FIAのバジェットキャップに対して差し止め請求を行ったフェラーリだが、20日、フランスの最高裁判所がこの訴えを棄却した。
先週、フェラーリはパリの大審裁判所に訴えを起こし、FIAが4,000万ポンドのバジェットキャップ制を推し進めるのを阻もうとした。火曜、3人の法律家がこの件に関し協議した結果、この訴えは退けられる結果となった。ジャック・ゴンドラン・ド・ロベルト判事は、「妨げるべき差し迫ったダメージのおそれや、止められるべき明らかに違法なトラブルのおそれはない」とみなした。
フェラーリは、コストキャップが導入されればF1から撤退すると宣言していた。チーム側はこのシステムによってF1が二重構造の選手権になることを懸念しており、ルノー、トヨタ、レッドブルもF1撤退を宣言あるいは示唆している。
今週末のモナコGPを前に、FIA、バーニー・エクレストン、フォーミュラワン・チームズ・アソシエーション(FOTA)が会合を行う見込みとなっている。モズレーは、この制度の“任意”という要素は諦めざるをえなかったようだが、予算制限自体はなくす気はなく、これが全員に適用されることになると主張している。
モズレーは、現在参戦するいくつかのチームが撤退する可能性があることを認めながらも、撤退するチームと同じぐらいの数のチームが新たに参戦を考えていると述べている。デイビッド・リチャーズ、ローラ、US GPEが主な候補だ。しかしフェラーリは、新規チーム候補の能力について、痛烈に批判している。
「ワース・リサーチ、ローラ、US GPE、エプシロン・エウスカディ、RML、フォームテック、カンポス、iスポーツ――これは、モズレーの望む二重構造のF1に参戦するだろうチームの名前だ」とフェラーリの声明には記されている。
「今のF1には、フェラーリや、大手自動車メーカー、そしてこのスポーツの歴史を作ってきたチームが参戦している。失礼ながら、これらのようなチームが参戦する世界選手権は、現在のF1と同じ価値を持ちうるだろうか? フォーミュラGP3とでも呼ぶ方がふさわしいのではないか?」
2010年のエントリー締め切りは、5月29日に迫っている。
