イギリスグランプリ プレビュー:シルバーストン 2013年6月28-30日
ハードとミディアムが登場、フリー走行にプロトタイプを供給
2013年6月24日、ミラノ
ピレリは、P Zeroオレンジ・ハードとP Zeroホワイト・ミディアムタイヤをイギリスグランプリ開催の地、シルバーストンへ持ち込みます。イギリスグランプリは、ピレリにとって第二のホームレースとも言えるグランプリで、ディドコットにあるピレリのイギリス流通ハブは、ノーサンプトンシャーのシルバーストンから車で1時間もかからない距離に位置しています。
金曜日に行われる2回のフリー走行での限定使用として、スペインでも登場したプロトタイプのハードタイヤがマシンあたり2セット供給される予定です。
近年、大規模な改修を重ねたこともあり、シルバーストンは、Formula Oneカレンダー中で最も歴史があり、最も高速なサーキットのひとつとなっています。高速なコースレイアウトのため、タイヤには大きな負荷がかかり、摩耗とデグラデーションへ影響を及ぼします。過去のレースでは、各チームがトラック上のアドバンテージを得るために戦略を駆使し、多様な戦略が展開される中で僅差のフィニッシュが見られています。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター
ポール・ヘンベリーのコメント
「シルバーストンは、平均スピードが非常に高く、流れるような連続コーナーなどを特徴とし、3週間前のカナダ(ストップ&ゴータイプのサーキット)とは非常に対照的です。カナダ同様、タイヤに負荷がかかるサーキットですが、その理由は大きく異なります」
「我々は、今回のイギリスグランプリに、トレッドとスチールベルトを繋ぐ接着工程に変更を加えた最も硬いコンパウンドの組み合わせを持ち込みました。この変更は、デラミネーション問題への対策として設計され、満場一致の合意を得たものです。しかし、我々は近い将来必要とされる変更の可能性に対してもスタンバイしています。シルバーストンのフリー走行では、今シーズン、以前にも登場したことのあるプロトタイプのハードタイヤを持ち込みます。タイヤ構造に変更は無く、現在のハードタイヤよりも耐久性の向上を狙っています。スペインでのフリー走行では、各チームが十分に試す機会を得られませんでしたので、より多くのデータを収集するために、異なるサーキットで新型コンパウンドをテストする機会を設定したのです」
「もちろん、シルバーストンでのもうひとつの重要な要素は、変わりやすいことで悪名高いブリティッシュウェザーです。Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットが登場する機会もあるかもしれません。したがって、決勝でのピットストップ回数を予測することは極めて困難です。昨年、ウェットコンディションの2日間を経た後のドライコンディションの決勝では、2ストップ戦略が見られました。しかし、今年のコンパウンドは軟らかくなっているため、もしドライが続けば、3~4ストップになる可能性があります。フリー走行後、より正確な予測を立てられると思います」
「最後に、最も重要なことですが、先週末のル・マンでの事故で亡くなったアラン・シモンセンのご家族とご友人に謹んでお悔やみを申し上げます。我々は、長年に渡ってアストンマーチン・レーシングのパートナーでした。彼らの辛い心中をお察しいたします」
ピレリ・ブランド・アンバサダー
ジャン・アレジのコメント
「シルバーストンでは、常に天候に気を付けなければなりません。何が起きても不思議ではなく、ウェットとドライが混在することもあります。足下にも気を配る必要があります。シルバーストンは、タイヤに厳しいサーキットです。それは、トラクションとブレーキングによるものではなく、非常に高速なため、常にマシンを押さえつける高いレベルのダウンフォースによるものです。この点がタイヤを摩耗させるため、ハードとミディアムは理想的な選択だと思います。ドライバー時代、コースに改修が加えられる中、何度もシルバーストンの表彰台に上り、常にエンジョイしていました。最も新しい改修である新しいピットコンプレックスは、とてもすばらしい投資だと思います。しかし、個人的には、魅力的なチャレンジの場であったブリッジコーナーが無くなったのは残念です。いかなる場合においても、シルバーストンンは真のドライバーズサーキットと言えるでしょう。したがって、興味深い戦略と良いレースが期待できます。イギリスのファンは、Formula Oneに関して知識が豊富で情熱的なため、ここを訪れることは常に楽しみです。ここには、誰もが賞賛するイギリスの真のモータースポーツ文化が存在しています」
・サーキットから見たタイヤ
高速性と高いレベルの横荷重がシルバーストンの鍵となる特徴ですが、近年の改修によって低速コーナーやテクニカルな部分も存在しています。このようなエリアでは、複合的な加速が特に重要になります。これは、ドライバーがコーナー出口でステアリングと加速を同時に行う時に起こるもので、タイヤの働きは極めて重要になります。
シルバーストンの大部分のアスファルトは新しいもので、古いセクションのアスファルトよりもバンピーではなく、粗くなっています。粗いアスファルトはグリップを向上させますが、同時に摩耗とデグラデーションのレベルを高くします。
昨年は、ウェットの予選を経て、ドライバーたちがスタート時のスリックコンパウンドを自由に選択することができたこともあり、決勝では多様な戦略が見られました。レッドブルのマーク・ウェバーが2番グリッドからスタートし、レースを制しました。ウェバーは、ソフトタイヤでスタートし、続く2スティントをハードタイヤで走行しました。フェラーリのフェルナンド・アロンソは、ポールからのスタートながら2位に終わりました。アロンソは、ウェバーと反対の戦略、すなわち最初の2スティントをハードタイヤで、最終スティントをソフトタイヤで走行しました。
・テクニカルノート
減速のエネルギーが極めて低いシルバーストンでは、高速での安定性が特に重要になります。ダウンフォースレベルはミディアムで、高速コーナーに迅速に対応可能な空力グリップの確保と、ストレートでのドラッグの抑制との妥協点となります。
タイヤへの横方向の荷重はシーズン中で最も高い部類に入るもので、ピーク時5Gに達します。このため、タイヤの表面温度は110℃を超え、作動温度領域の上端部分に入ります。
シルバーストンは、オーバーテイクが難しいサーキットのひとつであるため、予選での上位グリッドの確保とトラックポジションのアップをサポートする戦略の選択が重要になります。アビーカーブに続く新しいインフィールドアリーナセクションは、オーバーテイクを促進するために2011年に新設されました。
・その他のニュース
ピレリがサポートするGP3シリーズが、イギリスグランプリの2週間前、バレンシアで単独開催されました。アメリカ人のコナー・デイリーがレース1を制し、ART Grand Prix one-twoを首位に導きました。レース2では、MW Ardenのロベルト・ビソイウが初勝利を挙げました。常設のリカルド・トルモ・サーキットでGP3用のミディアムコンパウンドが使用されました。
イタリアラリー選手権の最新ラウンド、オールグラベルのコスタ・スメラルダ・ラリーが、先週末、サルディーニャ島で行われました。ピレリで複数回王者に輝くパオロ・アンドレウッチが、通常のプジョー208 R2ではなく、今回に限りプジョー207 S2000を使用し、1分近くの差をつけて優勝しました。
ピレリがサポートする、世界最速のワンメイクシリーズと評されるランボルギーニ・ブランパン・スーパートロフェオが北米に向かいます。7月5~6日、アメリカン ル・マンシリーズとともに開催され、レース仕様のガヤルドが登場します。
