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F1ニュース

投稿日: 2011.05.18 00:00
更新日: 2018.02.16 02:23

ピレリ、新型ハードタイヤ投入でソフトとの差が拡大


2011年スペインGP
ピレリの新型ハード・タイヤがデビュー

2011年5月17日、ミラノ

グランプリ概略
最も使われる頻度の低いサーキットのひとつであるイスタンブールパークでのレースを終え、今週末のピレリはF1の中でも最も人気のあるサーキットのひとつ、バルセロナ近郊のモンメロにあるカタルーニャ・サーキットに向かいます。テストの開催地としても知られ、そこではPZeroタイヤも過去4回のテストを経験しています。昨年の単独テストが1回、今季開幕前のF1公式テスト期間に2回、そして現行の開発テストの一環として先月に1回行なわれています。

それゆえにピレリも各チームもバルセロナのサーキットについては膨大なデータを蓄積しています。コースレイアウトに様々な種類のコーナーや速度域が盛り込まれているため、マシンの様々な性能を確認することができ、なおかつ年間を通して好天に恵まれることが多いため、テストの場所として最適だからです。

3月に行なわれた開幕前最後のテストでは季節外れの低温と悪天候となり、激しい雨にも見舞われました。しかし今週末は暖かくなり、最新の進化型PZeroシルバー(ハードコンパウンド)のデビューにとって最適なコンディションとなるでしょう。このタイヤはトルコGPの金曜フリー走行で各チームにテストされたもので、それ以前にもピレリの単独テストでトヨタTF109テストカーを使用してバルセロナとトルコでテストが行なわれていたものです。

この新タイヤは決勝レースでの耐久性がこれまでよりもやや向上し、ソフトコンパウンドとの差を広げることでさらにアグレッシブなレース戦略を可能にします。バルセロナではこのPZeroシルバー(ハード)と併せて、ここまで全戦で使用されてきたPZeroイエロー(ソフト)が供給されます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「今シーズンの初めから、F1を面白くするためには進化型タイヤの投入もあり得ると言ってきましたが、バルセロナがその最初の機会になります。すでにかなりのテストを重ねてきたこの新型タイヤは、デグラデーションを抑え、タイヤ摩耗を低減させたものです。従来のハード・タイヤと比べて大きく変化しているわけではありませんが、ソフトとハードの差が広がることで各チームのレース戦略の可能性が広がり、レースがさらに面白いものになることは間違いありません。これまでのテストデータから分析する限り、バルセロナでは3回ストップになるでしょう。バルセロナはトルコよりもピットストップに要するタイムロスが大きいですから、それもレース戦略を左右する要素のひとつになってくるでしょう」

ドライバーのコメント ハイメ・アルグエルスアリ(トロロッソ):
「テストでたくさん走っているから、カタルーニャ・サーキットのことはよく分かっているよ。それでも今年のスペインGPは気温も路面温度も高くなるだろうから、タイヤ性能はこれまでとはかなり違ってくるだろうね。冬のテストでは適正な作動温度領域でタイヤを使うことができなかったから、ウォームアップさせるのが難しかったんだ。それでもグリップバランスやデグラデーションについて学べたから有益だったよ。サーキットのセクター3がラップタイムのカギになるんだ。そこではタイヤの反応がとても重要な役割を担う。タイヤにとても厳しいセクターで、特にターン12はとてもトリッキーで、タイヤのグリップがよく感じられるんだ。それから最終コーナーに向けたシケインの立ち上がりもタイヤという意味では面白くなりそうだね。予選では特にタイヤを上手く機能させることが重要になる。できればアタックは1周だけに留めておきたい。決勝に向けてできるだけ新品に近い状態でタイヤを温存しておきたいからね」

テクニカルノートとこれまでの供給タイヤ選択:
*バルセロナのサーキットは右コーナーが多く、特に左フロントタイヤに大きな負荷がかかる。全長4.655kmのサーキットで、コーナー数は16。1991年からスペインGPを開催し続けている。
*天候は週末を通してドライで暖かくなるものと予想されている。気温は22度程度になる見込み。3月のバルセロナ合同テストで最終日に走行したフェラーリ、マクラーレン、メルセデスGP、ウイリアムズの4チームのみが、ここバルセロナでウエット・タイヤを試した経験がある。

*スペインGPで最もピットストップの回数が多かったのは1995年。合計59回のピットストップが行なわれ、ドライバー1人あたりの回数は2.3回だった。逆に1992年は最少で計7回のみ。1人あたりわずか0.3回だった。

スペインでのピレリ:
*スペインでのピレリの活動は盛んで、その始まりは1924年まで遡ります。バルセロナ近郊のマンレサに初の工場を建設し、ヨーロッパの中でも最も近代的なロジスティクス拠点のひとつになりました。現在この工場は、全タイヤメーカーの中でも最大のスペイン向けタイヤ供給拠点となっています。

*販売実績と認知度の両面で、ピレリはスペインで2番目のタイヤメーカーとなっています。また、2輪用タイヤに関してはシェアナンバーワンを誇っています。

*スペインはモータースポーツにおいて世界的な存在となっています。年間でF1が2回、2輪の国際レースが4回も開催され、スペインでのピレリの認知度向上にも一役買っています。また、ピレリはスペイン・ラリー選手権にもタイヤを供給しています。


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