ジェンソン・バトンとブラウンGPの交渉が決裂、バトンがマクラーレンとの契約に合意し、今週中にも契約が結ばれる見込みであるとの報道がなされている。
バトンはマクラーレンとの3年契約に合意し、2010年からルイス・ハミルトンと共にオールブリティッシュ体制を形成すると報じられている。英ザ・ガーディアン紙によると、バトンは2010年から2012年までの3年間、1年600万ポンドのサラリーという条件に合意、来季マクラーレンに加入することになり、契約への正式なサインは“今後数日のうちに”行われる見込みだという。
バトンは今年、共にダブルタイトルを勝ち取ったブラウンGPと来季残留に向けて交渉していたが、金銭面で両者の意見は一致せず、交渉が滞っていた。そしてついにバトンが業を煮やし、マクラーレン行きを決めたものと推測されている。
しかし、マクラーレン入りには、バトンにとってマイナスの要素もいくつかある。マクラーレンでのサラリーは、ブラウンの提示額よりは年間200万ポンド多いものの、新チームメイトのハミルトンの約半額であり、ブラウンでは自らのポジションが確立されていたが、マクラーレンはハミルトンのチームであり、今までのような待遇を期待するのは難しいだろう。さらに、16日にはメルセデスがブラウンを買収、現在所有しているマクラーレンの株式40パーセントを手放し、チームに戻すことが発表されている。
メルセデスは“オールドイツ”を形成することを目指しているとの推測が高まっており、ニコ・ロズベルグの起用はほぼ確実であり、チームメイトには元BMWザウバーのニック・ハイドフェルドが選ばれるのではと見られている。
しかしメルセデス・ベンツ・モータースポーツのバイスプレジデント、ノルベルト・ハウグは、“オールドイツ”チーム構想を否定している。
「ある推測について読んだ。我々がこの情報をもっと早く公表することができなかったためにこういうことが書かれたのだと理解している」とハウグ。
「だが、メルセデス・ベンツはグローバルな企業であり、メルセデスのチームは国際的なチームとなる。我々は完全なドイツチームになることを全く望んでいない。このチームは国際的なシルバーアロー・チームであり、我々はベストのドライバーをマシンに乗せることを望んでいるのだ」
一方、ニック・フライは、ブラウンGPとしてはバトンの残留を今も望んでいるのだと主張している。
「私はジェンソンに来季も残ってもらいたい」とフライはBBCに対してコメントした。
「我々は数年にわたってうまくやってきたし、共に世界選手権を勝ち取ることに成功した。だからこそ、我々はジェンソンに残ってもらいたいと思っている」