2012年F1第19戦アメリカGPは現地時間18日に56周の決勝レースが行われ、マクラーレンのルイス・ハミルトンが逆転で今季4勝目を挙げた。ザウバーの小林可夢偉は14位に終わった。
2007年以来となるアメリカでのF1グランプリは、テキサス州の州都オースティンに新設された1周5.513kmのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)が舞台。サーキットには初日から多くのファンが詰めかけ、ジョージ・ルーカスといったハリウッドスターたちもオースティンでの初開催に華を添えた。
そんな歓迎ムードのなか迎えた日曜の決勝レースは、週末の全セッションでトップタイムを記録してきたポールシッターのセバスチャン・ベッテルと2番手スタートのハミルトンが白熱のバトルを展開する。ハミルトンはスタートで一旦3番手にポジションを落とすものの、すぐにその座を取り戻すと、早くも15周目にはDRSの使える前車の1秒圏内に迫り、ベッテルにプレッシャーをかけ始めた。
ここでのハミルトンのチャレンジは、ベッテルの応戦で叶わず。しかしハミルトンは、ピットストップ後の34周目に再びDRS圏内に入ると、そこから執拗にレッドブルにプレッシャーをかけ続け、ついに42周目のバックストレートでベッテルからトップを奪取。レースリーダーとなったハミルトンは終盤も追いすがるベッテルを振り切り、通算21勝目となる今季4回目のトップチェッカーを受けた。
ハミルトンに屈したベッテルは、タイトル決定の条件となる表彰台圏内の2位に入ったが、タイトル争いのライバルであるフェラーリのフェルナンド・アロンソが7番手スタートから3位に入ったため、王座決定は最終戦のブラジルまで持ちこされることに。ただ、レッドブルのコンストラクターズタイトルは確定した。
決勝前のギヤボックス交換(5グリッド降格)でアロンソのグリッドポジションをアシストしたフェリペ・マッサは、11番手から力強いレースを繰り広げ、キミ・ライコネンやジェンソン・バトンとのバトルを制し見事4位を獲得。一方、3番手スタートのマーク・ウエーバーは今季レッドブルを悩ませているオルターネーターのトラブルでリタイアに終わった。
16番手スタートの小林可夢偉は14位でフィニッシュ。コンストラクターズ5位を争っているメルセデスとザウバーの4台は、いずれもノーポイントに終わっている。
■2012 F1ドライバーズ選手権ポイントランキング
1 S.ベッテル(レッドブル) 273
2 F.アロンソ(フェラーリ) 260(+13)
3 K.ライコネン(ロータス) 206
4 L.ハミルトン(マクラーレン) 190
5 M.ウエーバー(レッドブル) 167