2010年F1第7戦トルコGPの日曜決勝で、マクラーレンのルイス・ハミルトンは、レッドブル勢の接触によって今季初優勝を挙げ、受け継いだ勝利にはそれほど大きな喜びを感じないと語った。ジェンソン・バトンは2位だった。
■ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス
ジェンソン・バトン 決勝2位
本当にクレージーなレースだったよ! いいスタートができたけれど、ターン1までの間にルイスに引っかかってしまって、ミハエルにアウトから抜かれることになった。でもターン12の入り口でポジションを取り戻したよ。バルセロナであったことを考えると、とても報われた気分だ。その後は、マクラーレン2台とレッドブル2台の4台がその他を引き離していった。オーバーテイクできるほど近づくのは本当に難しい。でもうまくタイヤを労わることができ、ピットストップの直前にプッシュして、セバスチャンに迫ることができた。彼の前に出ることができるかもしれないと思ったけれど、そうはならなかった。
僕らはとても接近して走り、レース終盤には何が起こってもおかしくない状況だった。実際にレッドブルの2台が接触するという出来事が起こり、それによってルイスと僕が1-2といういいポジションを得た。その後僕らは燃料をセーブするように言われた。僕はその時点ですでに約30周にわたって燃料をセーブしてきていたんだけどね。レースペースがこんなに速くなるとは思っていなかったんだ。
終盤、ターン8の出口でルイスに追いついた。彼がなぜペースが悪かったのか分からないけれど、僕はターン12入り口をうまく攻略して、彼を抜くことができた。僕らはちょっといいバトルをし、3つのコーナーにわたってホイール・トゥ・ホイールで走った。でも最終コーナーで僕はいいポジションにつけられず、コーナー出口がうまくいかずに、ピットストレートで彼が前に出て、ターン1のインを取った。その後、もっと燃料をセーブしろと言われた。かなり危ないところまで来ていたんだ。タフなバトルだったけれど、僕らは接触もなく、1-2でフィニッシュできた。いいレースができたね。
ルイス・ハミルトン 決勝1位
いろいろなことが起こったレースだった。スタートはあまりうまくいかなかった。マークより早く反応したと思ったんだけど、マシンが前に進まない感じだった。でもラッキーなことにターン3でセバスチャンにアタックすることができた。彼を抜いて、一安心して、その後、長い時間にわたってマークにチャレンジした。でもピットストップでタイムをロスした。右リヤが通常よりも時間がかかったんだ。それで1台ではなく2台のレッドブルと戦わなければならなくなった。彼らの1台をオーバーテイクするだけでも大変なことなのに、2台をオーバーテイクすることを目指すなんて、本当にタフだった。でも彼らについていけるだけのレースペースがあってよかった。ただ、早い段階から燃費に気を配らなければならなかったんだけどね。
でも結局は、彼らにとっては残念なことに、ふたりが接触し、前に出ることができた。その後は、1-2が獲れるだろうと自信を感じることができた。フィニッシュまで、タイヤを労わり、燃料をセーブするよう心がけた。チームから指示された(ラップタイムの)ターゲットは彼らが意図したより少し遅かったみたいで、ジェンソンが突然背後に追いついてきた。彼とは素晴らしいバトルをしたよ。本当にびっくりしたから、追い抜くことができてよかった。ふたりはレースをすることが許されているけれど、分別ある行動をしなければならない。最終的に僕らはチームなんだ。ふたりともコンストラクターズタイトルを獲りたいと思っているし、ふたりともドライバーズタイトルを獲ることを望んでいる。でも僕らは愚か者ではない。僕はジェンソンと接触するような危険なことはしないし、彼だってそうだ。それがレースをする上で素晴らしいところなんだ。僕らは互いの間にはクッションがあり、互いを尊重する気持ちがあることを知っている。だからそれに関して全く問題はない。
そうはいっても、今日の勝利にはそれほどは喜びを感じない。これまでに勝った時とは少し違っているからだ。理想では、僕の中のレーサーの部分は、前のドライバーたちが目の前でクラッシュしたからではなく、彼らをオーバーテイクして勝ちたいと思っている。優勝を受け継ぐのではなく、戦ってライバルたちを抜き、苦労して勝利を手にいれる方がずっと嬉しい。それでもチームのためにとても満足している。ガールフレンドが来ていたのも嬉しかったし、父も休暇をとっていた。今日はすごく勝ちたかったんだ。明日は彼の50歳の誕生日だから、優勝を彼に捧げたかった。グランプリの勝利は僕があげられる最高のバースデープレゼントだよ。