メルボルンでの偽証スキャンダルで世間に騒がれたルイス・ハミルトンが、以前はF1を楽しんでいたが、今は、ここにいるべきでないと思いながら刑務所に入っている人のような気分だと語った。
マクラーレンの今季の不調により、ハミルトンは5戦を終えた段階でわずか9点を獲得するにとどまっており、現在のポイントリーダー、ジェンソン・バトンとの差は32点に広がっている。
さらに開幕戦オーストラリアGPでの偽証事件がハミルトンに影を落としている。レース終盤のセーフティカー先導時の追い抜きに関し、マクラーレンのチームマネージャー、デイブ・ライアンとハミルトンは虚偽の証言をし、ヤルノ・トゥルーリから3位表彰台を奪い取った。後に偽証が発覚してハミルトンは失格となったものの、世界モータースポーツ評議会はマクラーレンとハミルトンに対して比較的寛大な裁定を下している。しかしハミルトンは、一時はF1を去ることも考えたと認めている。
「本当に打ちのめされた気分だよ」とハミルトンは、ザ・タイムズ紙に語っている。
「刑務所に行きながらも自分は檻の中に入れられるべきじゃないと感じている人のような気分だ。オーストラリアで起こったことは間違ったことだと知っているけれど、僕がそういう気分なのは確かだ」
「僕はドライバーになりたいのであって、政略家になるためにこのスポーツにいるわけじゃない。以前はF1をエンジョイしていた。でもその一部が僕から奪い去られてしまった。F1の世界に入ったころは、これほど政治的なことが多いとは思いもしなかった。本当にショックだったよ。政治的なことに費やされる時間がとても多いんだ」
「残念なことに、それがF1ワールドの仕組みなんだ。下位カテゴリーはもっとずっと楽しかった。人々もチームも、ただレースをするためにそこにいるからね」
