タイヤから見たヨーロッパグランプリ
バレンシアでのスピード、一貫性、耐久性
2012年ヨーロッパグランプリ
グランプリ概要:
今シーズンのFormula Oneカレンダーで3戦連続の市街地サーキットで行われるヨーロッパグランプリは、シーズン中で最も多いコーナー数(25)を有し、高い気温の下での走行が予想されています。今回は、P Zeroホワイト・ミディアムタイヤとP Zeroイエロー・ソフトタイヤが選択されています。
この組み合わせは、オーバーテイクが非常に難しいサーキットにおいて、耐久性と性能を際立たせます。モナコ同様、予選が極めて重要となり、スターティンググリッドの上位を得るためには、ソフトタイヤのスピードが不可欠となるでしょう。決勝では、ミディアムタイヤの強さと一貫性が、戦略上の重要な部分となります。コーナーの多くは、高速で流れるような構成で、オーバーテイクポイントは限られ、マシン間に大きなスピードの差もないため、オーバーテイクは難しくなっています。最後の連続コーナーでは、マシンは時速290kmで走行し、最終コーナー手前でヘビーブレーキングが行われ、マシンは130mに満たない距離で時速310kmから時速60kmまで減速します。減速Gは、ピーク時5.2Gに達し、ホイールをロックアップするリスクを伴いますが、ここでもコーナーレイアウトがオーバーテイクを難しくしています。
このため、タイヤ戦略が重要になり、トラック上同様、各チームはピットストップによるオーバーテイクをトライします。昨年、上位勢は同じ戦略を採りました。ソフトタイヤでスタートし、3回のピットストップを行い、最終スティントをミディアムタイヤで走行しました。今年はマシンスピードが接近しているため、昨年以上に正しい戦略が重要になります。
全ての市街地サーキットと同様、週末を通しての路面の改善は、ラバーが乗るにつれて大幅に進んでいくでしょう。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「バレンシアは、これまでの市街地サーキットと大きな違いはありません。ただ、より高速なサーキットでより高い気温の下で行われるため、タイヤには大きな負荷がかかります。市街地サーキット共通の特徴は、オーバーテイクが困難であることです。そのため、予選の重要性が大きくなります。したがって、決勝はシンプルな流れになるものと思います。昨年は、1ストッパーに挑戦するチームもいましたが、2回もしくは3回ストップが主流になりそうです。気候は、週末を通して、一貫して暖かくなりそうです。温度に関する不確定要素は少ないため、大きなサプライズは起こりにくいでしょう。これまでも、ソフトとミディアムの組み合わせは一番多く使用しています。この組み合わせは、性能と耐久性の間の完璧な妥協点を示してきました。これによって、各ドライバーは、必要な時にスピードが発揮できるだけでなく、決勝では長いスティントの走行が可能になります」
ピレリ・テストドライバーのコメント ハイメ・アルグエルスアリ:
「バレンシアは大好きなサーキットだよ。僕にとってはもうひとつのホームレースだからね!多様なコーナーがあって、オーバーテイクが難しいから、とてもチャレンジングなサーキットでわずかなミスも許されないんだ。僕は'ストップandスタート'サーキットと呼んでいる。常にその繰り返しだからね。タイヤにとっては、トラクションとブレーキングで大きな負荷がかかる。この点ではカナダに似ていると思う。速いラップのためには、トップスピードの速さとともに、トラクションの連続が最も大きな要素になる。また、低いダウンフォースセットアップになるので、タイヤの摩耗にも影響を与えるだろう」
