元F1チャンピオン、ジャック・ビルヌーブは、セバスチャン・ベッテルはフェルナンド・アロンソと比べればまだ未熟であり、今年のチャンピオンにふさわしいのはアロンソの方だとの考えを示した。
2012年F1も残り2戦となり、ドライバーズタイトルの争いはベッテルとアロンソのふたりに絞られた。ベッテルはアロンソを10ポイントリードしており、レッドブルのマシンはフェラーリより競争力が高く、有利な状況だ。
しかしビルヌーブは、今の時点ではアロンソの方がベッテルよりドライバーとしては上であると考えている。
「疑いようがない。フェルナンド・アロンソがベストだ。だからこそ彼を応援している」とビルヌーブはAutosprint誌に対して述べたと報じられている。
「セブはとてつもなく速い。でも不利な状況になると、フェルナンドとの差が見えてくる」
「アロンソは冷静で、落ち着いており、理性的だ。だがベッテルはたいてい動揺し、怒り、叫び、中指を立てる。反応がまるで子供だ」
「この振る舞いの差から、成熟度が違うことが分かる。セバスチャンもエースであることははっきりしている。ただ彼の方が重要な状況で苦しむ」
「トップに立っているときにはほぼ無敵だが、追う立場になると弱くなる」
アブダビでベッテルはピットスタートから3位表彰台を勝ち取ったが、ビルヌーブはベッテルに対する評価は変わらなかったと言う。
「ベッテルに対する自分の見方が再確認された。後方から順位を上げている間に、前を走るセナと接触してフロントウイングを壊した」
「その後、セーフティカー出動時にクルマのコントロールを失ってクラッシュした。非常に大きなミスだったが、影響は少なくて済んだ。その後は見事な速さを見せたが、彼はラッキーだったと思う。だから私は意見を変えない。アロンソの方が2012年のタイトルにふさわしい」
一方、ビルヌーブは、レッドブルのテクニカルボス、エイドリアン・ニューエイを称賛している。ふたりはウイリアムズ時代に共に働いた経験を持つ。
「大勢の人々が彼を天才と呼ぶけれど、それは彼のチームリーダーとしての計り知れない力のほんの一面でしかない」
「彼は、優勝可能なマシンを作り、それに乗れば誰でも勝てると言い張るような、知ったかぶりの人間じゃない」
「逆に彼は誰よりも謙虚な技術者だ。ドライバーの声にじっくり耳を傾ける。月日がたち、たくさんの勝利を重ねても、彼は変わらない。彼は決して尊大な態度をとることなく、人の話を聞くんだ」