットインしてソフトタイヤを履いたら、グリップが落ち、適温にウォームアップするのが難しくて、ずっとスライドするようになった。最後のスティントでも同じ状況だった。ポジティブな結果とはいえないけれど、次のレースでは新たにアップデートが導入されるから、競争力は上がるはずだよ。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝1位
信じられないほど素晴らしい日だ。シルバーストンの後、僕は勝ちたくてたまらなかった。あそこで大きなチャンスがあったと思っていたからだ。昨日ポールを獲ったことで、今日自分が優勝を狙えるいいポジションを確保したことが分かった。僕にとって試練となるのは、唯一雨だけだと思っていたが、その雨すら降らなかった。だけど今日優勝するのは本当に大変だった。スタートで完全にルーベンスに前に出られてしまったんだ。彼は少し左に寄ったんだと思う。それで僕が右に行ったら、当たってしまったんだ。あれは僕の通常のスタイルではないんだが、ドライブスルーペナルティを受けてしまった。そこから挽回しなければならなくなった。エンジニアに落ち着けと言われて、僕は必要なときに全力でプッシュした。素晴らしい一日だよ。この冬は厳しかった。セバスチャンが冬のテストでマシンの力を見せ付けていたので、リハビリで辛い思いをしている時もモチベーションをとても高く保っていられた。素晴らしい人たちが周囲にいて、ケガからの回復を助けてくれた。チームも僕に対して信じられないぐらい辛抱強い態度を示してくれた。冬の間僕のためにいろいろとしてくれたディートリッヒ・マテシッツ、レッドブル、そしてレッドブル・レーシングの全員に感謝したい。そして、この世界に入ってからずっと応援してくれたオーストラリアの皆にもお礼を言いたい。僕に疑いを持っていた人たちも多少いるけど、彼らにも挨拶するよ。今日僕がここにたどり着くのを助けてくれた人たち全員にとって、素晴らしい一日になった。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝2位
マークにおめでとうを言いたい。今日の彼は無敵だった。誰よりも速かったのだから、この勝利に完全に値するよ。この結果にはとても満足している。結局はうまく挽回できたからね。スタートを大失敗してしまった。KERS車に取り囲まれていたんだ。2台のマクラーレンに抜かれ、フェリペにすら前に行かれてしまった。4番手からスタートして1コーナーに入る時に8番手というのはかなり厳しいよね。その後はファーストスティントに履いていたソフトタイヤにかなり苦戦し、トラフィックにも悩まされた。もっと速く走れたのに、フェリペを抜く術はなかった。接近するたびに、彼はスペシャルボタンを使うんだから。だから、戦略のおかげで2位に戻れてラッキーだったんだけど、フェリペはプッシュするのをやめなかったので、フィニッシュするまできつかった。戦う必要はあったけれど、チームのためにまた1-2を達成できたのだからハッピーだよ。2位で大満足といったら嘘になる。もちろん勝ちたかったからね。でも昨日マークの方がいい仕事をしたのだから、彼は間違いなくこの勝利に値するよ。僕らはいい戦いができた。今後のレースを楽しみにしている。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝4位
今日は僕らにとって素晴らしい結果を出すことができた。15番手からスタートしたので、正直言ってそれほど期待はしていなかったのだが、オープニングラップにいくつかチャンスをつかみ、周の終わりには9位に上がっていたんだ! 僕は誰よりも燃料を多く積んでいたけれど、プッシュし続けた。それから、ヘイキ・コバライネンがトラフィックを引き起こしていたのがちょっと有利に働いたのは間違いないね。フュエルシステムのトラブルを抱えていたということもあり、とても波乱に富んだレースだったけれど、それだけにこの結果はより一層嬉しく感じる。僕らは着実にマシンの改善を進めており、開発作業は好調で、そのおかげでこれだけの速さを達成することができた。今はハンガリーを楽しみにしているよ。あそこでも僕らはいい結果を出せると思うからね。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝12位
1周目で僕のレースは決定付けられてしまった。ヤルノにヒットされて、コースアウトしかかり、それで後方にポジションを落としてしまった。それによってレースが台なしになってしまい残念だ。でも今日の僕らのペースはよかったと思う。間違いなく、入賞に近づけたであろうペースだった。戦略もうまく働いたはずだったが、すべてが意味を成さなくなってしまった。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝15位
