ブラウンGPからマクラーレンに移籍した今季のワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンはマクラーレンへの移籍を「自分自身への挑戦のため」であるとし、ルイス・ハミルトンと争うことにより強化されたマクラーレンを倒すのは困難だろう、と語っている。
2009年のタイトル獲得までの道程を記した本を発売したバトンは、そのキャンペーンに出席。ロイター通信に対して、バトンは水曜日にロス・ブラウンに会い、マクラーレン加入までの状況を説明し、理解を求めたという。
「僕たちはタイトルを獲得するまでとても近しい関係だった。そんな僕たちの関係が別れることになってしまったことにはすごくがっかりしている」とバトン。「でも、ロスは僕の理由を理解してもらったと思うし、僕たちはまだ良い友人でいてくれていると思っている」
「3月に急遽ブラウンGPのマシンに乗ることになったとき、信じられないほど素晴らしい感覚だった。もしあの感触が再び得られるのであれば話は分からないけれどね」
バトンは、タイトル獲得の成功報酬をブラウンに求め、それが認められなかったためにマクラーレンに移籍したのではないか? という指摘に対して、バトン自身が2回目のタイトルを得るだけでなく、マクラーレンに行き、同じ条件でルイス・ハミルトンと戦う挑戦をしたいのだと語る。
バトンはマクラーレンのファクトリーを訪問する前に、自身の中での“オプション”を検討したと語る。「ミーティングの前に、僕はルイス・ハミルトンのそばで戦ってみたいと思うようになった。それはミーティングの2週間前くらいから考え始め、それを考えたときに僕がすごく興奮していることに気付いたんだ」
「僕は自分自身に挑戦したい。そしてルイスを追いつめたいんだ。それはすごく刺激的な挑戦だと思う。それが簡単な挑戦なら僕はやらないし、タフであればあるほど挑戦したい。ブラウンではとても快適だったけれど、マクラーレンの中に行くことで、快適ではない環境に身を置いてみたい」
一方でバトンは、ハミルトンとバトンがともに競い合うことによりチームは強化され、2010年のマクラーレンを打ち破ることは困難になるだろうと語っている。
「ふたりの競争力のあるドライバーが、お互いに競い合うことになるんだ。チームはふたりに速さを求め、お互いにイコールコンディションで戦うんだ。どうしてどちらかを助けるなんて展開になるだろう? これはF1なんだ。彼は僕を倒しに来るだろうし、僕もそうするつもりだ」
「ルイスはとても才能にあふれている。だからこそ挑戦になるんだけどね。でも、お互いが2010年に向けてもう仕事を始めている。2010年の僕らを倒すことはとても困難なことになると思うよ」
