ドニントンパークのオーナー、トム・ウィートクロフト氏が10月31日土曜日に亡くなった。87歳だった。長いこと病気だったということで自宅にて家族が見守る中、最後の別れとなった。
ウィートクロフト氏は1977年にドニントンパークサーキットを再工事しオープン。1985年にはWGP招致のためにメルボルンループを設けて改装したが、ようやく、今年の初めにMotoGPが2010年の開催に向けて視察に訪れた形となっていた。
また、サーキット敷地内にはドニントン・グランプリ・エクスペリエンスを建て、F1マシンの展示をしている。ここでの目玉はマクラーレンMP4/8で、アイルトン・セナの“ベストな勝利のひとつ”と言われる1993年ヨーロッパグランプリを勝ったマシンだ。
常にF1開催を夢見てきたウィートクロフト氏にとって、この1993年のヨーロッパGPが唯一のF1開催だった。そして16年の時を経て、今年、いよいよ2010年からの開催に向けて長期契約が結ばれるところまでこぎ着けたのだが、ドニントン・ベンチャーズ・レジャーLtd(DVLL)は資金調達ができず、再びシルバーストンが開催を行う方向で話が動き出している。
マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュは下記の通りコメントし哀悼の意を表した。
「レジェンドという言葉はいささか使い古された感があるが、トム・ウィートクロフトにはこの言葉が一番だと思う。戦時中は戦車の操縦士だった彼は話し上手で立派なビジネスマンでもあった。イギリスでのモータースポーツの発展は彼のおかげだとみんなが感謝をしている。非常に残念だ。ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスを代表して、彼の家族そして友人にお悔やみを申し上げたい」