僕らはいい週末を過ごしたのだし、あっという間に次の週末が来るのだから、あまりがっかりしちゃいけないね。開発作業のすべてが正しい方向に向かっていることがはっきりしているし、僕らの競争力が大幅に上がったのも明らかだ。僕はいいレースをしていた。スタートは少し苦戦したけれど、ひとつポジションを落とすだけで済んだ。ファーストスティントでは僕はとてもいい走りをし、1回目のストップの前に2番手まで上がり、かなり期待が持てそうだった。ピットレーンを出る時、キミがコーナーのアウト側から立ち上がってくるのが見えた。僕は自分のラインをキープしようとしていただけなんだけど、彼はアウト側に行き、僕は彼に接触して自分のフロントウイングの一部をなくしてしまった。またピットに戻らざるをえず、もう入賞は無理だと思った。でも何が起こるか分からないから、プッシュし続けたよ。全体的に、僕らは多くのことを学んだと思う。トップ10内からスタートしたのは初めてだったけど、そのへんのポジションだとレースが全く違うね! またさらにいくらか進歩することができて、チーム全員にとって大きな励みとなった。僕らはいつか入賞できるはずだよ。
21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 決勝11位
昨日の予選の後、難しいレースになるだろうと思った。でもすごくレースを楽しめたし、今回も入賞に近いところまでいけた。いいスタートをして、序盤に何台ものマシンを抜いた。余裕で前に追いつき、オーバーテイクすることができたんだ。でもファーストスティントの終盤にソフト側のタイヤにひどいグレイニングができてしまった。セカンドスティントでもまた好調だったし、レース終盤にはトップグループに追いつきつつあった。あと数周あったら、何台か抜いてコバライネンと8位争いできたんじゃないかな。僕らは今週末、ポイントは獲れなかったにしても、かなり満足していいと思う。僕らは一歩前進したし、さらに開発が進めば、今後もいいレースができると思う。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝5位
1ポイント1ポイントが貴重だけれど、今日は僕のレースは最初につまずき、その後も大きく挽回することはできなかった。スタートを失敗し、1コーナーを抜けた時点で5位にポジションを落としたが、2周目の初めにマッサの前に出ることができた。でもコバライネンを抜くことはできなかった。僕らがその時点で出せるスピードと比べて、彼のペースはずっと遅かったのだが、それでも抜くことはできなかった。僕らは、どちらのタイヤでもグレイニングとタイヤのデグラデーションに苦しみ、両方ともうまく機能しなかった。ルーベンスの2回目のピットストップで起こったフュエルリグのトラブルは、僕のレースにも影響した。僕らはコース上でかなり接近して走行し、彼はプライムタイヤで苦戦していたんだ。結局、チームにとって全体的にタフで不本意な一日になってしまった。初優勝を挙げたマークにおめでとうを言いたい。どんな気分か知っているから、彼のために本当に嬉しく思うよ。2週間後のハンガリーが待ち遠しい。そこには新しいパーツを持ち込む予定なんだ。レッドブル勢と戦えるように、もっと温かい天気になることを願っている。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝6位
今日は素晴らしいスタートを決めて、1コーナーに向けて、途中で接触はあったものの、マークの前に出ることができてかなり喜んでいた。1周目をリードしながら、6位でフィニッシュするなんて、当然ものすごくがっかりしている。チームと話して、いくつかの問題がはっきりした。そういったいくつかの要素が組み合わさった結果、こうなったんだ。レッドブル勢に比べると僕らには勝てるだけの速さはなかった。でも2回目のピットストップでフュエルリグのトラブルが起こり、リグを換えなければならなかったことで、僕は表彰台を失った。そのせいで僕はロズベルグの下にポジションを落とした。それから、僕らの最後のピットストップにおいてジェンソンが1周多く走ったことで彼が僕の前に出ることになってしまった。僕らはこのレースのことは忘れ、レッドブル勢に追いつくためにハンガリーに向けて努力しなければならない。初優勝を挙げたマークにおめでとうを言うよ。
