日産自動車/ニスモは17日、ニッサン/ニスモから参戦する世界中のレーシングドライバーに、世界各国でのレースに参戦する機会を与える『ニスモグローバルドライバーエクスチェンジ』という新しいプログラムを発表した。
近年日本ではスーパーGT、スーパー耐久、ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム(NDDP)を通じて全日本F3のNクラス、フォーミュラチャレンジ・ジャパンにニッサンドライバーが参戦している。また、ヨーロッパでは『グランツーリスモ』とコラボレーションしたニッサンGTアカデミーを通じて若手ドライバーを輩出、ブランパン耐久シリーズやFIA-GT選手権、WEC世界耐久選手権やELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズにドライバーを送り込んでいる。
今季からはさらに、オーストラリアV8スーパーカーシリーズにもニッサン・アルティマが参戦を開始。アメリカでのグランダム・コンチネンタルタイヤシリーズ等、世界中でニッサン/ニスモのドライバーたちが活躍しているが、今回、そのドライバーたちに他のシリーズに参戦する機会を与える新プログラムが発表された。
「我々は、若手ドライバーが最良の経験を積み、その才能を世界各国に広げたいと思っています。ヨーロッパのドライバーたちを日本に迎え、日本のドライバーたちをヨーロッパに送るという活動は、我々にとっての喜びでもあります」と語るのは、ニスモの宮谷正一社長。
このプログラムを最初に体現することになるのは、ニッサンGTアカデミーの最初のウイナーである、ルーカス・オルドネス。ル・マン24時間等のスポーツカーレースで多くの実績を残し、今季はニッサンGT-RニスモGT3を駆りFIA-GT/ブランパンに参戦しているオルドネスが、8月17日〜18日に開催されるスーパーGT第5戦鈴鹿で、S Road NDDP GT-Rをドライブする。
「オルドネスのような長年テレビゲームのバーチャルな世界においてスーパーGTマシンでレースを戦ってきた後、現実のレースでも活躍するようになったレーサーにとっては、スーパーGTへの参戦はまさに夢の実現といえます」とニッサン/ニスモはプレスリリースの中で述べている。
オルドネスは今週末の鈴鹿テストでS Road NDDP GT-Rを初ドライブ予定。さらに、アメリカで開催されるワールドチャレンジにもニッサン370Zで参戦、その後再び日本で、スーパーGT第5戦鈴鹿の本番を迎える。
さらに、日本からも海外のレースにドライバーが挑戦する。8月31日〜9月1日に、マレーシアのセパン・サーキットで開催されるメルデカ・ミレニアム12時間耐久レースに、今季スーパーGTでDIJON Racing IS GT-Rをドライブしている千代勝正が挑戦。千代はGTアカデミー出身のウォルフガング・ライプ、マーク・シュルツイスキーとともにGT-R GT3をドライブする。
また、9月21日〜22日のブランパン耐久シリーズ最終戦ニュルブルクリンク1000kmでは、星野一樹がGT-R GT3をドライブする予定。さらに、オーストラリアV8スーパーカーに参戦するリック・ケリーが、バサースト12時間でGT-R GT3を駆る予定になっているなど、さまざまな地域、カテゴリーでニッサンドライバーが活躍する予定だ。