IZODインディカー・シリーズ第14戦ボルチモアは予選が行われ、ウィル・パワー(ペンスキー)が第13戦インフィネオンに続いて2戦連続のポールポジションを獲得した。佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)はアタック中にスピンを喫し、最後尾となった。
今回のパワーのポールはギリギリで決まった。10分間のセッション終盤、路面が良くなったところでアタックを行っていた。しかし、グラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)の出していたベストを破ることができず、最終ラップへと突入した。まさに全力でのアタック。暴れ出しそうになるマシンをステアリングでねじ伏せ、アクセルを踏みつけていた。
パワーはそのラップで1分20秒2447をマークレイホールを0.0791秒上回ってみせた。渾身の1ポイント獲得は、ボーナス1ポイントを意味し、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)とのポイント差は25点に。もし明日のレースでパワーが最多リードラップとともに優勝し、フランキッティが6位なら同点、7位ならポイントスタンディングは逆転するということだ。
今日の予選では、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)とエリオ・カストロネベス(ペンスキー)がファイナル進出を逃し、代わってレイホール、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)がファイアストン・ファスト6に進出。その中で予選2番手を獲得したレイホールは今季ベストで、チップ・ガナッシ入りしてからの初勝利も狙えるポジションだ。
予選3番手はライアン・ブリスコ(ペンスキー)。フランキッティは予選4番手だった。第13戦インフィネオンでもフランキッティは予選4番手で、決勝も4位。今週のストリートコースもオーバーテイクは難しい。ニューハンプシャー、インフィネオンと2レース続けてパワーはポイント差を縮めることに成功してきている。ボルティモアの予選でも、流れはパワーの側にあるようだ。
琢磨は予選最下位となった。予選28位は去年のインディ500での予選31番手よりは上だが、最後尾グリッドはインディカー参戦を始めてから初めてのことだ。
琢磨は予選の第1セグメント走り出しから4周目に1分21秒4349をマークし3番手につけるも、その翌周にスピン。イエローを出してしまったためにルールでベストを2周剥奪されることとなったのだ。ピットに戻った琢磨はもう一度アタックを行ない、7周目には1分21秒5988マークした。これも4番手に入る速さで、一瞬タイミングモニターでは琢磨が第1セグメントを勝ち抜く6人に表示された。
しかし、次の瞬間に琢磨の名前は最下段へと落とされた。ルールにより、イエローを出した琢磨の予選セッション内でのベスト2周(=琢磨にとっては4周目と7周目)がカウントされないことになったのだ。スピン前のベスト2周が消されるという意味ではない。かくして琢磨の第2セグメント進出はならなかった。十分にその力を示していながらの予選第一セグメント敗退は非常に悔しい結果だった。
予選第1セグメントは15分間で、1ラップに1分20秒以上がかかるという状況下でベスト2周を剥奪しては、そのドライバーの予選は完全に破壊されてしまう。イエローを出したら、それだけで完全に終わりということだ。全員に同じルールが適応されるとはいえ、このルールは非常に厳しい。琢磨の明日のスターティング・グリッドは最後列・最後尾の28番手と決まった。
「本当に悔しい。マシンは新たなセッティングにしてメカニカルグリップが高くなっていました。レッドタイヤとの相性も良かった。あの速いラップの次は、さらに速いラップになるはずでした。しかし、ブレーキングのダウンシフトで駆動がかからない状況になって、スピンしてエンジンがストール。最速2ラップが消されるのは……」と琢磨は悔しがっていた。
「最後尾からの追い上げになりますけど、明日のレースは作戦なども活かして、なんとかトップ10まで順位を上げてゴールできるよう全力で闘います」と琢磨は語った。
