残り4戦となった2011年のIZODインディカー・シリーズ。4日に行われた第14戦ボルチモアの決勝では、ポールからスタートしたウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が2連勝を飾り、シリーズランキングトップのダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)との差を5ポイントに縮めた。26番手スタートだった佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)は、6番手まで徐々に順位を上げるも終盤にアクシデントで18位に終わった。
ボルチモアのストリートコースは体力的に非常にタフなコースだ。ポール・トゥ・ウインを飾ったパワーは、ウィニングラップを終えてマシンを停めた後、しばらくマシンから降りて来れなかったほどだった。しかし、厳しい戦いの末に手に入れた勝利だからこそ、喜びはさらに大きかった。
「インディカーのレースはこうでなくちゃいけない。全力を出し切って、ハイスピードで走り続けるものでないと」と彼は笑顔で語った。
ポールポジションからスタートしたパワーは、1回目のピットストップの後にシケイン入り口でミス。3秒のペナルティを課せられたが、彼が犯したミスはそれだけで、あとはライバル勢を完全に突き放す圧倒的な速さでゴールまで走り切った。ゴール時の2位との差は10秒以上という大きさになっていた。
2位でゴールしたのは14番手スタートのオリオール・セルビア(ニューマン・ハース)。長いフルコース・コーション中の43周目に2回目のピットストップを行い、そこから32周を給油なしで走り切っての表彰台だ。
3位は、トニー・カナーン(KVレーシング/ロータス)が手に入れた。ウォームアップでマシンを大破させたカナーンは、マシン交換のため最後列の27番グリッドからスタート。3回のピットストップを行いながらトップ3フィニッシュを果たした。今回のレースでは43周目にピットする作戦が正解だったのだ。
彼らの他にも5位でゴールしたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)、6位のダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)、7位のアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット・モータースポーツ)らがこのタイミングでピットしていた。
ポイントリーダーのフランキッティは、予選順位と同じ4位でのゴールとなった。予選3番手だったライアン・ブリスコ(チーム・ペンスキー)を彼は最初のスタートでパスし、予選2番手だったグラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)が2回目のピット・ストップでポジションを落とした。しかし、フランキッティは2位フィニッシュができなかった。彼とパワーの間にセルビアとカナーンが割って入った。
パワーも油断をしていたらセルビアに優勝をさらわれるところだったのだ。しかし、彼はチームの指示で2回目のピットストップの後に思い切りプッシュして走り、セルビアよりも前でコースへ復帰することができたのだった。フランキッティはパワーほどのペースでは走れなかったため、作戦でアドバンテージを得た二人に前に入られてしまった。
パワーは2戦続けて優勝し、フランキッティは2戦続けて4位。これでふたりのポイント差は3戦続けて縮まった。もう二人の間にはたったの5点しか差はなくなった。次戦もロードコース。インディ・ジャパンでパワーはポイントトップに返り咲くかもしれない。そして、ケンタッキーとラスベガス、ふたつの1.5マイル・オーバルへと持ち越されることになりそうだ。
佐藤琢磨は26番手スタートから6位まで順位を上げた。チームメイとのカナーンとは異なり、最初のスティントをできるだけ長くする作戦を採用。1回目のピットストップを終えた時点で15位までポジションを上げていた。37周目のリスタート後に起きた多重アクシデントに巻き込まれて順位を下げたが、43周目にピットに入った作戦は正解で、47周目にさらに燃料補給してチャージを開始。6位までポジション・アップしたのだが、ゴール目前の73周目に壁に接触してサスペンションを曲げ、最後はステアリングが切れなくなってしまってストップ。結果は18位となった。
いよいよ次戦は、ロード・ストリートの最終戦となる日本でのINDY JAPAN THE FINALが開催される。
