タイヤ戦略が鍵を握った、中国GPのスリリングなバトル

2011年4月17日、上海(中国)

中国GPは最後の6周に渡ってレッドブルのセバスチャン・ベッテルとマクラーレンのルイス・ハミルトンによるスリリングなバトルが展開されました。これはタイヤ戦略によって生み出されたものです。ハミルトンは残り4周でベッテルを抜き去ってトップに立ち、ベッテルはもう1台のマクラーレン、ジェンソン・バトンとチームメイトのマーク・ウェーバーからの追い上げに遭うことになりました。

今週もエキサイティングなフィナーレとともにハミルトンが勝利を挙げ、ベッテルは2番手を死守し、チャンピオンシップのリードを守りました。マクラーレン勢が3回ストップ作戦を採用して2回ストップのベッテルを打ち負かしたように、今回もタイヤ戦略がレースの鍵を握っていることが証明されました。なお、ウェーバーは3回ストップ作戦で土曜のフリー走行と予選で抱えた問題によって沈んでしまった18番グリッドから反撃を見せました。

ウェーバーはQ1で敗退してしまったため、決勝に向けて3セットのPZeroタイヤをセーブすることができました。これは非常に大きな意味があったと言えます。ウェーバーは3回ストップ作戦で下位集団をかき分け、最後から2回目のピットストップではバトンまで抜いて表彰台にまで上りました。

ベッテルはレース終盤まで2回ストップ作戦を上手く進めましたが、ハード・タイヤでライバルよりも長い周回数を走らざるを得ず、上位6台が15秒以内にひしめくスリリングな結末になりました。7度の王者ミハエル・シューマッハとフェルナンド・アロンソ、セルジオ・ペレスや小林可夢偉といった若い才能たちによるバトルなど、レースの初めから終わりまで数多くのオーバーテイクが生まれました。

今週もまたドライのままでレースが終わりました。決勝開始時の気温は22度、路面温度は30度でした。ウェーバー以外の全車がソフト・タイヤでスタートしましたが、レース戦略は2回ストップと3回ストップに別れました。注目に値する例外はHRTのナレイン・カーティケヤンで、23周目に行なった1回のタイヤ交換のみで走り切って23位で完走しました。ウェーバーが記録したレース中の最速タイム(1分38秒993)は、昨年は小雨交じりのレースだったとは言え、ハミルトンが記録した昨年の決勝最速タイム(1分42秒061)に比べて驚異的に速いものとなっています。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「今年はレースがどんどん面白くなっているようですね! 今日のレースも、最後の最後まで誰にも予想のできない展開になったはずです。これこそ我々がこのF1プロジェクトにおいて目指してきたものなのです。今日はチームによって戦略が分かれる、興味深い展開となりました。マクラーレンは3回ストップを成功させましたが、敗れたレッドブルも2回ストップで優勝目前まで行きました。マレーシアGPに比べて、今回はデグラデーションが非常に小さく、中にはハード・タイヤで20周以上を走行したドライバーもいたほどです。“マーブル”もそれほど多く発生しませんでしたし、今日のレースはまさにタイヤ戦略によって決まったと言えるでしょう。上位勢は非常に接近した中でのフィニッシュとなりましたが、タイヤを上手く使いこなしたドライバーが上位に入賞しています。次のトルコGPがどのような結果になるか予想はできません。しかし、今回のように素晴らしいレースになるよう全力を尽くすことは保証します」

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